まるたつの超お手軽映画感想文です.。原則として映画館で見たものが対象です。
記憶違い、勘違い、思い込みも、た〜くさんあるのであんまり参考にはなりません。
●オールドボーイ●2004/12/1(有楽町スバル座)
2003年 韓国映画 監督/パク・チャヌク 出演/チェ・ミンシク ユ・ジテ カン・ヘジョン
愛と復讐と15年の監禁。復讐する者と復讐される者の立場が二転三転する展開で一気に見せてくれる。
チェ・ミンシク、相変わらず期待通りのチェ・ミンシクです。ユ・ジテ、これまでの好い人のイメージから一転して悪役です。笑顔がかなりキテます。この二人に負けないのがカン・ヘジョン。麻木久仁子を20年くらい若返らせて、コケテッシュにして意思力を強くしたイメージ。今後が楽しみな女優さんだ。
有楽町スバル座には久しぶりに行ったが、昔の映画館らしく妙に不自然な暖房が効き過ぎ。館内もかなり老朽化が目立ち、画面も今となっては小さいよなァ。考えてみたら、初めてここに来たのは高校生の時の『イージーライダー』だったかも。
で、この映画『口は災いの元』がテーマのような気がする。ワタクシも気をつけねば。これから15年も監禁されたら生きて解放されないかも知れないから。
●世界でいちばん不運で幸せな私 ●2004/11/18(シネスイッチ銀座)
2003年フランス/ベルギー映画 監督/ヤン・サミュエル 出演/マリオン・コティヤー ギョーム・カネ 他
母が病気のジュリアンと、ポーランド移民のソフィーは、二人が出会った小学生時代にあるゲームを始める。お互いが交互に出す条件をクリアするたびに二人の間を行き交う空き缶を中心に、二人の人生と映画のストーリーが展開していく。
と、まぁそれだけなら、少年少女かわゆいラブコメかなと思うが、このゲームが大人になっても続くところがミソ。
ゲームはエスカレートしていき、だんだん命がけになって、なんだか愛というよりも倒錯の世界を呈して来る。もう無理矢理な設定なんだけど、なんだか納得させられてしまう。
お互い違う相手と結婚して10年後、二人だけに通ずる愛のゲームは再開する。もうシャレにならない段階に到達してしまう。そして二人の愛はコンクリートのように固くなるのだった。う〜ん、愛おしくて苦くて痛い恋愛映画。
●ナイトメアー・ビフォア・クリスマス〈デジタル・リマスター版〉 ●2004/11/1(日比谷スカラ座2)
1993年米国映画 製作/ティム・バートン 監督/ヘンリー・セリック 脚本/キャロライン・トンプソン
封切り時に見逃していたものをやっと見る事ができた。
製作と監督のコンビはジャイアントピーチでも素晴らしい出来を見せてくれている。もう期待充分!
しかし昨夜の寝不足がたたって、最初に上映された短編2本(『ヴィンセント』と『フランケンウィニー』) はしっかり見たのだが、本編上映になってどうも眠くて時々ウツラウツラしてしまった。残念。
ハロウィン&クリスマスが舞台の人形ミュージカルで退屈はしないが、心地良いリズムにまたしても睡魔が。
つぎはぎ人形のサリーがカボチャのジャックを助けるべく、肉体を武器にして活躍するのが愉快で、妙なエロチシズムもあったりしたみたい。
併映の『フランケンウィニー』の少年版フランケンシュタイン愛犬復活物語は、ブラックでユーモアにペーソスまでふりかけてあって、併映で見られて凄く得した感じ。お母さん役の女優さんは、実写版『ポパイ』でオリーブを演じた人のような気がするが、記憶違いか。なんだかつぎはぎ人形のサリーに似てなくもない。
●シークレット・ウインドウ ●2004/10/28(錦糸町シネマ)
2004年米国映画 監督/デヴィッド・コープ 出演/ジョニー・デップ ジョン・タートゥーロ 他
原作はスティーブン・キングの中編。キング原作の映画は原作の面白さが出ないことが多いような気がするが本作はどうだろうかと、半信半疑で映画館に足を運んだんですが。
もう秋も深まっているというのにこの映画館、冷房が入っていて場内あちこちから咳き込む人のゴホゴホという声が。
着て行った上着の襟を立てて帽子を目深に被って寒さから身を守ったが、映画が終わる頃には風邪気味になってしまった。
