★鉄道員(ぽっぽや)★
(2000.04.27)
もはや説明の必要もない作品ですね.浅田次郎の短編集「鉄道員(ぽっぽや)」が,文庫版(集英社文庫で476円+税)で登場したので,購入してしまいました.ハードカバーとして登場してきたのが97年4月のことなので,既に3年も前になるんですね.(^^;; 僕自身は,当初から知っていたというわけではなくて,高倉研主演の映画を見て知った口ですが.
短編集のタイトルにもなっている「鉄道員(ぽっぽや)」は,映画化され(ビデオ及びLDも発売・・・ビデオ版が発売されたのって実はつい最近なんですね(^^;; LDは去年の年末にでていたようですが),マンガ化もされ・・・と,おそらく短編集の中では一番名前の知られている作品でしょうね.ラブ・レターも映像化(ビデオは見かけたんですが・・・劇場公開ってされたんでしょうか?)され,やはりマンガ化され.この2作品,実は原作を読むのは今回が初めてだったりします(爆).
う〜ん,やっぱりいい作品ですわぁ.鉄道員も非常によかったんですが,ラブ・レターもこれがまたなかなか.白蘭の手紙と,吾郎の夢(?)のシーンがすごく印象的です.吾郎が謝るシーンはあらかじめ「絵」として読んでいたからかも知れませんが.
この2作品の他に「悪魔」「角筈にて」「伽羅」「うらぼんえ」「ろくでなしのサンタ」「オリヲン座からの招待状」の6作品が収録されているわけですが,この中では「角筈にて」「オリヲン座からの招待状」が結構お気に入りです.非現実的な出来事も含めて,作品の根底には暖かさのようなものが流れているような気がします(「奇蹟」といえるかも).
派手さはなく,どちらかというと淡々と進んでいくような作品達ではありますが(もちろんメリハリがないというわけではなくて),だからこそじわ〜〜っと染み込んでくるような印象を受けるのかもしれませんね.