★2000年篇★
『映画秘宝』編集部も注目(^-^;;してるらしいまるたつの超お手軽映画感想文です
原則として映画館で見たものを対象とします。記憶違い、勘違いもあるのであまり参考にはなりません。

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スプリング・イン・ホームタウン2000/11/30(シネ・ラ・セット)
1998年、韓国映画。イ・グァンモ監督。アン・ソンギ出演。
朝鮮戦争時、米軍が駐留する村に住むソンミンとチャンヒは貧しいながらも勉強に遊びにお手伝いに、毎日それなりの少年時代を送っていた。そんなある日、米兵殺しと放火の疑いをかけられたチャンヒは姿を消す。大きい事件としてはこれだけだ。ロングショット、長回しの多い画面は美しい村をひたすら写し続ける。人物の表情はあまりうつさない。
場面転換ごとに日付と歴史上の出来事と登場人物のエピソードが表示される。それによると最初の場面は筆者が生まれて数日のことだった。この物語が進行していたころ、その隣の国で誕生していた赤ちゃんの一人が今ではこんなオジサンになってるわけだ。その後も出てくる日付を見るたびに「おお生後一ヶ月になったな」とか「うむ、三ヶ月か」などと映画館の暗やみの中でうなづいていた。赤ん坊だった筆者が一歳と数ヶ月になったころ、ソンミン一家は村を去っていく。峠道をひたすら歩く姿をカメラは遠くから延々撮り続ける。やがて人の姿は風景にとけこんでいく。昔、見た映画「旅芸人の記録」を思いだした。あの映画も、歩く人々とを撮り続けていたもんだ。

ペパーミント・キャンディー2000/10/25(キネカ大森)
1999年韓国映画、監督制作脚本イ・チャンドン、主演ソル・ギョング
家族も仕事も全てを失って死を目前にした四十男が、それまでの人生を20年にわたってさかのぼる物語。
汽車が線路を後退していく映像で徐々に二十歳の自分に戻っていく映像が美しい。
ペパーミント・キャンデーを軍靴で踏みつぶした瞬間人生の進路がねじまがる場面が象徴的だ。
これは人生真ん中あたりで立ち往生しているオジサン世代にぜひ見てほしい映画だ。しかし二十歳のシーンのソル・ギョングはちょっと無理があったような気がするが、それも面白味と思えば印象的なシーンではある。

カウィ2000/8/21(韓国・釜山の映画館)
松たか子そっくりの女優さんが出るホラー。タイトルは『悪夢』の意味みたい。
大学時代の仲良しグループの一人(松たか子そっくりの女優さん)が変死を遂げる。その謎を解きあかす女友達・・・あれっ、この女優さんは『女校怪談』で女子高校生役やってた人じゃないかな?たしかあの映画でも仲良しが変死してその謎を解いたのだった。ツー事はこの映画は彼女が成長して女子大生になったって事なんだろうか。いやそうにちがいない。そうすると次は社会人になって、やはり友人が変死して・・・そんなにまわりに変死者が続くなんて、怪しいのはおまえだ!なんて言われないか心配になる。
サウンドが『スクリーム』みたいで恐怖をあおる。上映中隣のカップルの女性に携帯電話がかかってきて、なんと彼女は相手と話し始めたではないか!誰も注意しないし上映前の携帯電話不使用の呼び掛けもなかった。電車内でも皆大声で話してるし韓国ではこれでいいのかも知れない。
この映画も物語終了と同時に上映は終わってしまう。もうちょっと余韻に浸りたかったぞ。

