★2005年篇★

超お手軽映画感想文です。原則として映画館で見たものが対象です。
記憶違い、勘違い、思い込みも、た〜くさんあるのであんまり参考にはなりません。

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年度INDEX

●四万人の目撃者● 2005/12/26(ラピュタ阿佐ヶ谷
1960年 松竹 監督/堀内真直 出演/佐田啓二 伊藤雄之助 岡田茉莉子 杉浦直樹 安井昌二 他
野球場で大観衆の目の前でスター選手が急死する。さて、その真相は、というミステリーなのだが、一番印象に残ったのは映画の内容よりも、若き日の岡田茉莉子の美しさ。
同じ若き日でも、伊藤雄之助はやっぱりどこから見ても伊藤雄之助だったけど(笑)。
「とってもデリシャス」と微笑むCMのイメージが強い岡田茉莉子だが、画面からはみ出るくらいの美しさだった。最近の女優さんと違って、昔の女優さんは一般レベルからかけ離れた存在だったんですねェ。
野球場のシーンは後楽園球場(もちろんドームではない)のようだが、背番号3の後ろ姿はこれまた若き日の長嶋選手のような気がする。あの躍動感あふれる動きはたぶんそうだろう。
公開時の戦後15年たった時点でも、まだ戦時中の陰を引きずるエピソードが出てくる。戦後60年たった今でもいろいろあるわけだから、当然といえば当然か。
戦後○○年ならまだいいが、戦前○○年なんていうのだったら怖いよなぁ。いや、ほんとにね。

●恐妻家三代●2005/12/22東京国立近代美術館フィルムセンター
1967年 韓国映画 監督/ユ・ヒョンモク 出演/チェ・ナミョン ファン・ジョンスン ホ・ジャンガン 他
タイトル通り三世代の恐妻家が暮らす日常をユーモラスに描いた喜劇。
祖父、父、孫とその配偶者がひとつ屋根の下に暮らす一家だが、おじいちゃんとおばあちゃん頑張ったもので末っ子が生まれたのは十年前。だから二十代の孫からすると、叔父さんが自分より年下になるわけだ。しかしそこは長上を敬う儒教精神豊かなお国柄、年下の叔父さんは、自分より年上の甥に対していばっているのが面白い。そのくせ、ちゃっかりお小遣いをもらって喜んでいたりするのが可愛い。
祖父と孫の世代の中間、つまり祖父の息子で、孫の父である中年父ちゃんを演じているホ・ジャンガンは、韓国テレビドラマ『ホテリア』や映画『シルミド』でおなじみのホ・ジュノの父ちゃんだ。
お父ちゃんの方が息子よりも二枚目かも。息子さんはちょっと悪役面ですから(笑)。
まぁいろいろあってなんとかなるという、往年の木下恵介アワーみたいなほんわか喜劇でした。お国や時代は変わっても、人情はあんまり変わらないということがよ〜くわかりました。

●私の頭の中の消しゴム●2005/12/8(錦糸町シネマ
2004年 韓国映画 監督/イ・ジェハン 出演/チョン・ウソン ソン・イェジン 他
日本のドラマのリメイクらしいが、そのドラマを見ていないので対比しての感想はない。
主演のソン・イェジンちゃん、清純っぽいけど、ちょっとエッチっぽいとこもあってなかなか良いのではないだろうか。
で、肝心の映画なんですが、愛する人が病に倒れたら、さて貴方ならどうするという物語。しかしこれが某漫才コンビじゃないけど、全体に『あま〜〜〜い』。あますぎ〜〜る。
見る前は、もしかして劇場で涙ボロボロになったらどうしようかと思っていたけど、その心配は全然なかった。横で見ていたバアサンは中盤はずっとイビキをかいて熟睡していたくらいだ。このバアサン、前半の二人の出会いのシーンあたりで寝たから、起きたときはすでに病が二人を引き裂いていたわけで、はたして物語の辻褄はわかったのだろうか、それが心配だ。
それにしても、ボクが行く映画館はイビキ客が多いのはなぜなんだろう。
イビキが気になるくらいだから、観客の少ない小さな映画館ばかりに行っているということなんでしょうか。

●多羅尾伴内 十三の魔王● 2005/11/29(ラピュタ阿佐ヶ谷
1958年 東映 監督/松田定次 出演/片岡千恵蔵 高峰三枝子 進藤英太郎 志村喬 高倉健 他
ごぞんじ多羅尾伴内シリーズ第十作。珍しく志村喬が悪役で、片岡千恵蔵とのアクションは相撲が基本(笑)。
映画を見る前にラピュタ阿佐ヶ谷の受付で、ラピュタ娘とチケットを買うジイサンがなにやら言い合っていたので聞き耳をたててみたら、次のような会話が聞こえてきた。
ジイサン「なんだよ、この映画館は入場料払って1本しか見られないのかよ」
ラピュタ娘「はい、完全入れ替え制です」
ジイサン「じゃあ、きょうの4本を見たら4800円必要なのかい」
ラピュタ娘「はい、3回券で割引もございますが」
思うに、ジイサンは昔の3本立ての上映のつもりでこう言ったんだろうし、若いラピュタ娘はそんなことは知らない年齢で、ジイサンの言う意味がわからなかったんだろう。
で、上映がはじまったら場内割れんばかりのイビキがきこえてきた。結局ラストまでそのドルビーサウンドイビキはやむことはなかった。もしかしてあのジイサンだったのかも。

