Full BASICのプログラムをObject Pascalのプログラムに変換し,FPC + Lazarusを利用して実行します。
数値計算が主体のプログラムは,十進BASICの2進モード,複素数モードより高速です。
Lazarus 1.6.4〜 2.2.0 に対応します。
変更履歴
Ver. 1.2.1.2 Rev.2
Decimal modeのとき,数値に続く1文字分の空白が出力されない誤りを修正。
Ver. 1.2.1.2 Rev.1
文字列変数に対するREAD文のバグを修正。
Ver. 1.2.1.2
エディタの自動修正ルーチンを修正。
Ver.1.2.1.1 Rev.1
拡張精度数の使えない環境(win64)での数値表示精度を改善。
Ver.1.2.1.1
複素数モード内部形式でMAT READが正しく機能しないバグを修正。
Ver.1.2.1.0
続行可能例外を報告するように変更した。
内部形式ファイルを複素数モードに対応させた。
Ver.1.2.0.6
PRINT文の不具合を修正。
配列の上下限再定義で大きさを0にすることを許容することにした。
Ver. 1.2.0.5 Rev.2
OPTION ARITHMETIC DECIMALを指定するとき,ROUND関数が正しく機能しないバグを修正。
Ver. 1.2.0.5 Rev.1
CLOSE文がAccess Violationを引き起こすバグを修正。
Ver. 1.2.0.5
INPUT文が直前に実行された図形出力文の実行終了を待たない不具合を修正。
Ver. 1.2.0.4
TABが正しく表示されない不具合を修正。
Ver. 1.2.0.3
ASSIGN文にCDECLオプションを追加。
Linuxで子ウィンドウを閉じるとフリーズまたは異常終了となる不具合を解消した。
Linuxでの MOUSE POLL文の動作を改善した。
Ver. 1.2.0.2
PLOT AREA文がLINE STYLEの影響を受ける誤りを修正。
Ver. 1.2.0.1
印刷不具合を修正した。
Ver. 1.2.0.0
根幹部分をVer.2.1から移入した。
描画スレッドとプログラム実行スレッドを分離。
DEBUG ON,TRACE OFFでMAT文を実行するとAccess Violationになるバグを修正。
Ver. 1.1.0.4
CHARACTER INPUT NOWAITの挙動を修正。
Ver. 1.1.0.3
不活性状態の経路に対しCLOSE文を実行すると例外状態になる誤りを修正。
Ver. 1.1.0.2
関数の配列引数がメモリーリークを起こす不具合を修正。
Ver. 1.1.0.1
モジュールを含むプログラムの翻訳に-Bを指定。
64ビットコード生成時,SSE4.1が有効であれば,それを使用するようにした。
Ver. 1.1.0.0
DATA文の要素数が半端なときのIF MISSINGの動作を規格に合わせた。
ファイル入力中に例外が発生したときの動作を規格に合わせた。
プログラム自動修正の挙動を調整した。
Ver. 1.0.4.1
Lazarus 1.8.0に対応させた。
Ver. 1.0.4.0
LOCATE VALUE(12)がLOCATE VALUE(2)の値を表示するバグを修正した。
Ver. 1.0.3.0
LACATE VALUE スライドバー個数の上限を20に引き上げた。
PRINT文出力の不具合を修正。
検索・置換の不具合を修正。
Ver. 1.0.2.0
SET DRAW MODEに変数を指定できないバグを修正。
エディタの検索,置換機能の不具合を修正した。
Ver. 1.0.1.0
WAIT DELAY文が正常に機能しない可能性のある不具合を修正。
Lazarus 1.8.0 (FPC 3.0.2) に対応。
32ビット版Lazarus2.2.0をダウンロードしてインストールしてください。
インストール先は,パス名に空白や日本語文字を含まない所を選択してください。
Lazarus Download (SourceForge)
Mirror
BASICAcc1212Rev2.zipを
Decimal BASIC Open Source Projectからダウンロードし,ユーザーの書込み権限のあるところに展開してください。
ただし,パス名に空白や日本語文字を含むところは避けてください。
(たとえば,デスクトップやマイドキュメントは不可。USBメモリは可。)
既存のBASICAccフォルダに上書きでアップデートしたときは,一旦,OUTPUTフォルダを空にしてください。
Lazarusのインストール時にインストール先を変更したときは,BASICAcc.exeの起動後,
Set upメニューのpathの設定を書き換えてください。
fpc path は,fpc.exe が存在するフォルダです。
Lazarus path は,lazarusインストール先のフォルダを指定してください。
なお,win32 Lazarus + fpc 3.0.4 をCドライブにインストールした場合,それら2つのPathは
C:\Lazarus\fpc\3.0.4\bin\i386-win32 C:\Lazarus
です。
Note.