映画館を出て熱〜いうどんを食べてなんとか暖をとったような状態だから、映画の内容はほとんど覚えていない有り様。ああ、寒かった。
●菊花の香り ●2004/10/25(キネカ大森)
2003年 韓国映画 監督/チェン・ジニョン 出演/イ・ジニョン パク・ヘイル ソン・ソンミ他
予告編はとても期待させたんですが、、、。
サンタルチアの曲をバックに予告編の映像を流すだけでもいいような気が。交通事故、病気、と韓国メロドラマの定番シチュエーション。これに記憶喪失があれば万全だけどそれはない。
秋の童話でウンソの産みの母、冬のソナタでユジンオンマを演じたキムヘスクさんが画面に登場した時は、あらこんな所でどーも、といった感覚になってしまった。今回はアメリカ帰りのオシャレな母親役でした。
劇中、赤上げて、白上げないで、赤下げない、の遊びをするシーンがあるが、これが赤旗と白旗じゃなくて青旗と白旗の組み合わせだった。
いつもながら、似ているのにちょっと違う日韓の面白さといえば、言えなくもないけど。
パク・ヘイル君、『殺人の追憶』ではラジオ曲にハガキをせっせと送っていましたが、今回もちょっと関連があります。それは見てのお楽しみ。
●スウィングガールズ ●2004/10/20(キネカ大森)
2004年 監督/矢口史靖 出演/上野樹里 貫地谷しほり 本仮屋ユイカ 他
ひょんな事からジャズバンドを結成して演奏することになった女子高生達と一人の男子高生の爆笑熱血音楽映画なのだ。
タイトル通り映画全体がスウィングしてます。観客もノリノリと言いたいところだが、この日は台風の影響もあってか映画館内の客は数名でとっても静かでした。
全然音楽に関係ないだけでなく楽器すら持っていない連中が、いかにして楽器を手にして、大舞台で演奏するようになるかという、ある意味サクセスストーリーと言えなくもない。
主人公はテナーサックスを買う資金作りにiMacを売ってしまうのだ。その後ちゃんと買い戻したんだろうか気になる。その時一緒に妹のプレステまで売っぱらったのはどうかと思うが。それだけではない、メンバーの楽器を揃えるために皆でマツタケは盗む、猪の頭がい骨を砕くはの大暴れ。まぁ結果オーライでいいんですが。
主役の上野樹里ちゃん、大あくびや鼻くそほじったりの演技にいまひとつためらいが見えるが、大画面にも耐えられるパワーは感じられて良いです。
スウィングガールズ公式サイトも映画に負けないくらいよくできて必見。
●兵六夢物語 ●2004/10/6(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1943年日本映画 監督/青柳信雄 出演/高峰秀子 榎本健一 中村是好 横尾泥海男 他
場内が暗くなって、いきなり画面に『撃ちてしやまむ』なんて出るもんだから、あれっ上映日を間違えたかなと思ってしまった。戦時中の制作だからこういうオープニングなんでしょうね。
母思いの下級侍がエノケン、武家娘と狐の二役が高峰秀子。武芸大会で失敗したり、化け物退治をしたりの他愛無いといってしまえばそう言える映画。
開場前に並んだ列は、ほとんどが高齢者で、手には保険証を持っている人も多い。あれっ会場を間違えたかなと思ってしまった。60歳以上は割引になるので、年齢を証明するものを持っていたというわけだけど、皆さんそんなもの持たなくても充分年齢的には大丈夫な方達ばかりでした。
エノケンが登場するだけで場内に笑い声がしてくる。きっと全盛時の面白さを覚えている方が多いんでしょう。
この人達よりは若いワタクシの世代だと、レインボウズ の『バラバラ』を日本語訳で「お家がバラバラ♪」なんて歌っていた晩年の姿が印象に残ってるんですけどね。
話はそれますが、当時の音楽番組で「この曲で何度バラバラと言ってるでしょう?」なんてクイズをよくやってました。
●カルメン故郷に帰る ●2004/9/21(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1951年日本映画 監督・脚本/木下惠介 出演/高峰秀子 佐野周二 笠智衆 望月美惠子(優子)他
日本初の長篇カラー映画 。子供の頃牛に蹴られてちょっとオツムが弱くなった女のコが、東京でストリッパーになって浅間山麓の村に錦を飾ることになり、家族や村の人々を巻き込んで大騒動の喜劇。
