★2008年篇★

超お手軽映画感想文です。原則として映画館で見たものが対象です。
記憶違い、勘違い、思い込みも、た〜くさんあるのであんまり参考にはなりません。

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年度INDEX

●インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国●2008/6/24(TOHOシネマズ錦糸町
2008年 アメリカ映画 監督/スティーヴン・スピルバーグ 製作総指揮/ジョージ・ルーカス 出演 ハリソン・フォード カレン・アレン他
何の説明もいらない映画のひとつ。
創刊されてから10年前後のころの少年サンデーや少年マガジンの読み物ページで、怪奇冒険怪異談があったが、まさにあれの実写版。
でも...核爆発から身を守るために冷蔵庫に入って助かるってエピソードには、被爆国の人間としては、全く感情移入ができなかった。
娯楽映画なんだから、そんな細かい点は気にしなくていいのだろうが、ああやっぱりアメリカ映画なのだ、と思えるシーンだった。
映画を見終わったあと、ソフトバンクショップの前を通りかかり、いよいよiPhone G3が来月発売だとウキウキした気分になったが、iPhoneはアメリカの製品なのに気づいて、少しばかりうつむき加減で通り過ぎる、梅雨の晴れ間。

●人質●2008/5/29(東京国立近代美術館−フィルムセンター小ホール
2006年 ラトビア映画 監督/ライラ・バカルニニャ 
EUフィルムズデー2008の一本で、はじめて見たラトビア映画。もちろんセリフはラトビア語。字幕は英語。観客の思考は日本語。かなり混乱する。
物語の大筋は、ハイジャックされた飛行機の中で人質になった少年が、犯人が要求するお金のついでにチョコレートもリクエストしたり、しまいには民族音楽フェスティバルみたいなものを飛行機の前でやらせてしまう、というもの(だったような気がする)。
その間、機内ではハイジャック犯と、父子のように遊んだりもする。ラストシーンでは、素晴らしい合唱を飛行機の窓から楽しげに外を眺める二人だったが、ラトビアはバイアスロンも盛んなのだった。二人の運命やいかに。
たぶん、こんな感じで、大筋は合ってるはず。
何度か現れる、カメラの位置が地面すれすれのシーンが印象的で、地面を這っている動物たちからの視点のような画像が新鮮。
まるで、人間のばか騒ぎを冷ややかに見つめる動物が、カメラマンのような映像。
ラトビア語のシーンでは簡潔な英語字幕が出るので、なんとなく大意はつかめるが、英語のシーンは字幕なしなので、もしかしたら映画の内容を誤解しているような気がしないでもない。

●肉付の面●2008/5/27(東京国立近代美術館−フィルムセンター大ホール
1922年 牧野教育映画
嫁いびりの鬼姑が、鬼の麺をつけて嫁をいじめたところ、鬼面がとれなくなるという話の映画。
この話を、子供の頃、聞いたか読んだかした時は、その姿が目に浮かんで怖かったのを思い出した。

●妙好人傳 大和の清九郎●2008/5/27(東京国立近代美術館−フィルムセンター大ホール
1922年 東本願寺映画班
子供にもからかわれるくらいのお人好しの清九郎さんを描く。

●光を仰ぎて●2008/5/27(東京国立近代美術館−フィルムセンター大ホール
1932年 協立映画プロダクション 監督 金森万象 
全体で15分しか残っていないので、詳細は不明だが、酒飲みで女遊びが激しい画家と、夫の更生を信じるその妻の物語らしい。

●腹籠りの聖教 信の巻●2008/5/27(東京国立近代美術館−フィルムセンター大ホール) 1934年 本派本願寺 
蓮如さんに関するエピソードの映画化。火の中に飛び込むわ、生首は差し出すわ、衝撃のシーンの連続。

●無限の寳●2008/5/27(東京国立近代美術館−フィルムセンター大ホール
1936年 振進キネマ社 監督 井上麗吉 
まじめに働き納税しましょうよとの啓蒙映画。酒飲みの漁師、カメラマンに転身する農民、樺太に行って成功する商人、皆さんいろいろあって、なんとかなりましたとさ。

●法廷哀話 涙の審判 ●2008/5/7(東京国立近代美術館−フィルムセンター大ホール
1936年 大都映画 監督 吉村操  出演 琴糸路、佐久間妙子、他。
鬼姑と美人嫁の間に立つ海軍軍人の夫が妙に弱気で、悲劇が起こり二人の生命が失われる。
妻役の佐久間妙子が美しい。死に顔も綺麗。