エルドラド2000/8/20(韓国・釜山の映画館)
セリフは英語で字幕はハングルというアニメーション。
黄金郷を目指す若者二人が冒険の旅に出て、ついに夢の地に辿り着くがそこにも争いの災いは起こり、やがて黄金よりも大事なこの世で一番尊いもの(愛と夢なのか?)を見つけるのだった。アニメということもあるのか場内は親子連れが目立つ。料金は6000ウォン(約600円)だからいかに日本の映画料金が高いかわかる。場内もスクリーンもきれいでいいのだが映画の物語が終わるやいなや幕は下り場内は明るくなり、観客は出口を目指す。余韻というものはないのか!と心の中で叫んで一番最後に出るワタクシだった。ホテルまでの帰路に寄った食堂でカルビタン2500ウォン(約250円)でおなかいっぱいになりシアワセになる。

あんにょんキムチ2000/8/12(BOX東中野モーニング&レイトショー)
1999年日本語韓国語カラー52分配給協力ビターズ・エンド松江哲明監督作品。
日本映画学校の卒業制作ドキュメンタリー、しかもテーマが監督の祖父の死と在日韓国人問題らしいというので重〜い映画だったらどうしようとおびえていたのだがアッケラカンとした家族映画(?)で楽しめた。自らは韓国系日本人と名乗る在日三世の監督のインタヴューに答える監督のお母さん、お父さん、妹、お婆ちゃん、三人の叔母さんのほうが監督よりも役者が上で、お爺ちゃんの思い出や韓国と日本について質問する監督に対して真っ向から打ち返して監督をKOしてしまう。とくに元コギャル(本人否定)の妹さんは全編のナレーターもつとめこの映画の成功の大きな要因だ。監督は日本にある祖父の墓前でお供物のキムチを食べようとして吐き出してしまう。キムチを食べられないことで象徴される監督自身の韓国に対する感覚は、映画後半で韓国に渡り韓国の墓前でキムチを食べる事で答えを出すのかと思ったらそんな凡庸な展開はさすがになくて見ていてほっとした。 出演者の演技力もあったのだろうがドキュメンタリーという感じがしなかった。いっそのこと家族がそれぞれ自分の役になって劇映画として撮ったら面白かったかもね。
上映後のトークで監督よりうけるお母さん(画面中央)
今の願いは息子がキムチを食べてくれることだそうです
お母さん自慢の白菜キムチの作り方が書かれたパンフレットも場内で好評発売中
写真だと客がまばらに見えるがこの日は公開初日でBOX東中野としてはたくさんの観客が訪れた
ロビーでファンにサインする監督(オザケンにつぶやきシローが混ざってます)
売店ではパンフレットと「あんにょんキムチ」の単行本も発売中
監督は現在ここBOX東中野でバイト中なので気軽に声をかけてほしいとのことだ

ドキュメンタリーごっこ2000/8/3(BOX東中野)
2000年、壱Oプロ。制作、撮影:内藤雅行。
内藤雅行さんは鉄人28号実写版で金田正太郎君を演じた人だ。彼が中学時代撮影したフィルムを伊勢真一さんが構成編集した作品。近所の小学校の養護学級の子供達を撮り続けるドキュメンタリー作品だが実は、それを撮り続ける内藤さんたちの記録でもあったのだ。まさに35年の歳月がこの作品を完成させたのだ。

鉄人28号実写版第1話、第13話2000/8/3(BOX東中野)
1960年松崎プロダクション。
40年前の連続テレビ映画。御存じ金田正太郎君が半ズボン姿で拳銃撃ちまくり。鉄人の操縦機が小さな机くらいあって持ちにくそうである。28号以前の27号、26号も凄い!まるで案山子だ!等身大着ぐるみの鉄人は指先までは操作できないようで、往年の名大関魁傑さんの指先のように脱力したままユラユラ揺れている。この映画、見る事ができてよかった。

ミッション・インポッシブル22000/7/17(シネ・リーブル池袋)
2000年、監督ジョン・ウー、主演トム・クルーズ。
スパイ大作戦のテーマが流れてなかったら、それの映画版とは思えない映画。トム・クルーズが出たジョン.ウーの映画そのものだ。前半のお話紹介部分はかったるいが、後半の銃撃ちまくり、これでもかこれでもかと続くアクションは、あんたたちの辞書に弾切れの文字はないのか?といいたくなるくらいの不死身同士の一騎討ちバトルだ。