この頃の女優さんって足も太く腰やお尻の肉付きもふくよかだ。戦後数年のころだが、やせっぽちの男優に比べてとくにそう思う。世間的にもそうだったんだろうか。生まれる前のことなんでよくわからない。
映画のセリフで、現代では「目の不自由な人」、「精神に異常をきたした人」、「路上生活困窮者」などに言い換えられる単語がポンポン飛び出す。べつに差別的表現ではなく単なる日常会話だ。これは自分の子供の頃のことを思い出してもうなづける。現代のように言い換えるほうが差別感が増すような気がする。
望月優子は晩年の社会派女優イメージが強いがこの映画ではまだ若い。主人公の姉の役で、おみやげにもらった洋服を「これいいでしょ、高島屋よ」なんて軽口もたたく。実はこの映画の衣装協力は高島屋だ。当時からタイアップはあったんだね。
●華氏911 ●2004/9/9(錦糸町シネマ)
2004年米国映画 監督/マイケル・ムーア 出演/マイケル・ムーア ジョージ・W・ブッシュ 他
例によって何の予備知識なしで見てます。エンディングの二ールヤングの鼻づまりの歌声が一番印象に残ったんですけど、そんな見方でいいんでしょうか。
なんかものすごくわかりやすい構成の映画なんですが、それでいいんだと思います。
カンヌのような25分間のスタンディングオベーションは、ここ錦糸町シネマではありませんでした。
上映中の笑いも拍手もありませんでした。途中で退場する人もいませんでした。まぁアメリカに住むアメリカ人じゃないからしかたないのかも知れませんが。
この映画のテーマの『ブッシュ再選阻止!』は、アメリカ人じゃないボクにもよく伝わりましたが、残念ながらボクにはなす術はありません。
これで実際にブッシュ再選が阻止されたらこの映画の価値はもっとあがるんでしょうか。本当はこんな映画が話題にならないような世界だったらいいんですが。どうせいつかは壊れる世界でしょうが、こんな人のために世界が壊れるのはあんまりいい気持ちではありません。そんな事を思った2時間でした。
館内の冷房で体が冷えたので、熱いメンチカツを食べに行ったらなんだか冷めたメンチカツを出されて、さらに油が悪いのか胸焼けがして、結局ほとんど残してしまいました。今後まずいメンチカツを食べる機会があったら、たぶんムーアとブッシュの顔を思い浮かべるような気がします。ゲップ!
やっぱりメンチカツじゃなくて、ロールキャベツにしておけばよかった、ゲップ!
●品行ゼロ●2004/8/9(キネカ大森)
2002年韓国映画 監督/チョ・グンシク 出演/リュ・スンボム コン・ヒョジン イム・ウンギョン他
さすがシネマコリア2004上映作品、平日昼間でもほぼ満員の観客。キネカ大森で両隣に観客がいる状態で映画を見たのは初めてかもしれない(笑)。
さてこの映画といえば、1980年代が舞台の青春お馬鹿ムービー。主人公チュンピルは品行方正とは100%言えない高校の番長。そんなチュンピルが女子高生に恋をして彼女の趣味に自分を合わせるようになり、全然興味もないギターは習うわ、図書館に行くわ、ショッピングにつきあうわで、いつしか番長の座が危うくなる。
そして番長の座を賭けてチュンピルはついに対決の時を迎える。しかしチュンピルはこれまで口だけで勝利してきた男だ。果たして勝負の行方や如何に。
チュンピルが恋する女子高生がいつも分厚いレンズの眼鏡をかけていて、眼鏡をはずすと超美少女というのが、いかにもという感じで良い。
●漫画 おい等の生命線 ●2004/7/15(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1934年日本映画 監督/片岡芳太郎
お猿の国の領土に他の動物たちが入り込むがそれを撃退する戦意高揚アニメ。
●漫画 證城寺の狸囃子 塙団右衛門(塙団右衛門 化物退治の巻) ●2004/7/15(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1933年日本映画 監督/片岡芳太郎
人を化かす狸の一味と戦う豪傑の武勇。なんだか杉浦茂ワールドを彷佛とさせる荒唐無稽さが愉快。