●親切なクムジャさん ●2005/11/15(シャンテシネ)
2005年 韓国映画 監督/パク・チャヌク 出演/イ・ヨンエ チェ・ミンシク ソン・ガンホ シン・ハギュン他
パク・チャヌク監督の復習三部作のラストを飾る作品。
イ・ヨンエ嬢、美しいです。監獄のトイレにしゃがんでも、ケーキに顔をうずめても、サルグツワをされても、とてもきれいです。
ちょっと蛇足じゃないかなみたいな、韓国映画らしい過剰さが随所にあって、観客はいやおうなしにグイグイおされて画面にひきこまれていきます。
パク・チャヌク監督作品でおなじみの、あの顔この顔がカメオ出演しているのも、お楽しみのひとつ。
クムジャさんが服役中の、同房のメンバーたちがひとくせもふたくせもあり面白い。番外編として獄中編も見てみたい気もするくらいだ。

●東京五人男●2005/11/11(東京国立近代美術館フィルムセンター
1945年 東宝 監督/斎藤寅二郎 出演/古川緑波 横山エンタツ 花菱アチャコ 石田一松 柳家權太樓 高勢實乘 他
まず、入って場内がほぼ満員の入りにびっくり。映写開始とともに拍手も起こる。しかしその後がいけなかった。横に座ったジイさんは場内が暗くなったとたんに高いびき。時々自分のいびきの大音量で目をさますがまた再び大いびき。場内に笑いが起きたらその声に反応して起きて笑っている。見てないのに笑うなよ。
ロケシーンでは東京の焼跡がひろがっていて、映画が終わったあと国際フォーラムから丸ビル方面へ向かうイルミネーションがまぶしい通りを見ていると、60年前の映像とだぶってきて不思議な気持ちになる。
映画の内容は、死んだと思われお葬式まで出されてしまった五人の男たちが、終戦後に焼跡の東京に戻ってきて、土地持ち資産家の社長や、杓子定規な役人、猾い商売人のオヤジなどと戦い勝利するというもの。
劇中、燃料アルコールを飲んで首が曲がるシーンがある。目がつぶれるというのは聞いたことがあったが、首が曲がるとうのははじめてだ。 「あのねオッサンわしゃかなわんよ」で有名な高勢實乘が出るというので期待したのだが、そのセリフはなかった。

●絹代の初戀●2005/11/9(東京国立近代美術館フィルムセンター
1940年 松竹 監督/野村浩将 出演/田中絹代 佐分利信 河野敏子 他
十五年戦争の最中の映画だが戦争色はまったくない。
煎餅屋の長女絹代は日本髪を結ってるし、予備知識なしで見たのでいったいいつの時代なのか最初はめんくらってしまった。次女の河野敏子は、着物は着ているものの日本髪ではない。
これがデビュー作の河野敏子は溌剌として新しさがある。そんな彼女に興味を持つ勤め先の上司が佐分利信。
ややぼけはじめている父は長年勤めたホテルをクビになり、次女は嫁ぎ、長女はきょうも煎餅を焼く。松竹大船ホームドラマらしい映画だった。しかし、タイトルがすごいね、田中絹代主演で『絹代の初戀』とは。

●月は地球を廻ってる● 2005/11/3(ラピュタ阿佐ヶ谷
1959年 日活 監督/春原正久 出演/岡田真澄 西村晃 坊屋三郎 小沢昭一 他
岡田真澄主演の、広告会社の若い社員が恋に仕事に大活躍する前代未聞のフラフープ映画。取引先のお偉いさんである小沢昭一のゴルフ練習にお供をして、クラブでお尻を叩かれた岡田真澄がクルクル回転するシーンが笑える。
自殺をしかけた女の子を救おうと岡田真澄が部屋に飛び込んで、そのはずみで女の子が襖を破って頭から飛び込むシーンも笑える。
クライマックスのフラフープ大会の賞品が日本一周空の旅というのも印象的。

●闇に光る眼● 2005/11/3(ラピュタ阿佐ヶ谷
1960年 日活 監督/春原正久 主演/川地民夫
大学に弟を行かせたい刑事の兄と、兄に反発してアルバイトをする弟。弟のアルバイト先が実は暴力団のアジトだったことから事件は起きる。
刑事側も暴力団側も出演者が若い。のちにテレビドラマで中年や老年世代の人物を演じた人たちの若き日々を画面で見ることができてなかなか興味深い。もちろん主演の川地民夫も若い!