はいかぶり姫物語2000/7/17(シネ・リーブル池袋)
1986年、斎藤久志監督。
若い才能を育てる長編映画プロデュースシステムPFFスカラシップ作品。
1985年の女子高生と浪人生の物語。まだCDではなくLPレコードを聴く時代だ。もうコンビニはあったなと画面を見ながらうなずいたりしてみる。冒頭、音と画面が合わず途中で場内は明るくなった。うんうん、私が子供の頃の場末の映画館でもよくあったぞ、こんなこと。と、懐かしんでる場合ではない。
劇中の少年少女が今では30代半ばだと思うと、80年代の幽霊を見ているようだ。屋上で踊る女子高生の姿は半分幽界のものにも見えたような気がする。公開当時じゃなくて2000年に見てよかった。

ミーポックマン2000/7/7(東京国際フォーラム)
1995年シンガポール映画、エリック・クー監督。
中国語圏映画最前線という催しの一本。劇中では広東語、北京語、英語が入り乱れている。放送や、距離のある対人関係では北京語が使われているようだ。北京語といっても、日本人の中国語学習者には台湾など南部の人が話すソレと同じように聞こえる。例えば「シープーシー」が「スープースー」に聞こえてしまう。町の看板には繁体字と簡体字が両立しているのも面白い。
タイトルのミーポックは一種の辛い麺のこと。まだ食べた事ないがシンガポールに行ったら食べてみたいものだ。
で、肝心の映画ですが、裏町に暮らすミーポックを作る青年と、その店の常連のコールガールのラブストーリー。怪談映画といえなくもない。おまけに会場の冷房がきつかったので風邪気味になり帰宅して寝込んでしまった。

クレイジー・イングリッシュ2000/7/5(BOX東中野)
1999年中国映画。
カリスマ英語教師リー・ヤン先生の中国全土英語教えまくり行脚ドキュメンタリー。大声で叫び体をくねらせ北京では精華大学、万里の長城では人民解放軍を相手に教えまくったりともうそのパワーは中国全土天下統一だ!
恥をかく事を恐れず、母音をはっきりと、短い言い回しをひとつの単語のように覚えていく方法はおおいに説得力がある。実は私まるたつも、この方法で普通話(中国大陸の標準語)が話せるようになった。 普通話を勉強していたころはリー・ヤン先生のことは知らなかったのだが、このやり方は普遍的なものといえるだろう。
この映画は外国語教育の方法について論じているわけではない。リー・ヤン先生自身が面白いのだ。口は耳まで広げて発音しろといいつつ手で口を耳まで広げるポーズをとり、それに合わせて群集が同じポーズをとる姿は往年の文化大革命だ!
ところでリー・ヤン先生の普通話は不自然な自然さ(たぶんリー・ヤン先生は北京出身じゃないからだと思う)で外国人の中国語学習者にはとてもわかりやすい。英語は小林克也氏の英語みたいだ。 いやぁ不思議なモノを見せてもらいました。

ジュブナイル2000/7/2(上野東宝LAWSON試写会)
監督脚本VFX山崎貴
ボーイミーツガール、ボイド星人、タイムマシン、謎のミニロボットのテトラ、プレステ、ローソン(^^)が入り乱れる内容は盛り沢山。
物語は2000年で始まり2020年で終わる。2000年の鈴木杏が成長して2020年に緒川たまきになるのは妙に納得させられた。天才科学者役の香取慎吾君は2020年にはお茶の水博士のようにはげたら面白かったのに。 無駄な説明的なセリフは抑えられていて、CMの一場面のような映像が時々挿入されて心地よい。ラストのタイトルバックに流れる8ミリ映画のような本編未公開シーンはほのぼのして余韻を与えてくれる。すぐに席を立たないで最後まで見よう。