●漫画 芋と兵隊 ●2004/7/15(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1942年日本映画 監督/片岡芳太郎
「麦と兵隊」をもじったタイトルがいかにもの感がして良い。中国戦線で芋を食っては戦う兵士の悲哀もあって単なる戦意高揚アニメよりは深い趣がある。兵士達の芋を失敬するミッキーマウスっぽいネズミが、またなさけない風体で面白い。
●魔法の靴 ●2004/7/15(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1951年日本映画 監督/片岡芳太郎
戦後も6年が経ってカラー作品。魔女が呪いをかけた靴をはくと一生踊り続けていかなければならないのだが、その靴を主人公の少女が愛玩するお人形さんが履いてしまったから、さぁ大変。
●浦島太郎 ●2004/7/15(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1952年日本映画 監督/片岡芳太郎
これもカラー作品。誰でも知ってる浦島太郎のハナシを全然ひねらずストレートに展開。なぜか浦島太郎の顔がバタくさい(こんな表現最近しないなァ)。
●お猿三吉 僕等の海兵団 ●2004/7/15(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1941年日本映画 監督/片岡芳太郎
●お猿の三吉 防空戦 ●2004/7/15(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1942年日本映画 監督/片岡芳太郎
●お猿三吉 鬪ふ潜水艦 ●2004/7/15(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1943年日本映画 監督/片岡芳太郎
●お猿三吉 奮戰記 ●2004/7/15(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1943年日本映画 監督/片岡芳太郎
上記のお猿三吉シリーズ4本、全て10分前後の短編で似たようなシーンが続くし、場内の適度な暗さと冷房で半分は眠ってしまった。他の客のイビキで途中で目が覚めたりした。潜水艦ネタのものがいくらかスピード感があって印象に残っている。どれだったかわからないが、豚と戦って撃たれた豚が落下したら、いきなり『豚の墓』と書かれた墓石が出現するシーンで場内がいくらか湧いた。
●桃太郎の海鷲●2004/7/13(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1942年日本映画 33分 監督/瀬尾光世
制作スタッフ4人で作ったアニメーションということにビックリ。更に瀬尾が一人で約15万枚の動画を描いたということで、またまたクリビツギョーテン(言う事が古いねどーも)。
将軍の桃太郎が犬、猿、雉に命じて飛行機の編隊を組んで鬼が島を攻撃させるんだけど、鬼が島にはハワイアンが流れ、もろ真珠湾奇襲攻撃です。
それに雉は自分で飛べるんだからわざわざ飛行機に乗る事もないような気がするが。
桃太郎のセリフが妙に軍人口調でおかしいのが印象に残った。
●海の神兵●2004/7/13(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1945年日本映画 監督/瀬尾光世
悪い鬼に支配された東南アジアの島を、東の国からの神兵が救うという伝説を基にした物語。そんな伝説ほんとにあるんでしょうか。
敗戦近くに作られたとは思えない出来映えのアニメーションなんだけど、途中ミュージカル仕立てなんだか、日本語の御勉強なんだかわからないが、アイウエオ、カキクケコ、サシスセソ、の繰り返しの歌がすごく単調で何度か眠りそうになってしまった。
桃太郎みたいな将軍の命令で、猿、犬、熊などが落下傘で適地を急襲するシーンは圧巻。それまでの単調さが嘘のように、思わず画面にひきこまれる。当時の子供達の戦意高揚には非常に役立ったことだろう。
とは言うものの、実際のところはどうだったんだろうか。
