【珍味・へしこ】
AOWAOW Essay.


 

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  • File No.69【珍味・へしこ】

    久しぶりに悪友と 、飲みに出掛けました。やっぱりこの季節は熱燗で一杯ですね〜。さて、何か話のネタでもないかなと期待しながら、いつものラーメン屋兼食堂へ行き、一杯やりながら話しをしていたら、奥様が「丁度へしこを貰ったので食べてみて」と、さっそく小皿に少し盛った「へしこ」をいただきました。そして、初めて「へしこ」なるものを食べました。そのままではちょっと塩辛いのですが、それがまた旨いというか、「珍味」の部類になるのでしょうか?、とにかく「ご飯の友」としては絶品ですね。「へしこ」とは福井県は美浜町の名物なのだそうで、今回もラジオ局の仕事をしている方で、丁度福井に行くというお客さんに頼んで買ってきて貰ったそうなのです。(なんとタイミングが良いのでしょう、感謝感謝)

    ちなみに「へしこ」には主に「鯖のへしこ」や「イワシのへしこ」などがあり、いったん塩漬にした魚を塩と米ぬかで漬け込んだ、福井の保存食なのだそうです。鯖はワタを取り、目玉を突いて塩が浸みる様にして塩漬けにして、押蓋をして重石を乗せ1週間ぐらい置いてから鯖の腹に、塩とヌカを詰めて桶に並べ、塩・ぬか・唐辛子・山椒などをふりかけて、漬け込むということです。 「へしこ」とは多分「漬ける」という意味なのでしょう、広辞苑を見ると「へし‐こ・む【圧し込む】(押しつけて入れこむ。無理に入れこむ。)」などという事が書いてありましたので、たぶん「重石で漬け込む」という意味なのでしょう。悪友は「鯖のへしこ」を、ヌカを付けたまま焼いてもらって、身をほぐし、それをアツアツのご飯の上に乗せて焙じ茶でもって「鯖のへしこ茶漬け」にしてもらって「んまい!んまい!」と、おかわり!を二回もしていました。(笑)

    その後、 酒の肴の話しで盛り上がり、大将の家がある清水近辺の話しになりました。清水というと隣りに由比(ゆい)がありますが、この時期から桜エビ漁が盛んになります。水揚げされたばかりの桜エビを、生でもって、山葵醤油で食べるのがまた格別に旨いそうで、ヒゲがちょっと邪魔なのだそうですが、甘エビ以上に甘くて旨いそうです。桜エビは傷むのも早い為に、これだけは流通の発達した現在でもなかなか他では食べることが出来ないという事でした。それとイルカも旨いとか・・・。え〜!あの可愛いイルカを食べるのぉ〜!と、ご批判も多い事でしょうが、清水近辺では昔、クジラやイルカを水揚げしていた関係で、捕鯨条約の事は良くわからないのですが、科学的研究のために鯨類を捕獲し処理することが許可されているとかいないとか・・・。なので、時々イルカも市場に出回るそうです。

    最後に、 いつもの「軟骨焼き」で締めくくりました。これがまた美味しいんです。軟骨というと「トリ軟骨」「豚軟骨」「かしわ軟骨(羽毛が茶褐色の鶏)」など、いろいろありますが、ここは豚軟骨に肉が付いている奴で、豚軟骨というと舌の付いている喉の辺りの軟骨なので、肉付きといえば当然「タン」です。軟骨に付着しているタンというより「軟骨付きのタン」という様な感じですが、これを網であぶって焼いて一口サイズに切り、カラシをちょっと付けて食べると、香ばしさとタンの旨さと軟骨のコリコリした歯触りがミックスされて、とても美味しいのです。もうこの「軟骨焼き」を食べたら普通の軟骨では物足りないというか、実際に肉(タン)が付いていない分、足りないんですけどね(笑)。他にも唐揚げバージョンが有るみたいなんですけど、やっぱり焼いた物が一番美味しいみたいです。

    そうそう豚といえば、 丁度養豚をしているお客さんも居て、いろいろと話をお聞きしたのですが、豚は生まれて10キロくらいでオスだけ、上質の肉に(柔らかく)するために「去勢」するのだそうで、70キロくらいで出荷するんだそうです。以前「黒豚」のお話もしたので、その事もいろいろ聞いてみたのですが、やっぱり鹿児島産の黒豚はすごいという事でした。酒を飲みながら酒の肴の話をする時ほど、異様に盛り上がって楽しいものです。これだから誘われると、ついフラフラと出てしまうのですね(ちなみに普段は晩酌もしないんです)。他にも北海道の「赤ほやの塩辛」や富山の「ホタルイカの沖漬け」、山口の「このわた」なんて食べてみたいと話は盛り上がりましたが、名産とか特産なんていうものだと、デパートの特産品売場で売られているものも多いと思いますが、珍味でなくても一工夫した「この店でしか味わえない様な、オススメの一品」なんていうのが、私はやっぱり好きですね。  


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