●おヤエのもぐり医者● 2005/10/28(ラピュタ阿佐ヶ谷
1959年 日活 監督/春原正久 出演/若水ヤエ子 世志凡太 坊屋三郎 森川信 待田京介 他
舞台は若水医院から始まる。医者の父が死んで、その跡を看護婦の資格しかないヤエ子が無資格医療をすることになり大騒動。盲腸の手術に、出産、関節の手術と奮闘します。資格はないけど腕はいいヤエ子、あの大長今にも負けない名女医ぶりを発揮するが、ついに警察に逮捕されることに。
最初の出演者名に待田京介を発見して、どんなのかと思って見ていたがなかなかわからなかった。この人でもない、この人でもないと消去法で残ったのがそうでした。とにかく若い!
ちんどん屋の親方役で坊屋三郎が出で、なぜかあやしげな中国人風の言葉をあやつる。何か意味があるのかと思ったらべつに意味はなかったみたいでした。
おヤエシリーズの常連の森川信の頭に毛があるのが、いまだに違和感がある(笑)。

●おヤエの初恋先生● 2005/10/28(ラピュタ阿佐ヶ谷
1959年 日活 監督/春原正久 出演/若水ヤエ子 藤村有弘 森川信 沢村みつ子 他
ヘルシンキ五輪で活躍したらしい、体育教師おヤエ先生の奮闘物語。その名も若水ヤエ子!
赴任した高校の悪ガキグループの紅一点沢村みつ子がブルマ姿で歌います。
前任教師の藤村有弘に告白するおヤエ先生がいじらしい。女中でもいいから傍においてほしいと頼む時に「女中なら経験あるから」と自らを売り込むのが爆笑モノ。
実はこのおヤエシリーズ本作が最終作で、これまでさんざん女中役をやっていた楽屋オチでもある。

●この髭百万ドル● 2005/10/25(ラピュタ阿佐ヶ谷
1960年 日活 監督/春原正久 出演/益田喜頓 脱線トリオ 他
B級戦犯で三人の年頃の娘を持つ元軍人を益田喜頓が飄々と演じる。
A級戦犯が大臣になる世の中、家事にいそしむ益田喜頓を、娘たちはコケにする。そんな中、益田喜頓は再び社会に出ていき、その立派な髭でいちやく時の寵児になる。
三人娘のそれぞれの恋人が脱線トリオ(由利 徹、南利明、八波むと志) 。当然のことながら若い。
まぁいろいろあってなんとかなるのだが、この監督の映画はどこか哀愁があって、今見ると心が安らぐ。 当時の映画青年が憧れるようなものではないけど、これはこれで価値のあるものなのだ。

●おヤエの身替わり女中● 2005/10/17(ラピュタ阿佐ヶ谷
1959年 日活 監督/春原正久 出演/若水ヤエ子 藤村有弘 武智豊子 他
福引きで8等賞の下駄がほしかったおヤエさんが1等賞の温泉旅行を引き当てて始まる大騒動。一緒に行くメンバーは藤村有弘扮する若旦那、武智豊子扮するカメラ好きのおばあさん、それに保険外交員のオヤジに、肥満児小学生。
着いた先の旅館にいた女中のお清ちゃんの身替わりに、おヤエさんは旅館で働くことになる。渡辺篤扮する泥棒が金庫から盗む品物が、腕時計にカメラというのが時代を感じさせる。移動の列車内でも旅館の室内でも、登場人物たちがパカパカ煙草を吸いまくるのが、これまた時代を感じさせる。
温泉旅館なのでおヤエさんの入浴シーンがある。「おヤエの家つき女中」でも入浴シーンがあったが、もしかしておヤエさんの入浴シーンは、このシリーズの密かなウリだったのだろうか。
哀愁漂うラストシーンは印象的だが、なんだかフーテンの寅さんを思い出してしまった。

●おヤエのあんま天国● 2005/10/17(ラピュタ阿佐ヶ谷
1959年 日活 監督/春原正久 出演/若水ヤエ子 藤村有弘 森川信 柳沢真一 他
貧しい法科の大学生の弟の面倒をみるために、おヤエさんはあんまになる決心をして国家試験取得のために学校にも通いはじめる。やがて弟もおヤエさんも無事に卒業するが、おヤエさんは柳沢真一扮する結婚詐欺師に騙され自殺をはかるが、奇跡的に助かりあんまとしての生活を始める。
あんまのお客の藤村有弘とおヤエさんのかけあいに注目したい。ついでに、上映前に入り口付近に立っての肉声によりお知らせを伝えるラピュタ娘にも注目したい。客席に注目したらきょうも快楽亭ブラックのお姿を発見した。