ナインスゲート2000/6/15(丸の内プラゼール)
制作監督ロマン・ポランスキー主演ジョニー・デップ
本の探偵の主人公が三冊しか現存しない悪魔の書物を巡る謎解きに挑む。
どうも日本人には悪魔の事がよくわからないのでいまひとつ理解できないところもあるのだが面白い映画だった。タイトル通り九つの扉の向こうには意外な展開が。書庫に入るためのゲートの暗証番号が666だったり細かい所もアイディアが溢れていて面白い。ところでジョニー・デップは以前はジョニー・ディップだったと思うんだけど。ちなみにJOHNNY DEPPが英語表記。

ラストハーレム2000/6/7(シネスイッチ銀座)
1999年、仏、伊、トルコ合作。
すご〜く暑かったのに、場内の冷房があまり効かず汗だく。汗拭き用のバンダナはグショグショになり、上映が終わって慌てて出たら忘れてきてしまった。しかし入場した時にこの映画のスポンサーの化粧品会社の製品をプレゼントされたのでプラスマイナスゼロといったところか(笑)。 日頃外出時にはあまり缶飲料は飲まないのだが、つい場内で並んだ所が自販機の前だったのでオレンジカルピスなるものを飲んだ。これ、薄いカルピスと薄いオレンジジュースを混ぜたような味だった。
肝心の映画ですが老妾が自分の人生を若い娘に語りかける物語。その物語も他の語り手が語る物語のエピソードなのだ。その語り手の側の人物が、実は...。物語は回り、語り手と聞き手と登場人物のそれぞれにリンゴが与えられる。一言で言うとトルコ版大奥物語、って言ったらちょっとちがうかな。

ミッション・トゥー・マーズ2000/6/1(ワーナー・マイカル・シネマ板橋)
東武練馬サティ内にできた新しい映画館ということで行ってみた。
毎月一日は1000円均一。毎水曜日は女性のみ1000円(女装客不可)。夜9時以降レイトショースペシャル1200円均一。
映画は火星に巨大な観音様が横たわっている事を信じられる人には面白いだろう。ワタクシはもちろん信じる。この映画の設定は2020年なので、なんとか生きのびて実際の2020年とどうちがうかギャップを楽しみたい。来年「2001年宇宙の旅」を見て同じようなことが体験できそうで楽しみだ。いくらなんでも来年はまだ生きてると思うけど。

PRINCESS MONONOKE2000/5/1(有楽町スバル座)
もののけ姫英語版。
日本語版を見逃していたのでこれを機会に足を運んだ。料金は窓口のみ発売で1000円均一。
本編に先立ち宮崎監督のカナダ米国歴訪の映像が紹介される。監督に寄り添う”イタコ通訳”リンダ嬢との息もぴったりでほのぼのとした雰囲気が画面から伝わる。このドキュメンタリーのラストはNYでの映画祭でPRINCESS MONONOKEの上映が始まるシーンで終わる。
そのまま本編が始まり観客は画面にひきこまれる。 冒頭、人間と獣が共存云々のナレーションが英語ではいる。おお、やっぱりPRINCESS MONONOKEだとあたりまえのことに感心する(笑)。
一緒に行った中一の息子がここで「ヴィースト」の単語が聞き取れて喜んだ。彼はTVアニメ「ヴィーストウォーズ」の大ファンなので獣のヴィーストに反応したのだ。
余談だがこの「ヴィーストウォーズ」良くできた3Dアニメでワタクシも毎週かかさず見ていた。またこれは脚本が面白く古いギャグや落語ネタ満載で笑わせてもらった。
さてPRINCESS MONONOKEだが2時間以上の長い上映だがアシタカ王子が登場し、西の森に赴きそこで神に出会う物語を一気に見せてくれ飽きる事はない。神は死に森も死ぬが、首を取り戻した神によって再び森に木や花が育ちはじめる。これを見ていた生き残った男の「神は花咲かじいさんか」というセリフが愉快。

