【大石さんになった日】
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  • File No.54【大石さんになった日】

     

    こんにちは、ネットサーフィン歴50年の拓文です。うそです、WWWが誕生して7年ですからね(笑)。でもパソコン通信は40年程やっていました。うそです、4年です。モデムを使いはじめて早4年、電話回線にはいつもお世話になってます。昨日、いつものように夜のメールの確認をしようとしてネットワークに接続しようとしたのですが、回線がつながらなかったのです。

    モデムの電源は入っているし、コンピューターも正常に起動しています。以前、買ったばかりのモデムが30分でオシャカになるという不幸を経験しているので、またモデムが死んだのかな?と、予備のモデム(昔使っていた14400bpsの奴です)を接続して、再度トライしたのですが、やっぱりつながりません。不思議に思って電話の受話器を上げて発信音を確認すると、プーともプープーとも言わず、何も聞こえないのです。リビングの方の電話もキッチンのFAXも全部通じません。

    台風でもないのに 電話線が切れてしまったのだろうか?と不思議に思いましたが、通じないものは仕方がないので、NTTへ電話しようとしたのですが、・・・つながりません。当たり前です、電話が通じないのですから。しかし一刻も早く故障を知らせねばなりません、誰かからメールが来ているかも知れませんし、掲示板の定期巡回もしなければなりませんし、自分のページの更新もしなければなりません(なんだ通信しただけじゃないか)。仕方がないので、お隣の家に行き電話をお借りしました、さっそく106に電話すると・・・・・コレクトコールでした。そう、故障の時の番号は113でしたね。

    113へ電話するとテープが回っていて7時以降は誰もいないから緊急の時はセンターの方へかけて下さいという事で、テープ終了後センター転送モードの34番を押しました。センターへ事情を説明すると、どこかの受話器が上がったままかも知れないから確認して下さいというので、家へ帰って全部の受話器のモジュラージャックを外して、一本だけにしてみましたが、やっぱり通じません。

    申し訳なさそうに隣の家へ電話をお借りしに行き、ふたたびセンターへ電話しました。すると、本日の営業は終わっているので、明日の朝一番で調べに来ると言うのです。なんという事でしょう、誰かから大事なメールが来ているかも知れませんし、大事な掲示板の定期巡回もしなければなりませんし、大事な自分のページの更新もしなければなりません(結局それだけか?)。しかし来てくれないものは仕方がありません、「よろしくお願いします」と丁寧にお願いして電話を切りました(小心者)。よ〜し、この事を更新日記に書いてやろう、と思いましたが、結局その日はホームページの更新は出来ませんでした。何故なら、電話が通じなかったからです。

    明くる日、9時12分に NTTの方が調べに来てくれました(細かい奴)。まず初めに外の電話線がつながっているか検査しましたが、外ではその時つながった様で、家の中のモジュラージャックにテスターを当てまくって調べはじめました。「どうもおかしい」と言いながら、ふたたび外の電話線を調べて、外の電柱の方の電話線ボックスの中の接触が悪い事が判明しました。修理は午前中かかりました。イライラしていたのですが、「なおりました!」というNTTの方の元気な声に、思わず「ど、どうもありがとうございました」と返事をしてしまいました。お昼を過ぎてお腹が空いていたのでしよう、NTTの人はそれだけ言うと、さっそうと帰って行きました。

    私はさっそく回線をつなげてホームページを巡回し、掲示板を見て「あ、書き込みがある!嬉しいなっと」。やはり電話とは、無くてはならないもの、切っても切れないものだという事を再確認したのでした(切れてたけど)。ネットワークから回線を切って、書き込みをしてくれた皆さんにお返事を書いていると、電話が鳴りました。「はい、たくぶんです」「・・・ガチャ」切れてしまいました。まったく間違いなら一言「すいませんでした」くらい言って欲しいものです。そう思ったらまた電話が鳴りました、多分同じ奴だろうと思い、今度はこちらから名前を言わない様にして受話器を取りました。
    「もしもし・・・」
    「あ、大石さんですか?」
    「違います」
    「あれ?おかしいなぁ〜」
    「何番へお掛けですか?」
    「あ、いいです、ちゃんと調べてかけ直します・・・ガチャ」
    くそぉ〜、また切られてしまった。しばらくしてまた電話のベルが鳴った
    「もしもし・・・」
    「大石さんのお宅ですか」
    今度はさっきとは違う人(女性)だった
    「あ、違いますけど」
    「どうもすいません、間違えました、ガチャ」。
    う〜む、相手が違うので強く言えない。

    しかし大石さん という家の番号は、局番違いとか、そんなにうちの番号と間違え安い番号なのか?、と、連続する間違い電話に、少々不思議に思いました。そしてまたまた電話が鳴ったので、今度は大石宅の番号を聞き出そうと決心して受話器をとりました。
    「・・・もしもし」
    「あ、また、すいません12−3456じゃありませんか?」
    さっきの女性でした、
    それも向こうから番号を確認して来るとは意外。
    しかし、どう押したらうちへ掛かるのか不思議なくらいに番号が違うぞぉ。
    「うちは98−7654です」
    「すいませぇ〜ん、ガチャ」。
    電話が切れたと同時に突然解った!・・・そうなのだ!
    間違い電話ではなくて、うちの方が、・・・大石さんになってしまったのだ!。
    さっそく106へ電話すると・・・コレクトコールでした。
    いかん!ボケている場合ではない!
    自分の頭をコツコツしながら113へかけなおす。
    「あ、もしもし、たくぶんという者ですけど、朝、接触が悪くて不通だった電話をなおしてもらったんですが、なおったら大石さんという家になってしまったみたいなんですけど」
    「・・・はぁ?」
    「あ、だからですね、番号が変わってしまったみたいなんです」
    「お宅の番号は?」
    「98−7654です」
    「今どこからかけていますか?」
    「自宅です」
    「自宅の番号は?」
    「98−7654です」
    「ちょっとお待ち下さいね、お調べしますから」
    「はい」
    (3分経過)
    「お待たせしました、すぐに伺います」
    「よ、よろしくお願いします」
    しばらくして朝来たNTTのワゴン車がやって来ました。
    「すいません!接続ミスです!」
    やっぱり・・・。うちは大石さんになっていたのでした。

    それから接続を直すのに ずいぶん時間が掛かりました。「局の方へ帰って交換機も調べてテストしますので、電話が掛かって来たら出てください」。そう言い残して去っていったのですが、一時間しても一向に掛かって来ません。交換機の方もおかしいのだろうか?。プルルル・プルルル・プルルル!やっと掛かってきた!「もしもし!」「大石さんのお宅ですか?」。ガックリして教えてあげる気力も無くした私は「違います」とだけ言って受話器を置きました。考えてみれば大石さんちへ、かけてくる人も不思議に思っている事でしょう、番号は間違っていないのですから・・。

    そして、私はというと、回線はつながるのだが私のかけた電話料を見ず知らずの大石さんが払うと思うと、どうも大石さんに悪い様な気がして電話が出来ないのでありました。そして、やっとNTTから電話がありました。どうも交換機の方もおかしかった様で、交換機の方の接続線やうちへ引き込んでいる電話線も新品にしたので時間が掛かったという事でした。もちろん平謝りです。

    さっきまでイライラしていたのですが、回線が新品になったと聞いて嬉しくなってしまい、つい「どうもお手数かけました、新品ですか、速くなりますかね?」などと訳の解らないことを口走る私でありました。治ったというのでさっそくインターネットへ接続して、通信速度を確認してみたら、ちょっとだけ速くなっている様な気がしました。もちろん気のせいでしたが。


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