●おヤエのママさん女中● 2005/10/11(ラピュタ阿佐ヶ谷
1959年 日活 監督/春原正久 出演/若水ヤエ子 柳沢真一 森川信 武智豊子 清川虹子 他
東北から上京してきたおヤエが女中として住みこんだ家で、ふとしたことからママさんになりすますことになり大騒動。
田舎から上京した森川信が、深夜隣の部屋の夫婦の会話に聞き耳をたてようと寝室を移動する時、寝ている子供の体を踏むギャグが凄い!
冒頭シーンの上野駅に入ってくるSLの勇姿にほれぼれする。住宅街や幹線道路を走るデビューして間もないスーパーカブの姿もりりしい。
ラピュタ阿佐ヶ谷らしく、落語家で日本映画にも造詣の深い快楽亭ブラック師匠の姿を場内で見かけた。

●おヤエの家つき女中● 2005/10/11(ラピュタ阿佐ヶ谷
1959年 日活 監督/春原正久 出演/若水ヤエ子 柳沢真一 森川信 武智豊子 小沢昭一 他
長年奉公したごほうびにご主人から家をもらいうけることになった女中おヤエ。
しかしもうすこしローンが残っているので一年計画で貸間をして資金を調達することになり、貸間に住むことになる3組の住人との一年間のてんやわんや騒動が展開する。
おヤエさんの入浴シーンもみものかも。
果たして、おヤエは晴れて自分のものになった家の庭に、家紋入りの旗を掲げることができるのか。
ラピュタ阿佐ヶ谷らしく、この映画にも出演されている小沢昭一さんの姿を場内で見かけた。

●チャーリーとチョコレート工場●2005/9/15(錦糸町シネマ
2005年 監督/ティム・バートン 出演/ジョニー・デップ 他
チョコレート工場に招待された5人の子供たちとそれぞれの付き添いをあわせた計10人は、チョコレート工場主ミスターウォンカの出迎えを受ける。さぁ、めくるめくチョコレート工場にようこそ!チョコレート工場は夢か幻か!
そうそうチョコレート工場を支えるウンパ・ルンパも忘れてはならない。彼らの歌と踊りを見ていると、昔ビートルズが制作したマジカルミステリーツァーを思い出してしまいましたよ。
この映画で一番印象に残ったのは、チョコレート工場でも、招待された子供たちでもない。招待された子供たちの一人のチャーリーの家は貧しく、両親のそれぞれの父母、つまり爺婆×2=4人がひとつのベッドに向かい合ってふとんをかけて座っているのだが、これがどうみてもコタツ。ロンドンの貧しい人々はコタツをつかっていたのかァと一瞬思ってしまいました。
僕の子供の頃はチョコレートは高価だったので、たまに食べるときもチビチビとなめてたもんです。その頃の夢は、大人になったらチョコレートを一枚バリバリと噛んで食べたいというものでした。それとバナナも高価だったので、やはり大人になったらバナナ一房を一人でむしゃむしゃ食べたいというものでした。大人になってチョコレートを一枚バリバリと噛んで食べたり、バナナ一房を一人でむしゃむしゃ食べたりしましたが、子供の頃の夢を実現したのに、そんなにうれしくありませんでした。やはり子供時代の夢は子供時代に実現してこそ喜びがあるのでしょう。この映画のミスターウォンカの場合はどうだったのでしょうか。
もし子供時代の僕が、チャーリーのチョコレート工場に招待されたらどうしたろうかなんて考えながら映画を見ていました。チョコの川に飛び込むか、リスにかまれるか、体が風船のようにふくらむか、テレビの中に入ってしまうか。う〜ん。

●南極日誌●2005/9/1(シネカノン有楽町
2005年 韓国映画 監督/イム・ピルソン 出演/ソン・ガンホ ユ・ジテ カン・ヘジョン他
この映画、南極探検隊の男6人と基地の女1人の計7人だけが生きた人間の出演者で、舞台は南極。限られた出演者と、限られた場所の設定なら、映画じゃなくて舞台のほうが面白かったような気がしないでもない。
シネカノン有楽町は初めて行ったのだが、寒かった。冷房効き過ぎ。
今思うと画面がブリザードのシーンになったら一段と冷気がきつくなったから、もしかしてこれは観客へのサービスだったのかも。でも、とにかく寒かった。
終映後、外に出て残暑の太陽を浴びても、芯から冷えた体には全然熱が伝わってこない。近くにあったベトナム料理店に入って、熱い熱いフォーを食べたらやっと体に体温が戻ってきた。
南極探検隊の気分が少しだけわかったような気がしました。
そんなこんなで映画の内容はあまり覚えていない。これも死んでいった過去の亡霊の呪いだろうか。
唯一印象に残っているのは基地で探検隊と交信するカン・ヘジョンちゃん。『オールド・ボーイ』で女寿司職人を演じた彼女、今回はひとりぼっちで交信する女隊員でがんばってます。