発狂する唇2000/4/19(テアトル新宿レイトショー)
1999年オメガプロジェクト。監督佐々木宏久、出演三輪ひとみ。
監督、出演者、もちろん映画自体にも事前に予備知識なしで見たのだが、往年の大蔵映画の怪談ピンク映画みたいで面白かったぞ。こーゆー映画は今はなき亀有名画座あたりの冷え過ぎる冷房の中で、オールナイトで見る方がそれらしいかもね。
阿部寛がFBIの役出ているのだが笑える(^^)

トイ・ストーリー22000/4/5(日劇プラザ)
制作Pixar。
ピクサーのCEOはAppleのiCEOでもあるスティーブ・ジョブズなのは皆さん御存じでしょう。素晴らしい! 併映される1986年の短編CGアニメ「ラックス」がまた素晴らしい!
全世界で大ヒットするのはPixarにとってもAppleにとっても、もちろん我々MacUserにとっても喜ばしいかぎりだ。
さて映画トイ・ストーリー2だが日本語吹き替え版と英語版があるので注意しよう。おおむね夜の上映が英語版のようだ。もちろん人形達のリアルさは前作以上の出来だが人間の造作もさらに上質に仕上がっている。
Pixar社ホームページも見よう!

ドラえもん2000/3/28(日劇東宝)
春休み恒例三本立て。
メインの「のび太の太陽王伝説」は王子とのび太が入れ代わり大騒動。
「ザ・ドラえもんズ」は幼児向き短編。
「おばあちゃんの想い出」は晩年の藤子F先生の雰囲気がいちばんよく出ている。幼き日ののび太がおばあちゃんに「おばあちゃんは大きくなったら何になりたいの?」と聞くと「おばあちゃんはなりたいものになったんだよ。のび太君のおばあちゃんになったんだよ」のやりとりには泣かされる。
合掌。

グリーン.マイル2000/3/27(日本劇場)
原作スティーブン・キング、主演トム・ハンクス。
三時間を越える長尺物で上映中にトイレに立つ客が多かった。これから見る予定の貴方は事前に用をたしておきましょう。それに携帯の使用はやめてほしい。音声で受けた馬鹿者もいたが暗闇でメールチェックするのもやめてほしい。あの発光は意外と気になるものなのだ。それにエンディングになったとたんゾロゾロと通路に出て退場するのもなんとかしてほしい。べつに息を殺して見ろとは言わないが家庭でビデオ見るのとはちがうことを自覚してほしい。まぁマリオンに来る客に言ってもしかたないか。
あっ、書き忘れたけど映画は面白いです。原作の方がもっと面白いと思うけど(たぶん)。

榕樹(ガジュマル)の丘へ2000/3/21(キネカ大森)
1997年中国映画。
息子夫婦と別居のおばあちゃんと、田舎から出稼ぎのお手伝いの少女との心の交流を軸に世代間の考えのちがい、老後の問題、都市と地方の問題をわかりやすく構成しているのだがわかりやすすぎるぞ!まるでテレビの橋田S子ドラマじゃないんだから!劇中おばあちゃんがテレビの連ドラを見ていると停電になり、あわてて息子の家に電話して「筋がどうなってるか私に教えておくれ」と言い張るのが笑える。ドラマの主人公が離婚するかどうか気になってしかたないのだ。おばあちゃんの再三の電話で息子夫婦が危機になってるってのに。
私、まだ池袋文芸座で中国映画祭をやってた頃から20年くらい中国映画見続けてますが、良くも悪くもなんだか20年前の映画を見てるようでした。そういえば前述の橋田S子先生は30年くらい前に少女漫画の原作も書かれてましたね。今、ふと思い出したもので。