●太極旗を翻して /ブラザーフッド ●2004/7/8(錦糸町シネマ)
2004年韓国映画 監督/カン・ジェギュ 出演/チャン・ドンゴン ウォン・ビン イ・ウンジュ他
邦題の「ブラザーフッド」が意味不明。原題の「太極旗を翻して」で良かったのに。ちなみに英語タイトルはTAEGUKGIで、太極旗の朝鮮語読み。
実はこの映画あんまり期待してなかったけど、最後までちゃんと見てしまった。
兄チャン・ドンゴンと弟ウォン・ビンの壮絶なまでの家族愛がテーマ。家族愛のためなら、戦う相手が共産軍だろうが、南朝鮮軍だろうが、中国軍だろうが、反共民間組織だろうが、このお兄ちゃんは暴れまくります。なぜか米軍相手には暴れないようですが。
映画を見ていて、チャン・ドンゴン兄ちゃんのこの性格って誰かに似てるなぁと思って考えてたら、フーテンの寅さんと同じだと気付きました。
周囲の迷惑顧みず、妹のために一肌も二肌も脱ぐおにいちゃん。根はいい奴なんですが、どうも問題を起こしてしまうんですね。
映画を見終わって気付いたのですがチェ・ミンシクが友情出演しています。キム・スロも友情出演ですがこちらはすぐにわかりました。それに、名前はわかりませんがドラマ「オールイン」で、米国に渡ったイナが所属するマフィアの幹部の人も出ていたようです。他にも友情出演の方が数人いるようです。こういう時にいつも思うのですが、誰に対しての友情なんでしょうか。
●ハッピーエンド●2004/6/16(キネカ大森)
1999年韓国映画 監督/チョン・ジウ 出演/チョン・ドヨン チェ・ミンシク
以前、教材として日本語字幕なしでビデオを見たのだが細部がいまいちはっきりしなかったので、今回やっと全体を把握することができた。
チェ・ミンシク扮する失業夫がどんどんアジュンマ化して、甘ったるい恋愛小説に涙するは、スーパーのレシートは一品ずつチェックするは、通俗テレビドラマに夢中になるわはのシーンがあるのだが、そのドラマが、ペヨンジュン主演の某ドラマ。このシーン見たさにこの映画館に来たらしきオバサマ連れもいたようだ。
ビデオを小さいテレビ画面で見た時は気がつかなかったけど、今回映画の大画面で見たところ、チョン・ドヨンちゃんったら、くんずほぐれつシーンのアップでお尻に青タン作ってたみたい。おもいっきり足を広げてのけぞり移動したりするもんだからどこかにぶつけたんでしょうね。そんなにも頑張らなくていいのに。韓国人的過剰なサービス精神なんでしょうか。充分わかりましたよ、ありがとう。
ほんとに、お疲れさまでした。
●タカダワタル的●2004/6/16(テアトル新宿)
2004年日本映画 監督/タナダユキ 出演/高田渡とゆかいな仲間たち
名曲「ごあいさつ」で始まり「ごあいさつ」で終わる礼儀正しい映画。 約35年前の高田渡と今のタカダワタル。若者がおじいさんになりました。
画面から感じる印象が誰かに似ていると思ったら、古今亭志ん生だった。もう、舞台で眠りこんでも許される境地に達している。観客も、本人を起こさないように静かにして目覚めるのを待つレベルだ。
実は約30年くらい本物に接していないので機会をみつけて足を運びたい気になってしまった。そんな映画だ。
久しぶりにテアトル新宿に行ったのだが、たしか以前は水曜日1000円サービスデーのはずだったのに1800円徴収するのでそーゆーことなのかと場内に入って座ったら、「すみません、間違えました。800円返すから半券持って来て」とのスタッフの声。まちがえるスタッフもスタッフだが、おとなしく払った客も客。なんだかタカダワタル的な出来事でありました。
●シルミド●2004/6/10(錦糸町シネマ)
2003年韓国映画 監督/カン・ウソク 出演/ソル・ギョング アン・ソンギ ホ・ジュノ他
漢字で書くとたぶん「実尾島」。ここに集められた犯罪者達を訓練して北朝鮮に潜入させ、金日成暗殺を企てるプロジェクトの開始から終末を描いた映画。日本なら故深作監督がメガホンをとったような映画で、女優はほとんど出ません。
つまらなくはないのだが、やや平板な構成でかったるい気もした。あえて避けたのかも知れないが、犯罪者達それぞれの事情をもう少し描いてくれたら感情移入しやすかっただろう。
