【グァム3(ウェディング編)】
AOWAOW Essay.


 

TOP MENU./Essay./ Joke's./ LAND. /Gallery./X-File /Profile


【セブ島の子供達を学校へ】
特定非営利活動法人プルメリア



  • File No.64【グァム3(ウェディング編)】

    朝9時過ぎ、 またしても私は妻に叩き起こされた。隣のベッドを見るとやっぱり息子がいない、ベッドの下を見ると、彼は昨日と同じ位置に墜落していた。しばらくベッドの上でボーッとしていると、だんだん頭が動き出して来た。そうだ、今日は10時から結婚式なのであった。思い出した様に(思い出したのだが)飛び起きてバルコニーの方へ目を向けると、強い日差しに目が眩んだ。それにしてもグァムは明るい、昨日も明るかったが今日は一段と明るい明るすぎる。今日は早起きして朝の海辺を散歩したりしたかったのだが、残念である。

    寝坊したため本日の朝食は無し 。どうせ結婚式の後で、ウェディングパーティーなのだ。シャワーを浴びてシャツにネクタイをすると、タモン湾の南端ヒルトンホテルの横にある「セント・グレイス・バイ・ザ・シー」へ向かった。つまりホテルの横に教会があるのだ、とても楽である。じつは当初の計画では、ハワイでもって海がバックの祭壇ガラス張りチャペルで挙式をする予定であったそうなのだが、ハワイの海がバックのチャペルは予約がいっぱいなので、急遽グァムの海が見える教会にしたそうなのである。

    なのでハワイの教会が予約できていれば、今頃ハワイにいたのである。そう思うと、ちょっと残念な気もするが、このセント・グレイス・バイ・ザ・シー教会も素晴らしいロケーションで、教会の後ろにはタモン湾から太平洋が180度広がっていてムード満点である。ただし天気が良すぎるのも考え物で、35度近くのギラギラ太陽の下でのネクタイは少々過酷であった。ちなみにグァムでのウェディングパッケージ料はというと、おおむね650$〜だそうである。

    教会の中は エアコンが効いていて、まさに天国。思わず神に感謝してしまった。祭壇の後ろはガラス張りで十字架の後ろにはエメラルド・グリーンの海が広がっている。小さなパイプオルガンの演奏が始まるとバージンロードを新郎新婦が入場して来た。

    Our Heavenly father,
    Groom and Bride, are standing before us today,
    about to make promises to each other and be joined in marriage.

    (天にまします父よ、新郎と新婦は今日我々の前に立ち、
    お互いに誓いを交わし結婚により一つになろうとしています)

    おおぅ!英語だ。本物のファーザーが英語でしゃべっている!(あたりまえだが)。日本のチャペル・ウェディングも外人の神父さんが多いが、日本語で話してくれるので、本場アメリカの教会で聞く生のファーザーのお言葉に感激してしまった。

    しかし神父さんが喋った後で通訳するのは、ちょっといただけなかった、やはり雰囲気というものがあるだろうに。式は20分程で終わり、二人は誓いを立ててキスをした。そして拍手とパイプオルガンが響く中、バージンロードを新郎新婦は再び出ていくのであった。思わず感動で涙が溢れる、もちろん私の目からだ。こういうのに弱いのである。新郎新婦はというと、始終嬉しそうに笑っていた。・・・少しくらい泣けよな。


    挙式が終わると 教会の横で記念撮影をして、ヒルトン・プールサイドにあるオープンエア・スペースの「ツリー・バー(Tree bar)」でビュッフェ・タイプ(バイキング)のウェディング・パーティーである、日差しは強いがツリー・バー(Tree bar)という名前のとおり傘のように広がった屋根の下では常に吹いている東の風が心地よい。それに食べ物もサラダバー、ロースト・ビーフ、パスタ、ハム、スシ、シーフード、などなど、かなり豪勢だ。さっそくいろいろなものを皿に盛って食べた。