●亀は意外と速く泳ぐ● 2005/8/3(テアトル新宿
2005年 監督脚本/三木聡  出演/上野樹里 岩松了 カメ他
映画が終了するやいなや、隣に座っていた若い女性二人組のうちのひとりが「ちょーくだらない」とつぶやいた。まぁ、そう言ってしまうとみもふたもないですが、たぶん彼女にとっては褒め言葉なんでしょう。
平凡な主婦がひょんなことからスパイになって、公安との息詰まる戦いが展開する、なんてことは全然なくて息が抜けっぱなしのエピソードがダラダラと続く楽しさよ、あ〜どすこい。
この映画のタイトル通り亀は意外と速く走る。あっ、今の今までワタクシ、この映画のタイトルを『亀は意外と速く走る』だと思ってました。走るじゃなくて泳ぐだったんですね。でも亀って走るのも意外に早いんですよ、これが。
以前ミシシッピアカミミガメを狭いベランダで飼っていた頃のことなんですが、ワタクシがベランダとの境の網戸を急にあけたところ、そこにいた亀と出合い頭で踏みつけそうになったんですよ。その時の亀の逃げ足の早さには瞠目してしまいましたよ、まったく。
その亀くん、飼いはじめたころは指でつまめるくらいだったのに、長じて片手では持てないくらいになるは、満月の晩に卵を産むはで、近所の池に放流してやろうかと算段していたところ、環境問題に詳しい友人から外来種を勝手に放すと在来種を圧迫して生態系の破壊になるなんていうもんだから、しかたない寿命が尽きるまで飼ってやるかと決心したんですが、なんと昨年永遠の眠りについてしまいました。
日本の気候風土では長生きできなかったんでしょうか、冥福を祈るばかりです。
映画に話をもどしましょう。
主人公はスパイですから、敵役は公安です。この公安のデスクにはなぜかPowerBookがあります。べつに意味はありません。
主人公の父親役の岡本信人さんの浮き世離れした雰囲気と、主人公の憧れの君の要潤のヘアスタイルがとても印象に残ったのでありました。

●マラソン● 2005/7/14(錦糸町シネマ
2005年 韓国映画 監督/チョン・ユンチョル  出演/チョ・スンウ キム・ミスク
ポスターにはタイトルの『マラソン』と、『五歳の知能の二十歳の青年、ぼくは走っている時がいちばん幸福です。』というコピー。(注:筆者の直訳)
更によく見ると『マラソン』のハングルの綴りが正規のものとは違っています。単なる誤記ではなく、実は映画を見るとわかる仕掛けになっています。ハングルの辞書がある人は確認してみてください。
走ることが大好きな自閉症の青年チョオン、その母、その弟、その父(やや影が薄い)、コーチ、シマウマ模様のスカートの女性。そんな人々が織り成す感動ドラマの謳い文句に嘘はない。
なんだかんだあって、チョオンはフルマラソンに挑むことになり、その日弟は初めてチョオンのことを『ヒョン!(弟からみた兄)』とよぶのだった。スタート地点で母の手から離れていくチョオン。
泣けます、ホントに。
だのに、だのに、後半のいいところで途中入場したおばちゃんが、座席でなんだかモジモジと体を揺するもんだから、周りの座席もグラグラ揺れて画面に集中できなかったんですよ。
それにエンディングになったとたんいきなり立って退場するおばちゃん約二名。余韻をこわすなよ〜。
もしかしたらこの二人は韓国の人かもしれない。それならしかたないとあきらめる。なんでか知らないけど韓国の映画館ではエンディングはほとんど上映されずにすぐに場内は明るくなって幕も閉められ、観客もすぐに席を立ってしまうのが普通みたいですから。
この映画、韓国の映画賞を総なめしたというのもうなずける。最近泣いていないアナタはぜひどうぞ。

●彼女を信じないでください● 2005/7/13(キネカ大森
2004年 韓国映画 監督/ぺ・ヒョンジュン 出演/キム・ハヌル カン・ドンウォン
仮釈放中の女詐欺師ヨンジュと偶然列車の向い側の席に座った薬剤師ヒチョル。
運命的な出会いの二人がいろいろあってなんとかなる他愛ない作り話といってしまえば身もふたもないが、こーゆー映画が好きな人はとても楽しめる一編。もちろんボクもたっぷり楽しませていただきましたよ。

●勢揃い江戸っ子長屋● 2005/6/6(ラピュタ阿佐ヶ谷
1958年 東宝映画 監督/斎藤寅次郎 出演/三木のり平 有島一郎 森川信 ミヤコ蝶々 由利徹 益田キートン 若水ヤエ子 堺駿二 トニー谷 南利明 柳家金語楼 他
古典落語の長屋ものを下敷きに、お笑いオールスター大挙出演の豪華版。
なんといっても出演者がみんな若い。ボクが子供の頃見ていたのは、この人たちの晩年の姿だからなんだか新鮮にうつる。ミヤコ蝶々なんか、現在の女子柔道谷亮子選手にそっくりだ。
くず屋役の三木のり平に、長屋のつまみ者馬吉役の由利徹が、注ぎ口のとれた土瓶を無理矢理押し付けようとして言う『土瓶に口なし』のダジャレがばかばかしくて笑ってしまった。

