(仮称)十進BASICはJISから拡張されている部分があるため,(仮称)十進BASICで動作するプログラムは必ずしもJIS合致にはなりません。作成したプログラムを広く公開する場合には,なるべくJIS合致のプログラムにしておきたいものです。
以下,JISに合致させるための留意点を記します。当然ですが,完全を期すためにはJISそれ自体をよく読むことが必要です。
なお,3の条件はJISをISOと同一とするために生じた制限ですので,国内向けには無視してもさほどの問題はないでしょう。
ただし,その場合でも,変数名などの識別名に規格外の文字を用いるのは推奨しません(修正が面倒なので)。
1.行番号を付加する。
2.DIM文で宣言する配列の添字範囲に変数を書かない。
例 DIM A(N) は不可。
3.注釈,文字列定数,DATA文,変数名などに,漢字や半角カナを使用しない。
4.数値変数の精度が10桁だとしても正しく動作するプログラムを書く。
ただし,数値式は11桁までは正確な値をとると仮定してよい。
5.変数の初期値が0でなくても正しく動作するプログラムにする。
6.PRINT USING文では,負数に対する書式に必ず負号または正号を含める。
7.SWAP文を使用しない。RANDOMIZE文にseedを書かない。
8.外部関数,外部副プログラム,外部絵定義を使うときは,
それを使用する各プログラム単位ごとに必ずDECLARE文を書く。
9.PLOT文は,PLOT x,y の形を使用せず,PLOT LINES:x,y を使う。
10.GRID,AXESを使うときは,それを使用するプログラム単位ごとに
DECLARE EXTERNAL PICTUTRE 宣言を書き,
さらに,END行以下に,対応する外部絵定義を記述する。
JISに合致させるために必要な絵定義の例は,
libraryフォルダのaxes.lib,axes2.lib,grid.lib,grid2.lib
に含まれています。
ただし,これらのファイルに含まれる絵定義は上の条件を完全には
満たしていないので修正が必要(行番号を付加し,日本語の注釈を削除するなど)。
11.色番号と実際の色との対応はJISは何も規定していない。
色を特定したい場合には,
SET COLOR MIX文を使用して色指標に対応する色を指定してから使う。
例 SET COLOR MIX(0) 1,1,1
! 0番の色(背景色)を白にする
SET COLOR MIX(1) 0,0,0
! 1番の色を黒にする
SET COLOR MIX(2) 0,0,1
! 2番の色を青にする
また,JISは使用できる色数の下限を規定していない。
ASK MAX COLOR n
を実行して変数 nに色番号の最大値を取得しそれ以下の色番号のみを使う。
12.オプション−互換性メニューで(JIS)の付記のある項目をすべてJISの側にセットしてテストする。