あうあうコラム・今日の言葉より


【リモコン】

( remote control )



とうとうリモコンの電池が切れた。

テレビの操作 がリモコンで出来なくなってしまった。原因は座布団の下でボタ ンを押された状態であったからである。「とうとう」と書いたのは今まで電池切 れの寸前だったのを、騙し騙し使っていたからである。

離れたところでは ボタンに反応しなくなって来たので、角度を変えて「うりゃ!」と操作し たり、指が痛くなる程 強く押したりしたのだ(いくら強く押しても同じだ)が反応しないので、しまいにはテレビやビデオに付いているセンサーの窓の前に行きキューピー ドレッシングの様に、リモコンを振ってからボタンを押してみたのだがダメであった。

最近の家電 は、たいがい操作がリモコンである。しかもテレビとビデオの切り替えやチャンネル設定を合わせる事さえもリモコンが無いと操作できない。だから踏み潰したり無くしたり、電池が切れてはとても困るのである。そして大抵のものにリモコンが付属しいている。テレビ・ラジカセ・ビデオ・エアコン・セキュリティー・風呂・照明・ガレージ・車のドアからエンジン、乗り込めばカーステ・テレビ・ビデオ・CD・ナビゲーターなどなど、これだから「リモコン収納ボックス」や、切り替えが付いていてあらゆるメーカーのものに使える多機能リモコンとやらが売れる訳である。

電池が弱って 来たのなら、さっさと交換すれば良いのだが、どうもそれがなかな か出来ない、自分でも不思議なくらい交換しないものなのである。しかし 今回は何度もボタンを押すタイミングを変えてみたり、リモコンを叩いたりして、 必死に操作しようとしたのだがウンともスンとも言わないので、とうとう諦めて電池を 買いに行く事にした。

ちなみに 最寄りのコンビニまで車で2分である。そういえば昔、リモコンというものがまだ出始めの時だったか、いつも私は妹に、「おーい、チャンネル変えてくれー」などと命令していたのを思い出した。「リモートコントロール」ならぬ「イモート(妹)コントロール」だったのである。・・・すまん、こんなつまらない洒落を言う為に妹を思い出したのでは無く、ただ昔から不精者だったという事を言いたかっただけなのだが。

さっそく 新品の電池をセットしてボタンを押すと、案の定リモコンに元気に反応 する様になったので嬉しくなった。(当たり前なのだが)そして「もっと嬉しくなろう」と思いつき、リモコンの限界を知る為にドアを開けて廊下から操作してみた。すると今まで振ったり叩いたりしていたのがウソのようにしっかり操作できるのである。 「よし!」とばかりに部屋の角に「鏡」を置いて、その鏡の中のテレビに向けて廊下からボタンを押してみたら、ナント!しっかり反応するのである。えらい奴だ。 「おぅおぅ!」、すっかり復活したリモコンの性能に感動し、有頂天になってバシバシ リモコンのボタンを押すのであった。うりゃ!、うりゃ!、うりゃ、うっ!・・・ふと鏡にうつる調子に乗った自分の姿を発見した時。・・・急にむなしくなった。

夕食を 食べながら、妻にリモコンの電池を換えて復活させてやったと話しをすると「そういえば、二階のエアコンのリモコンも電池が無いわよ」と言われてしまった。・・・そうだったのである。二階のエアコンも近くへ行かなければ反応しなくなっていたのだ。知っていたのに、コンビニへ行ったついでに買ってこなかった自分が情けなかった。

しかし、二階のエアコンのリモコンの電池も、全く反応しなくなるまで多分買いには行かないであろう自分を、私はよぉーく知っている。なので「・・・あ、ああ、そ、そうだっけね」と、誤魔化すのであった。







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