スリーピー・ホロウ2000/3/9(日本劇場)
1999年米国映画。ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演。
さて、劇中何人の首が斬られたでしょう?
1799年NY郊外の村スリーピー・ホロウで次々起きる斬首猟奇殺人事件。それはまるで横溝ワールドだ。
気弱だけど正義感あふれる捜査官ジョニー・デップは最新科学を駆使して事件解決をはかるが呪いと魔術の世界は手強いのだ。回想で登場する妙に印象にのこる顔つきの母親はマーズ・アタック!で火星人になった女優さん。その表情は首無し騎士よりも恐いかも知れない。いや、ほんと。あれっ、首無し騎士には表情はなかったな。

女校怪談2000/3/8(キネカ大森)
1998年、韓国映画。
韓国版学校の怪談!予告編から受けた印象とはちがいオーソドックス」な作りのホラームービー。劇中こっくりさんのシーンでおまじないの言葉が日本語だったのは洒落なんだろうか?
厳しい受験環境の女子高生と古ギツネ、狂犬とあだ名される教師達の描写がリアルだ。あれだけやられたら化けて出るがな。
レイ・ブラッドベリの小説でいろんな時代の卒業アルバムに同じ人物が掲載されているというものがあるが、この映画を見てそれを思い出してしまった。もしかして影響うけたかな?
韓国では女校怪談2が公開だ。せっかくだから見てみよう。

シュリ2000/2/24(シネ・ラ・セット)
1999年、韓国映画。カン・ジェギュ監督。
う〜ん、泣かせます。 朝鮮民主主義人民共和国(長いね〜)の女工作員と大韓民国情報部の情報員の愛と哀しみのバトルが開巻から終幕まで一気に駆け巡るアクションロマンス。 ラスト近く泣きながら銃を乱射しつつ走るヒロインに観客は完全に同化してしまったよ。もう涙ボロボロ状態。 朝鮮民主主義人民共和国の工作隊のリーダーは劇中では悪役なのだが彼の言ってる事が一番まっとうなんだよね。「北では同胞が飢えてるのに南では飲み過ぎ食い過ぎで吐いている!分断後50年、南北の政治屋どもは統一する気もなく現状を追認してるだけだ!」なんてね。 思わず画面に向かって「イギナ〜シ」と叫びそうになってしまったよ(ウソだけど)。
こんなに息をもつかせぬ面白さなのに最初から眠りっぱなしで大イビキのオヤジがいたんだけど、なんで見に来たんだろう?

ディナーの後に2000/2/23(キネカ大森)
1998年、韓国映画。イム・サンス監督。
デザイン事務所を経営し自由に恋愛を楽しむホジョン、結婚願望が強く一人の男性に尽くすヨニ、男性よりも自分自身で満足しているスニ。この三人が繰り広げる本音の会話が面白い。元気な女性達に比べて男性陣はやや迫力不足だ。そんななかで大人のおもちゃ店のオッサンが真面目な正論を吐いて愉快だ。 それは歯ブラシとおもちゃを対比して語るエピソードなのだが詳しくは見てのお楽しみ。
そんなこんなでホジョンは姦通罪で逮捕されるのだが、この法律は現在もあるのだろうか?

シックスセンス2000/1/27(日比谷映画)
予告編で少年は幽霊が見えると言ってるんだから、少年が見ているブルース・ウィルスは当然・・・で、どんな意外な設定で展開していくのかと思ったら、そのまんまじゃないか〜!
劇中、少年に物語を聞かせるブルース・ウィルスに「物語りが下手だね、ひねりがないよ」なんて少年がいうのだがワタクシはこの映画を見終わってスクリーンに向かって同じ」セリフが言いたかったぞ!
この映画ブルース・ウィルスいらないんじゃないだろうか?それ以外はなかなか面白かった。今年最初の映画がこれだからこの一年どうなりますことやら。


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