●びっくり三銃士● 2005/6/1(ラピュタ阿佐ヶ谷
1952年 松竹映画 監督/斎藤寅次郎 出演/大木実 伴淳三郎 清川虹子 堺駿二 田端義夫 他
住宅街の中にある、座席数50の小さな映画館。 屋根には風見鶏、壁は植物で覆われ、虫もとびまわる。そんな外観がなかなかシブイ。
場内アナウンスも館内放送じゃなくて、オネーサンが客席に向かって直接よびかけます。説明後はオネーサン自らカーテンをひいて場内は暗くなり上映開始とあいなる。
斉藤寅次郎特集の一本『びっくり三銃士』が本日のお目当て。
伴淳三郎、田端義夫、堺駿二、清川虹子、大泉滉、等の若き日の姿が画面を飾ります。
さて、この中でご存命の方はどなたでしょう?
伴淳三郎が、時折「あじゃ」とか「ぱァ」とか発するがまだ両者は合体していない。「あじゃぱー」誕生まではもう少しの時間が必要だったのだ。

●ひとまず走れ● 2005/5/26(キネカ大森
2002年 韓国映画 監督/チョ・イソク  出演/ソン・スンホン イ・ボムス クォン・サンウ キム・ヨンジュン 他
テレビドラマでクォン・サンウの人気が出たものだから3年前の作品を今頃公開したんでしょうか。
この韓流ブームがなかったらお蔵入りしてた映画のような気がします。
三人の高校生の目の前に大金が転がり込んできて、ひとまず走れ!ってな映画です。この事件を追っかける刑事も走ります。どっちかつーと、三人組高校生よりも、この刑事と上司の課長コンビのほうが面白いキャラクターで、この二人を中心にした映画を見てみたい気もします。
冷静に考えると3年前でもこの三人が高校生を演ずるのは無理があります。ソン・スンホンはわけありで20歳という設定です。字幕では20歳と出てましたが、セリフでは21歳と言っていたような気がします。韓国は年齢を数え年で言うからそうなったのかも知れません。
別件で刑事が犯人を逮捕して地下鉄で護送するハメになり、犯人がタクシーに乗せろというのですが、これは模範タクシーに乗せろとわめいてました。一般タクシーよりは高くてサービスのいい模範タクシーの存在を知らないとよくわからないので、字幕では模範タクシーとはなってませんでしたが。
数年前なら、平日午前の韓国映画なんて片手で数えるくらいの観客数が相場でしたが、開場前からアジュモニ達が並ぶのを見て、やっぱりブームなのかと変な実感をしたのでした。

●甘い人生● 2005/5/12(錦糸町シネマ
2005年 韓国映画 監督/キム・ジウン  出演/イ・ビョンホン シン・ミナ エリック他
『クワイエットファミリー』、『反則王』 等のコメディーでも定評のあるキム・ジウン監督のフィルム・ノワール。
昔のフランス映画ならアランドロンが演りそうな役をイ・ビョンホンが好演するんだけど、この主人公は不死身なんじゃないかと思うくらいしぶとい。
手を潰され、生き埋めにされ、ナイフで刺され、銃で撃たれ、普通ならすぐに死にそうなところなのに、キッチリ最後まで仕事をやりとおすのが凄い。
しかしこれだけ痛めつけられたら、甘い人生じゃなくてかなり辛い人生ですよねぇ。
全編血みどろの画面が続くなか、息抜きのように笑わせてくれるのが、武器の売人グループ。銃を買いにきたイ・ビョンホン扮するソヌの前で喧嘩をしはじめるわ、事務所で銃の組み立て方を教えてくれる時にアタフタしたり、なんかそこだけ全体のトーンと違った画面で妙におかしい。
売人グループのボスが、故ハナ肇のアッと驚くタメゴローみたいなかっこうなんだけど、ほっぺたの感じがソン・ガンホみたいなんだよねぇ。キム・ジウン監督の映画にはこれまでにも出演しているからもしかしたら彼なんでしょうか?エンディングの出演者のハングルがとても小さくて確認はできなかったけど、実際はどうなんでしょう。
『美しき日々』でイ・ビョンホンの妹役だったシン・ミナ、『オールイン』でイ・ビョンホンの少年時代を演じたチン・グが出たりと、イ・ビョンホンのテレビドラマファンにも楽しめるキャスティング。
それにしても、あれはソン・ガンホなのかなぁ、やっぱりちがうようなぁ。とても気になる。