連中を鍛える軍人達と犯罪者達が反目しながらも徐々に心の交流も生まれたりするのだが、隊長役のアン・ソンギまで上半身裸で一緒に走る事はないのに。もうそんなに若くないのだから大変だったことでしょう。お疲れさまでした。
観客がそう多くないのに館内の冷房がきつくて寒かった。寒さしのぎに熱いコーヒーを売店で購入したら、これが前夜から煮詰めたような味で最後まで飲めなかった。
●トロイ●2004/5/27(錦糸町シネマ)
2004年アメリカ映画 監督/ウォルフガング・ペーターゼン 出演/ブラッド・ピット 、 ピーター・オトゥール 、オーランド・ブルーム 他
トロイの木馬といえばいまやウイルスを連想してしまうが、この映画はもちろんホメロスの「イリアス」 を題材にしている。ブラピはアキレスになっている。アキレス腱のアキレスね。
実は、今までブラピ主演の映画で面白いと思ったのは1本もなかった。この映画で初めて面白く楽しめた。
このアキレス、腕はたつが妙に禁欲的で権力に媚びない孤高の戦士なんだけど、まるで武士道を実践している求道者の趣すらある。う〜ん、俺だってアキレスになりてえよ、ただし戦う力と格好良さがあればの話しだけど。
ピーター・オトゥールが王として出ているが、映画館で隣に座っていた年配の女性がこれを見て、「昔は奇麗な青い目だったのに、あれはきっと白内障よ」なんて言っている。それってメイクなんじゃないでしょうか。
●ラブストーリー●2004/5/19(キネカ大森)
2003年韓国映画 監督/クァク・ジェヨン 出演/ソン・イェジン、チョ・スンウ他
原題は『クラシック』。これが韓国で封切り直前の頃ソウルにいたが、街中この映画のポスターだらけだった。現代を生きる娘の恋と、70年代に青春をおくった母の恋が微妙にシンクロしながらやがて予定調和の世界に収斂していく。母の時代はラブレターの代筆、娘の時代はEmailの代筆、と時代の違いはあるが恋する気持ちに時代の違いはないんだもん!などと可愛く言ってみたくなる。
現代で恋する二人は大学の先輩後輩の関係なのだが、これはちょっと出生時から考えて辻褄が合わないんじゃないだろうか。たしか二人は相次いで生まれたのだったから、たぶん同級生だろう。もしかしたらどちらかが早生まれかも知れないけど。それに娘よりも後に、娘の恋する相手が生まれた展開だったような気がするから、先輩にはならないよなぁ。娘が何浪もしたのならそうなる可能性はあるが。まぁ二人は運命の出会いなんだから細かい事を言うのはやめましょう。
前半の母の時代の恋の物語は、微笑ましくて思わずニンマリしてしまう場面も多い。フォークダンスを習うシーンで、いつのまにか「ヒッピーヒッピーシェイク」で踊りまくるのが愉快。後半はうってかわってベトナム戦争や反戦運動のエピソードでやや硬派になり、悲劇的な展開になってくる。
そのぶん上映時間も長くなった。前半の雰囲気で、全体の長さを3分の2くらいにしたほうが引き締まったような気がする。
母の恋がクラシックなら、娘の恋はOSXなんだろうか(笑)。
●やさ男●2004/5/14(東京国立近代美術館フィルムセンター)
1980年タイ映画 監督/チュート・ソンスィー 出演/ソムバット・メータ二ー、ナワラット・ユッタナッン他
たぶん初めて見たタイ映画だ。往年の香港映画のミスターブーシリーズを彷佛とさせる艶笑コメディ。きれいだけど強いオネーサンと迫力に欠けるニーチャンの組み合わせというアジア映画の王道をいっている。
金持ちの放蕩息子と、やはり金持ちの気の強い娘が見合いをして結婚するが、夫は天性の浮気者で妻は銃で撃ち殺したりもする。そんなこんなでも、まぁなんとかなるっていう他愛無い物語だが、のんびりした気分になれていいんじゃないんでしょうか。
夫の父はヤモメで亡き妻の妹と同居しているが、実は彼女が好きで仮病を使って求婚する。そもそも若い頃から美人姉妹として有名だったのだが、この父ちゃん「最初の結婚した時も、美人だから姉でも妹でもどっちでもよかったんだ」とのたまう。
妻の父は蘭の育成の集まりに行くと偽って、浮気三昧。ベッドで老いた妻と浮気相手を間違えたり、浮気がばれて頭をなぐられても帽子をかぶって風俗店にいくわでなかなか元気者。
なんともはや(笑)。