『 グランドフリート1.2 ルール例 』



 『(b)、主導権決定』の例。
 
  イギリスプレイヤーはサイ1コ。ドイツプレイヤーはサイ2コを秘かに握っています。同時にサイをふり、出た目はイギリス、2。ドイツ、1と5(大きい方のサイ目が有効)でした。
 双方のサイ目をくらべるとドイツ側が2以上の差で大きいのでドイツ側が主導権を握り「攻勢側」になります。
 ドイツは決戦の意志を表明し、イギリスはこれを拒否して3VP失うのを避け、決戦に同意しました。
 ※決戦の有無とは別にドイツはサイ2コふり出た目が奇数同士だった為、1VPを失います(イギリスはサイ1コふりの為VPを失うことはありません)。
 
  もし、上記のサイ目が、イギリス、5。ドイツ、6と3(大きい方のサイ目が有効)だった場合、
 双方のサイ目をくらべるとドイツ側が1差で大きいのですが、2以上の差がないので、決戦は起りません(次のターンに進みます)。
  もし、上記のサイ目が、 イギリス、6。ドイツ、1と2。だった場合、イギリス側が2以上の差で大きいのでイギリス側が主導権を握り「攻勢側」になります。
 しかし、サイ目の差が4以上あるのでイギリスは必ず決戦を行わなければなりません、ドイツはこれを拒否して3VP失ないました。 決戦は起りません(次のターンに進みます)。



 『艦隊編成と高速/低速艦隊』の例。
 
 あるターンに決戦が発生したと仮定し艦隊の編成を行います。
 艦隊ボックスの全戦艦の内訳は「BB×8、B×12、(B) ×7、BC ×8」とします。
 編成例1.
 艦隊1. BB×8。艦隊2. B×8。艦隊3. B×4。 艦隊4. (B)×7。 艦隊5. BC×8。 艦隊6. なし。艦隊7. なし。艦隊8. なし。(この場合、艦隊4が低速艦隊。艦隊5が高速艦隊。になります)。

 編成例2.
 艦隊1. BB×4+ B×4。艦隊2. BB×4+ B×4。艦隊3. B×4+(B)×4。 艦隊4. (B)×3。 艦隊5. なし 。 艦隊6. なし。艦隊7. BC×3。艦隊8. BC×5。(この場合、艦隊3と4が低速艦隊。艦隊7と8が高速艦隊。になります)。



 『艦隊マーカーの配置』の例。
 あるターンの決戦です。
 艦隊編成は以下の通り。
 ★イギリス艦隊
-艦隊1. BB×4+ B×4。艦隊2. BB×4+ B×4。艦隊3. B×4+(B)×4(低速艦隊)。 艦隊4. (B)×3(低速艦隊)。 艦隊5. なし 。 艦隊6. なし。艦隊7. BC×3(高速艦隊)。艦隊8. BC×5(高速艦隊)。
 ★ ドイツ艦隊
- 艦隊1. BB×9。艦隊2. B×8。艦隊3. (B)×5(低速艦隊)。 艦隊4. なし。 艦隊5. なし。 艦隊6. BC×5 (高速艦隊) 。
 
  ドイツが攻勢側の決戦です。
  ドイツ艦隊は全艦隊マーカー(6コ)を裏面にしてかき混ぜます。
 (ただし 艦隊6が高速艦隊なので艦隊6マーカーだけ表面にしてかき混ぜています。プレイヤーが望むなら艦隊6マーカーも裏面にしてかき混ぜれますが、その場合「迎撃」時の高速艦隊の特典を得られません)。
  同じように、イギリス艦隊は全艦隊マーカー(8コ)を裏面にしてかき混ぜます。
 (ただし 艦隊7と8が高速艦隊なので艦隊7と8マーカーだけ表面にしてかき混ぜています)。
   ドイツが攻勢側なので、ドイツから1艦隊マーカーずつ配置していきます(3ケタ数字はヘクス番号)。
 ・独.裏面→ヘクス005。英.艦隊7 →005。 独.裏面→003。 英.裏面 →003。 独.裏面→005。 英.裏面 →003。 独.裏面→001。 英.裏面 →005。 独.裏面→003。 英.裏面 →003。 独.艦隊6→011。 英.裏面 →005。 英.裏面 →011。 英.艦隊8 →005。
  その結果図の様になりました。続いて「迎撃」を行います。



 『迎撃』の例。
  「艦隊マーカーの配置の例」から迎撃を行います。
  ルール上攻勢側→迎撃側と交互に迎撃を行うのですが、地図上の状況は全てのヘクスでイギリス側が迎撃条件を満たしている(ドイツは1個所も迎撃条件を満たしていない)ので(表面の艦隊マーカーは迎撃時は2艦隊と数えます。本拠地にはその軍の艦隊マーカーが3コいるとみなしますからイギリスはヘクス001の迎撃条件も満たしています)、実質イギリスのみが迎撃を行う形になります。
 
  迎撃例.1
 独.パス(迎撃ヘクスなし)。英.ヘクス001→011(これによってヘクス011からの迎撃も終了したことに注意)。独.パス(迎撃ヘクスなし)。英.ヘクス003→004。独.パス(迎撃ヘクスなし)。英.ヘクス005→004。
 迎撃の結果、ヘクス011と004で戦闘がおこります。
 