●資本主義党宣言-万国の労働者、蓄積せよ!● 2005/3/8(シアター・イメージフォーラム
2003年韓国映画 韓国インディペンデント映画2005上映作品 監督/キム・ソン、キム・ゴク  
ポルノビデオを売る貧乏チンピラのプジャが主人公。たぶん漢字で書くと富者。富者なのにおカネがない。資本主義でおカネがないのは病気みたいなもんだと思ってるんだろうか、このオトコ。たぶんそんなに複雑な考えはしていないだろう。
ブタがやたらと登場するが、おカネと発音が似ているので出てくるんだと思う。カタカナで書くとどちらも『トン』。日本人が、この『トン』という発音をすると、ウンコの意味にもとらえられがちだから注意したい。まァ、資本主義においては、おカネもブタもウンコも同じようなもんだからいいような気もしますが。 その他の登場人物は、プジャと援交する女子高生、プジャの兄貴分3人、この3人とバクチをして負ける娼婦、売春宿の厚化粧の売春婦など。
兄貴分の男たちがばくちをしながらたむろしているアジトに、プジャが帰ってくるシーンや、宝くじやら食料やら酒やらを買い物をするシーンが何度も何度もくりかえされる。結局、最後までそれだけだと言っても過言ではない。しかしその状況は微妙に違っている。兄貴分の男たちの服装が変化していたり、壁のカレンダーが変わったり、テレビのサッカー中継がワールドカップだったりオリンピックだったり、時にはアジトと売春宿が交錯している場面すらある。
場面はちがっても何度も繰り返されるセリフは同じだから、朝鮮語学習者の聴き取りのレッスンにはいいかもしれない。オルマエヨ、は朝鮮語をまったく知らない人でも耳に残るだろう。これは、『いくらですか?』の意味だから韓国の市場で買い物をする時に役立つ。 韓国での買い物は値切るのも楽しみのひとつ。ここで役立つ言葉も何度も繰り返される。『ウェ イロッケ ピサッジョ』がそれ。直訳だと、『どうしてこんなに高いのですか?』。とりあえずそう言えば、市場のアジュンマがもしかしたらまけてくれるかもしれない。
はっきりいって画面は単調で退屈する観客もいたが、それを補ったのが、歪んだ音のギターサウンド。何かの映画でニールヤングのギターがジャラーンと効果的に使われたことがあったが、そんな感じを受けるくらい印象に残った音だった。
ところでこの作品、翻訳が根本理恵さんだったが、独立系映画では珍しいんじゃないだろうか。ということは、この映画の一般公開もあるのかも。

●やってはいけません●2005/3/7(シアター・イメージフォーラム
2003年韓国映画 韓国インディペンデント映画2005上映作品 監督/キム・ギョンマン 
過去の映像のコラージュでベトナム戦争とイラク戦争の類似性を提示する映画。冒頭と末尾に出る兵士のキャラクターでユーモラスな印象を与えるが、本編は死体がゴロゴロ出て来る戦争の一端を観客に見せて、強烈な印象を残す。

●暗い部屋●2005/3/7(シアター・イメージフォーラム
2001年韓国映画 韓国インディペンデント映画2005上映作品 監督/チャン・ミニョン  
最初から最後まで水がスクリーンを覆う。音声はない。そのぶん場内の観客の咳払いや体を動かす際の音が、映画のサウンド効果になったみたいな気がする。この画面、何かに似てると思ったらiTunesのビジュアライズをオンにして音量をゼロにした状態にソックリ。

●そのとき●2005/3/7(シアター・イメージフォーラム
2002年韓国映画 韓国インディペンデント映画2005上映作品 監督/チャン・ミニョン  
赤ちゃんの体のドアップで赤ちゃんの息遣いを画面にあふれさせる一編。

●ランナーが孤独を愛するとき●2005/3/7(シアター・イメージフォーラム
2004年韓国映画 韓国インディペンデント映画2005上映作品 監督/キム・チョングク  
上映後、会場で観客との交流の場で監督がおっしゃるには、この映画は約2時間で撮られたとか。いくら6分の短編とはいえ凄いもんだ。いや、ボクは映画を監督したことないから、そのへんはよくわからないが、なんだかビックリしてしまった。2時間といえば、だいたい男子フルマラソンと同じくらいじゃないですか。この映画のランナーはフル○○マラソンですが(笑)。監督は、ランナーの役をやりたかったがおなかが出ているから、やらなかったと冗談をおっしゃってました。

●春を待ちながら●2005/3/7(シアター・イメージフォーラム
2003年韓国映画 韓国インディペンデント映画2005上映作品 監督/チョン・スヨン  
本日第一回目のIプログラムの中ではいちばんオーソドックスな作品で、逆にこういう映画イベントの中では目立ってしまうから面白い。韓国とアメリカに離れて暮らす老姉妹のビデオレターがメインの情の深い作品。原題は『春が来たら』だったと思うが、この老姉妹に春がきたのだろうか。監督は、たぶん韓国にいるほうの老女のお孫さん。このおばあちゃんはその後亡くなったようだが、死の前に妹と会えたのだろうか。再会を約束したシーンはあるが再会したシーンはない。アメリカの妹は姉からの手紙を保存していたが、姉は身辺整理で全て消却したと言っていたのが印象的だった。

●第三言語●2005/3/7(シアター・イメージフォーラム
2003年韓国映画 韓国インディペンデント映画2005上映作品 監督/ソン・クァンジュ  
言語帝国主義をテーマにした若い女性監督の意欲作。もしボクが若くて映画の才能があったらこんな映画を作ってみたい気がするが、今のボクは若くもないし映画の才能もないのでこんな映画は撮らない。