Lazarus 1.6.4〜2.0.12 でも使えますが,SetUpメニューのPathでFPC pathのバージョン番号の部分を正しく書き換えてください。
Note.
内部文字コード,ファイル入出力ともにUTF-8です。shift-JISファイルを使用する場合は,OPEN文に続けて
SET #n CODING "SYSTEM"
を実行してください。
プログラムファイルの入出力はshift-JISですが,Optionメニューの"Editor Option"でプログラムファイル入出力をUTF-8に変えることができます。
プログラム中にユニコード文字を書くときは,Editor Optionを変更してください。
64ビット
Windowsが64ビットの場合,64ビット版Lazarusを使うこともできます。
Lazarus Win64
SetupメニューのPathで「64bit」を選択し,FPC pathの末尾が \x86_64-win64 であることに注意して FPC PathとLazarus Pathを設定してください。
これらのpathは32bitと独立しています。随時,切り替えて使用することができます。
ただし,lazarus64ビット版でなく,32ビット版Lazarusにadd onのcross-x86-64をインストールしたとき,FPC pathは32ビット版FPCのところです。
Note.
Win64版のFPCでは拡張精度浮動小数点演算が利用できないので,べき乗演算や一部の超越関数の計算結果に無視できない誤差を生じます。
64ビットのプログラムで計算結果の正確さを求めるときは,LinuxまたはMac 64ビット版をご利用ください。
Note2.
ASSIGN文で64ビットDLLを使用する場合は,BASICAcc64ビット版(BASICAcc1202_Win64.zip)を使用するか,64ビット版LazarusでBASICAcc.lpiをコンパイルして64ビット版BASICAcc.exeを生成して置き換えてください。
FPCとLazarusをインストールしてください。
例 Fedora 34の場合
sudo dnf install lazarus
Note.
Lazarus 1.6.4は問題なく使えます。
Lazarus 1.8.0〜2.0.6 でも動作しますが,AREA STYLEが正しく機能しません。
aptコマンドやdnfコマンドでインストールされるLazarusのバージョンが 1.8.0〜2.0.6のとき,以下の手順にしたがってください。
fpc 3.0.4 , fpc-src 3.0.4 , Lazarus 2.0.8 をダウンロードしインストール
Lazarus Download (SourceForge) (rpm)(Fedora,CentOSなど)
Lazarus Download (SourceForge) (deb)(Ubuntu,Debian,Linux Mintなど)
実行例 Fedoraの場合
rpmファイルを右クリックして「dnfdragora パッケージ インストーラ で開く」を,fpc, fpc-src, lazarusの順に実行。
ソフトウェアの更新の通知があったとき,fpc,lazarusを更新対象から外す。
実行例 Ubuntuの場合
端末で以下を順に実行
不足が想定されるライブラリをインストールしておく
sudo apt install binutils
「ダウンロード」にダウンロードしたときは,
cd ダウンロード
ファイル名を確認する
ls
以下を順に実行(ファイル名はコピペで入力する)
sudo dpkg -i fpc-laz_3.0.4-1_amd64.deb
sudo dpkg -i fpc-src_3.0.4-2_amd64.deb
sudo dpkg -i lazarus-project_2.0.8-0_amd64.deb
依存関係のエラーになったら,
sudo apt --fix-broken install
そのままにしておくと,自動更新で不適切なバージョンに更新されてしまうので,以下を実行。
echo fpc hold | sudo dpkg --set-selections
echo fpc-src hold | sudo dpkg --set-selections
echo lazarus-project hold | sudo dpkg --set-selections
BASICAccはGTK2上で動くアプリケーションです。
Fedora34などではgtk2の追加インストールが必要になります。
ターミナルで
sudo dnf install gtk2
を実行。
BASICAcc1212Rev2_Linux64.tar.xzを
Decimal BASIC Open Source Projectからダウンロードし,ユーザーの書込み権限のあるフォルダに展開してください。
既存のBASICAccフォルダに上書きでアップデートしたときは,一旦,OUTPUTフォルダを空にしてください。