    ロースト・ビーフは柔らかく、肉汁にもしっかり味があって美味しかった、そう、グァムで初めて美味いと感じた食事である。子供達も凄まじい勢いで食べている、朝食を抜いているので無理もないと思ったら、実は食事を早く終わらせてプールで泳ぎたいのであった。新郎新婦が結婚式の衣装のまま各テーブルをまわっては歓談している。南国のウェディング。式は短く太陽の降り注ぐプールサイドでのパーティー、こんなに素敵な結婚式は初めてである。

    子供達が うるさくプールへ誘うので、一度部屋に帰って水着に着替えてから戻ると。プールの隣では、まだまだパーティーが続いていた。プールに入って眺める新郎新婦もグァムならではである。ウォータースライダー10連チャンをしてから、子供専用プールで放し飼いにしていると、スクッと息子が立ち上がり内股になって叫んだ。「パパ!ウンチ!」。おおぅ!彼はいつもウンチが出る寸前に申告するのである。「トイレはあっちだ!」と、プールサイドのトイレを指さすと内股のまま息子は走り始めた。

    後ろからついて行くと、みるみる海パンの尻の部分が膨らんで来た!。こいつ!走りながらウンチしてやがる!。トイレに駆け込み便座のフタを開いた時には、すでに彼はスッキリした顔をしていた。海パンを慎重に脱がせて便器の中にウンチを落とそうとしたのだが、手元が狂って場外に落としてしまった。


    くぅぅぅ。 グァムで便所掃除という貴重な経験をする事になってしまった。トイレットペーパーで息子の尻を綺麗にして、場外のウンチも綺麗にふき取り水を流した。ゴォ〜。いかん!トイレットペーパーを入れすぎて詰まってしまった!。しかしトイレットペーパーは水に溶けるハズだから、暫く待てば流れるであろうと、息子と一緒に便器を見つめていたのだが、一向に流れないのでもう一度流してみた。ゴォォ〜。やっぱり流れない。困った。

    水は 便器の70%の水位を保っている。もう一回水を流せば水圧も上がるので、きっと流れてくれるだろう。しかし流れなかった場合は、水が溢れるかもしれない水位だ。際どい選択を迫られていた私は、意を決して水洗レバーを捻った。ゴォ〜〜〜。みるみる水位が上がって来たが、依然つまったまま流れてくれない。やばい!このままでは便器から水が溢れてしまう!水だけなら良いが息子のウンチが浮いているのだ!早く止まってくれぇ〜!。危機一髪。表面張力のお陰で溢れないで済んだ様である。みずの上をトイレットペーパーと息子のウンチがクルクルと回っている。暫くすると水位が下がりはじめ、ゴボッ!という音と共に勢い良く流れていった。・・・助かった。

    ヒルトンのプールサイド のトイレにはシャワーも付いている。息子の尻を綺麗に洗い流して、シャンプーで海水パンツを洗濯して再びプールへ戻った。しばらく遊ばせてから部屋に戻り、足のはみ出るベッドに横になると、私もさすがに疲れ果てて寝てしまった。夕方から新郎新婦の親族だけのお食事会があるので、それまでは寝ていられるのである。

    グァム・ヒルトンのロイズ・レストラン は全米トップ・シェフ10にその名を連ねるロイ・ヤマグチ氏の創るオリエンタルとヨーロピアンの良いところをミックスしたクリエイティブな料理の数々と、その美味しさで有名。そして店内の窓からはタモン湾のサンセットを一望できる為、いつも予約でいっぱいなのだそうだ。6時にロイズの前で待ち合わせて黒人シンガーがライブをする中で、お食事が始まった。今宵も良いムードである。食事代は新婦のご両親のおごりだったので、余計に良いムードであった。お料理の方のお味はというと、・・・とても良い「ムード」であった。

     

    つづく


  • 【グァム4(ショッピング編)】へ
    Copyright (c) 1997 TAKUFUMI SUZUKI. All rights reserved.