  迎撃例.2
 独.パス(迎撃ヘクスなし)。英.ヘクス011→002。独.パス(迎撃ヘクスなし)。英.ヘクス003→002。独.パス(迎撃ヘクスなし)。英.ヘクス001→002。独.パス(迎撃ヘクスなし)。英.ヘクス005→014。
 迎撃の結果、ヘクス002と014で戦闘がおこります。



 『戦闘主導権数と状況の決定』の例。
  迎撃例.2からヘクス002の戦闘です。
 全艦隊マーカーを表面にすると以下のような状態でした。
 ★イギリス艦隊-「艦隊1. BB×4+ B×4」。「艦隊3(低速). B×4+ (B)×4」。「 艦隊4(低速). (B)×3」。「 艦隊6. なし」。「艦隊8(高速). BC×5」。
 ★ ドイツ艦隊- 「艦隊2. B×8」。「艦隊3(低速). (B)×5」。 「艦隊4. なし」。「 艦隊6(高速). BC×5 」。
  英艦隊6と独艦隊4は無編成艦隊なので艦隊マーカーを取り除きます。
 残った艦隊マーカー数を比べると、イギリスの方が多いのでイギリスから戦闘主導権数と状況の決定を行います。
 
  『戦闘主導権数と状況の決定の例.1』
 サイを振る前にイギリスは「過剰運動数1(サイ+1)」を宣言し、サイを振ります。出た目は2。これに「過剰運動数1(サイ+1)」「低速艦隊2つ (サイ-2)」「高速艦隊 (サイ+1)」の修正を加え、 戦闘主導権数は3になりました。
 ( 過剰運動を行っていますが、過剰運動数が修正前のサイ目より小さかった為、イギリス艦隊は混乱しません)。
  続いてドイツ艦隊。
 サイを振る前にドイツは「半砲撃(サイ+2)」と「過剰運動数2(サイ+2)」を宣言し、サイを振ります。出た目は3。これに 「半砲撃(サイ+2)」と「過剰運動数2(サイ+2)」「低速艦隊1つ (サイ-1)」「高速艦隊 (サイ+1)」の修正を加え、 戦闘主導権数は7になりました。
 ( 過剰運動を行っていますが、過剰運動数が修正前のサイ目より小さかった為、ドイツ艦隊は混乱しません)。
 双方の戦闘主導権数を比べるとドイツの方が4多いので、ドイツは4の半数(端数切り捨て)の2つ「状況」を選べます。
 【(c)と(d)なら、敵艦隊の砲撃数が半分で、遠距離を選び全戦艦の砲撃値-0.5にできます。】
 【(b)と(c)なら、自軍艦隊の「半砲撃」を取り消し、敵艦隊を「半砲撃」にします。】
 【(b)と(d)なら、自軍艦隊の「半砲撃」を取り消し、近距離を選び全戦艦の砲撃値+0.5にできます。】
 【(d)と(d)なら、近距離を2回選び全戦艦の砲撃値+1にできます。】
 選択された状況によって続く 砲撃と結果適用への影響が違ってきます。



 『砲撃と結果適用』の例。
 
  『戦闘主導権数と状況の決定の例.1』から 状況【(c)と(d)、敵艦隊の砲撃数が半分で、遠距離を選び全戦艦の砲撃値-0.5】が選ばれたとします。
 ★イギリス艦隊-(状況: 全戦艦の砲撃値-0.5。 砲撃数が半分)
 「艦隊1. BB×4+ B×4」。「艦隊3(低速). B×4+ (B)×4」。「 艦隊4(低速). (B)×3」。「艦隊8(高速). BC×5」。
 ★ ドイツ艦隊- ( 状況: 全戦艦の砲撃値-0.5。 砲撃数が半分)
 「艦隊2. B×8」。「艦隊3(低速). (B)×5」。「 艦隊6(高速). BC×5 」。
 
 イギリス艦隊の最終的な合計砲撃数は、(1×4 +0.5×4 +0.5×4 +0×4 +0×3 +0.5×5)÷2(端数切り捨て)=5
 になり独艦隊6. BC×1 と独艦隊3. (B)×1 に砲撃数を振り分けました。
 それぞれ、「損害表」でサイを2コづつ振るとサイ目4+2(-1)=5(なし)と5+3(-1)=7(損傷・派遣ボックスへ)が出たので、独艦隊3. (B)×1は損傷・派遣ボックスへ移します。
※ドイツ艦はサイ合計-1修正を受ける点に注意。
 
 ドイツ艦隊の最終的な合計砲撃数は、(0.5×8 +0×5 +0.5×5 )÷2(端数切り捨て)=3
 になり英艦隊8. BC×1 に砲撃数を振り分けました。
 「損害表」でサイを2コ振るとサイ目5+5=10(沈没)が出たので、英艦隊8. BC×1 は取り除かれドイツは1VPを得ます。
 
  これで砲撃ラウンドが終了したので、攻勢側のドイツから戦闘の継続を望むか宣言しますが、ドイツは継続を望まなかった(退却した)ので、このヘクスの戦闘はこれで終了します。このヘクスのドイツ艦隊マーカーを取り除いてください。



■□■『グランドフリート1.2 ルール例(ver.1c)』□■□
制作・著作:きけがわあきお(亀卦川彰夫)
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