basicAccを起動して,「failed to set Lazarus Path」と表示されたときは,SetUpメニューのPathでLazarusがインストールされているディレクトリを指定してください。Lazarus Pathで指定するディレクトリは,lazarus本体があって,components, unitsなどのサブディレクトリを含むディレクトリです。
Failed to set Lazarus Path あるいは
Can't find unit fileutil のエラーになるとき。
lazarus pathを設定し直してください。
Lazarus pathで指定するフォルダにはcomponentsやunitsなどのフォルダが置かれています。
/usr/lib/lazarus/0.9.30.4/ や
/usr/share/lazarus/2.0.6/ のようにlazarusフォルダ内のバージョン番号名のフォルダになっていることがあります。
NoName.errが見つからないという趣旨のエラーになるとき。
fpcが正しくインストールされていません。/etc/fpc.cfgが存在することを確認してください。
--scriptsを指定せずにalienを用いてrpmパッケージをdeb形式に変換してfpcをインストールすると,この問題を引き起こします。
その他,プログラムの実行結果が現れないとき。
runメニューからcodeを選択し,Pascalコードが表示されたら,そのウィンドウでrunを選ぶとfpcが出すエラーが読めると思います。
画像の保存ダイアログで保存形式を変えても拡張子が変化せず,手動で書き換える必要がある。
CentOS 7(64ビット)でFPC 3.0.4が動作しません。FPC 3.0.2 + Lazarus 1.6.4で実行してください。
以下の手順にしたがって,XCode Command Line Tools をインストールしてください。
ターミナルを起動して以下の2つのコマンドを打つ。ただし,OS 11,12では2つめは不要。
ターミナルは,「アプリケーション」フォルダ内の「ユーティリティ」フォルダにあります。
sudo xcode-select --install
sudo xcodebuild -license accept
OSのバージョンが古いと上の手順と異なることがあります。
また,1つ目のコマンドでダウンロードが進まないときは,Apple developer サイトからダウンロードしてください(Apple Idの入力が必要)。
参照
Installing Lazarus on MacOS X.
See also Installing Lazarus on Mac OS X - Free Pascal (PDF)
Note. GDBのインストールは不要です。
Lazarus 2.0.8 ,fpc 3.0.4 をダウンロードしてインストールしてください。(fpc 3.2.0,3.2.2での動作は未確認です(動作しない可能性があります)。)
Lazarus Download
BASICAcc1212Rev2.dmgを
Decimal BASIC Open Source Projectからダウンロードし,ユーザーの書込み権限のあるフォルダに展開してください。
パス名に空白を含むと正しく動作しません。USBメモリを使うときは,ドライブ名を空白を含まないものに変えてください。
トラブルシューティング
1.初めて実行するとき
(1)Unabe to create file "/private/var/folders/…… のエラーが出て実行できない。あるいは,ファイルOpenができない。
アイコンで表示されるBASICAcc(BASICAcc.app) をアプリケーションフォルダなど他のフォルダに移してください。一度,正しく実行できることを確認した後は元のフォルダに移すことが可能ですが,パス名に空白を含むと正しく動作しません。USBメモリを使うときは,ドライブ名を空白を含まないものに変えてください。
一度,正常に動作すれば,元のフォルダに戻しても大丈夫なようです。
BASICAcc.appのみをアプリケーションフォルダにコピーしてもよいようです(フォルダごとのコピーでは駄目)。
詳細は,"App Translocation"を検索して調べてください。
(2) NoNameアイコンが点滅し実行を開始しない。
controlを押しながら NoNameアイコンをクリックして実行を許可してください。
(3) ReportFormに何も表示されず,プログラムも実行されない。
ターミナルでsudo xcrun ccを実行し,最後にagreeを入力する。
参照 Agreeing to the Xcode/iOS license... のエラーがでた時の対処法
(4) ReportFormに,
PPU Source :synedit.pp not found.