●パンク・イーク●2005/3/7(シアター・イメージフォーラム
2004年韓国映画 韓国インディペンデント映画2005上映作品 監督/ソン・クァンジュ  
女性とのデートの場所をクラシック音楽喫茶に決めた男は、音楽に関してあれこれ考えつつクルマを走らせる。音楽界 の三大Bがバッハ、ベートーヴェン 、そしてバーグナー?思い始めて混乱してしまい、書店に飛び込み調べる男の行動が笑える。答えは、たぶんブラームス。

●てなもんや三度笠●2005/2/18(東京国立近代美術館フィルムセンター
1963年東映 監督/内出好吉 出演/藤田まこと、白木みのる、喜味こいし、平参平、大村崑、大泉滉、芦屋雁之助、芦屋小雁、トニー谷、花菱アチャコ、茶川一郎、若水ヤエ子、夢路いとし、喜味こいし、坂本スミ子、鉄砲光三郎他
毎週日曜午後6時からの前田製菓提供『てなもんや三度笠』を見たあとは『シャボン玉ホリデー』というのが定番だった人は256%楽しめる一編。
劇場版が5本も作られたとは知らなかった。本作はその第一作目。
平参平の「ア〜ホ〜」、大村崑のずり落ちる眼鏡、茶川一郎のオカマ芸者、トニー谷のリーゼントちょんまげ等々、もう涙ちょちょぎれそうなシーンが続出する。赤木春恵が若妻役で出ているくらいだからずいぶん前の映画だと実感できる。なにしろ40年以上前の映画ですから。
画面もカラーじゃなくて白黒でした。テレビ放送版も白黒だったような気がするが、我が家のテレビが白黒だっただけで、放送そのものはカラーだったのかもしれない。

●もし、あなたなら〜6っつの視線●2005/1/24(新宿武蔵野館
2003年韓国映画 製作/韓国人権委員会 人権をテーマにしたオムニバス映画6本。
●彼女の重さ
監督/イム・スルレ
就職活動中の女子高生たちは、美容整形やダイエットに励む毎日。ちょっと太目のソンギョンもそんな一人で、二重まぶた手術を受ける決心をする。といった流れでいつのまにかエンディングになってしまい、なんだか肩すかしをくった気がしたが、その後のメイキングシーンでイム・スルレ監督が登場して、ズンとこの映画のテーマの重みが増したのだった。くれぐれも、エンディングの途中で席を立たないように。
●その男、事情あり
監督/チョン・ジェウン
この作品も「彼女の重さ」と同じく女性監督。物語は近未来の高層マンション。オネショをした少年は罰としてパンツなしで近所の人から塩をもらってくるように、母から命じられる。オネショの罰に、塩をもらってくるというのは韓国では普通のことなのだろうか。それを考えると夜も眠れなくて、オネショをする暇もないのだった。
●大陸横断
監督/ヨ・ギュンドン
脳性マヒで歩行も不自由な青年は、ある日、歩いて大陸を横断する決意する。
その大陸とは、光化門の交差点だった。
●神秘的な英語の国
監督/パク・ジンピョ
英語の発音が完璧でない9歳の息子の舌を手術することにした両親。
手術シーンがかなりリアル。
●顔の価値
監督/パク・クァンス
接客態度の悪い葬儀場の美人駐車場係と男性ドライバーの口論は果てしなく続く。
駐車場を何度も出たり入ったりした挙げ句に、男性ドライバーの見たものは、ある顔だった。
●N.E.P.A.L平和と愛は終わらない
監督/パク・チャヌク
ネパール人女性チャンドラ・クマリ・グルンは精神障害者と間違われ、なんと6年4ヶ月もの間韓国内の精神病院をたらいまわしされてしまった。顔が韓国人そっくりな上、ネパール語は精神障害者のしゃべる韓国語に聞こえるという理由なのだが、このエピソードが実話を元にしているときいてまたビックリ。

●ネバーランド ●2005/1/20(錦糸町シネマ
2004年米国英国映画 監督/マーク・フォースター  出演/ジョニー・デップ ケイト・ウィンズ  ダスティン・ホフマン 他
ピーターパンの作者ジェームズ・バリをジョニー・デップが演じる感動の一編。
なんですが、錦糸町シネマのサイトではこの映画に関するテキストがすべてジョニー・チップになっている。これじゃあなんだかポテトチップか木屑みたいな気がする。
具体的な物語は例によって省略する
大空に浮かぶ凧、劇場の宙に浮く役者、なんだか浮遊する物や人を見ると涙が出てしまった。極めつけが、ピーターパンと子ども達の飛翔シーン。なにか画面に仕掛けてあったのかと疑いたくなるくらいジンとくる。観客の、飛びたい気持ちをうまくすくっているのだろう。
ジェームズが、少年ピーターに「一流作家は革の表紙の立派なノートを使う」というシーンがあるが、ほんとジェームズは手に馴染みそうないい手帳を使っていてほしくなってしまった。いいノートを持つとそれだけでいい気分になれるのは、文房具好きならよくわかる。


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