が出る。
Lazarus IDEを起動して,パッケージメニューから,「読み込まれているパッケージを開く」を選択し,
以下の各パッケージのコンパイルを実行する。
SynEdit
Printer4Lazarus
(5) do setup Lazarus Path が表示されて実行しない。
setupメニューでpathを選択し,Lazarus pathを正しく書き換えてください。
Lazarus 2.0.8のとき,lazarus pathは,
Library/lazarus
ですが,Lazrus 2.2.2 では,
/Applications/Lazarus
に変わっています。また,Lazarusの以前のバージョンでは,
Developer/lazarus
でした。
2. プログラムを続けて実行できない
Mac版BASICAccでは,次のプログラムの実行前にNoNameを終了させてください。
3.プログラムの実行を途中で打ち切りたい
Mac版はBASICAccの側から中止できないので,画面左上のアップルメニューで「強制終了」してください。
既知の不具合
MOUSE POLL文は正しく動作しないことがある。
SET DRAW MODE (NOTXOR, MASK, MERGE, XOR)は機能しない。
言語仕様は,JIS Full BASIC (図形機能単位+モジュール+単文字入力)に準拠します。
OPTION ARITHMETIC文を省いた場合には,ARITHMETIC NATIVEが指定されたものと解釈します。
十進演算も選択可能ですが,十進演算の正確さに関する規定を満たしません。
次の場合,行番号分岐(GOTO文,IF ・・・ THEN 行番号) は実行できません。
WHEN本体内から保護区の外への分岐 保護区を含み,その保護区内にEXIT DO文を持つDO区の内から外への分岐(fpcコンパイラのエラーになります) 保護区を含み,その保護区内にEXIT FOR文を持つFOR区の内から外への分岐(fpcコンパイラのエラーになります)
WHEN-IN区に属する例外処理区がGOSUB〜RETURNを持つと,いずれの保護区にも属さないGOSUB〜RETURNを書くことができません。(fpcコンパイラのエラーになります)
PROGRAM文,CHAIN文の引数は単純変数に限ります(配列不可)。
文字列変数の最大長指定を無視します(切り詰めを行わない)。
その他,十進BASICのJIS非互換項目は, ほぼそのまま本システムの非互換項目になります。
例外処理区で発生した例外に対してEXTYPE関数,RETRY文,CONTINUE文は正しく機能しません。
CHARACTER INPUT文(画面からの入力)は日本語入力に対応しません。
十進BASIC独自拡張のDRAW MODE NOTXOR (MASK, MERGE, XOR) は,正常に機能しないことがあります。
(Macでは,無視されます。Windows,Linuxでは,PLOT LINES文を実行しないと機能しません。)
識別名に使える文字は英数字のみです。
内部の文字コードはUTF-8です。ORD関数,CHR$関数はユニコードで定義されます。書式指定は漢字1文字に対し # 3文字を必要とします。
ファイル入出力もUTF-8ですが,OPEN文実行後,
SET #n: CODING "SYSTEM"
を実行すると,ファイル入出力をShift-JISで行います(日本語Windowsの場合)。
プログラムの保存形式の初期設定はshift-JISになっていますが,Optionメニューの「Editor Option」でUTF-8に変更することができます。
文字列処理の単位の初期値は,Option メニューのCompatibilityで設定します。
CHAIN文に 拡張子が".BAS"のファイルを指定すると関連付けで起動します。
EXECUTE文の引数に配列を指定することはできません。
BREAK文は動作しますが,プログラムを中断するだけの機能しか持ちません。
GOSUB文を含むプログラムは行番号が必須です。
十進BASICでは主プログラムの外部から主プログラムの内部手続きを呼び出すプログラムが実行できてしまいますが,その種のプログラムは実行できません。
独自拡張命令 SET BITMAP SIZEの挙動は Windows版十進BASICと少し異なります(拡張部分の色が異なる)。
画像の保存形式にGIFを選ぶことができません(読み込みは可)。
ASSIGN文でDLLの作業領域として用いる文字列変数はREPEAT$関数等を用いてその場で作成したものに限ります(文字列定数不可)。
その他,DelphiとLazarusの非互換のために動作が異なるところがあります。
十進BASIC独自拡張の10進1000桁,有理数の演算に対応しません。
Microsoft BASIC互換モードに対応しません。
また,Windows版十進BASICが対応するメタファイル,OLE,ActiveX,CallBack,TextWindow にも未対応です。
実行ファイルはoutputフォルダに NoName.exe として生成されます。CHAIN文の連鎖先として用いたいときには,適宜,名称を変更してください。
生成したPascalプログラムは,outputフォルダに BASICunit.pas という名称で保存されます。
runメニューのcodeを選択して表示されるコードビューから書き換えて実行させることができます。
BASICの識別名は,数値型の場合は直前に _ を,文字列型の場合は 末尾の $ を除去して直前に s_ を付加した名前に変わります。
ただし,PUBLICまたはSHARE宣言された変数の名前は,_を2個重ねます。
主プログラムの内部手続きの名前は,_0,または,s_0 を付加した名前になります。
BASICのmoduleは,(古い型の)静的オブジェクトに変換されます。
詳細 Full BASICのObject Pascalへの埋め込み
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