●怪電波の戦慄 第二篇 透明人間篇●2008/5/7(東京国立近代美術館−フィルムセンター大ホール
1934年 大都映画 監督 山内俊英  出演 藤間林太郎、夢路妙子、水原洋一、四方利男、小笠原隆、井津久辰夫、水島道太郎、他。
電波で操れるロボットを巡り、正義と悪の戦いが繰り広げられる。でも全然手に汗はにぎらない展開。なんといってもこのロボットが役に立ちそうにない姿で、感情移入ができない(笑)。
往年の森田拳次先生のマンガに出て来る、ボロットみたいな奴で、映画の中では「人間タンク」とよばれている。

●発掘されたアニメーション映画 ●2008/4/24(東京国立近代美術館−フィルムセンター大ホール
なまくら刀(塙凹内名刀之巻)[デジタル復元版](2分・16fps・35mm・無声・染色)
1917年 小林商会 (画)幸内純一
松本夏樹氏の提供による、現存最古の劇場公開用アニメーション。
なまくら刀で辻斬りを試みるも、逆に相手にやっつけられてしまう短編で、今見ても面白い。

浦島太郎[デジタル復元版](2分・16fps・35mm・無声・染色)
1918年 日活向島 (画)北山清太郎
アッと言う間にお爺さんになる短編。

漫画 瘤取り(10分・24fps・35mm・無声・染色)
1929年 横浜シネマ商会 監督 青地忠三(画)村田安司
これも今ではかえって新しいと思える作風。踊るお爺さんが可愛らしい。この映画では、瘤をとりあげるのは、鬼ではなく、からす天狗。

火の用心(13分・18fps・35mm・無声・染色)
1930年 横浜シネマ商会 監督 青地忠三(画)村田安司(撮)飯田光治
実写も交えた、防火キャンペーン映画。ラストは割烹着を脱ぐお母さんのシルエットで、ちょっと叙情的。

古寺のおばけ騒動(5分・35mm・白黒)
1936年 日本マンガフィルム研究所 (画)(撮)鈴木宏昌

熊に喰われぬ男(9分・35mm・白黒)
1948年 三幸映画社 監督 オーフジ・ノブロー(大藤信郎)(画)仁間七呂
タイトルが、なんだかもってまわってる。

狐と小鳥(11分・35mm・白黒)
1948年 近代映画株式会社 監督 森野佐登志(原)月村正雄(撮)淺野惠(画)里見修

ガリヴァー奮闘記(9分・35mm・白黒)
1950年 近代映画社 監督 黒田外喜男、小沢重行(原)山口晋平(脚)鳥羽克始(撮)北村一郎(音)小島和夫
納税キャンペーン映画。ガリバーが政府で、ガリバーの食事が税金、というわかりやすい図式。

バクダット姫[最長版](48分・35mm・白黒)
1948年 三幸映画社 監督 芦田巖(原)若林敏郎(脚)芦田宏昌(撮)河西昭治(音)服部良一
砂漠にライオンやら象が出るし、全能の神の像は仁王様みたいだし、お姫様の顔は扁平だし、善玉と悪玉の戦いの背景に龍虎が出現するし、なんか無茶苦茶なエネルギーを感じる。

●レコードトーキーの復元 [全16作品] ●2008/4/24(東京国立近代美術館−フィルムセンター大ホール
飯田雅三さんの寄贈による、サイレントフィルムとSPレコードを同調させる「レコードトーキー」を「トーキー版」として復元した作品群。

月形半平太(14分・35mm・白黒)
1925年 聯合映画芸術家協会 監督 衣笠貞之助 出演沢田正二郎、他
春雨じゃ、濡れていこう。

東京行進曲 (3分・35mm・白黒)
1929年(服部小型映画研究所)

黒ニャゴ[デジタル復元版](3分・35mm・白黒)
1929年(千代紙映画社)(画)大藤信郎

證城寺の狸囃子(3分・35mm・染色)
1930年代初頭 伴野商店 監督 大石郁雄

小馬(3分・35mm・染色)
1930年(日本キネマ商会)

江戸子守唄(4分・35mm・染色)
1930年(岡田嘉子プロダクション)(撮)木村秀勝(歌)関屋敏子(出)岡田嘉子
岡田嘉子が着物でクネクネ踊る。

神田小唄(3分・35mm・白黒)
1930年 十字屋小型映画部 (歌)二村定一(出)岡田嘉子

文部省唱歌 汽車(3分・35mm・染色)
1930年 内藤友彌プロダクション (撮)木村秀勝

マリチヤンノヱホン(6分・35mm・白黒)
1930年(日本キネマ商会)(出)キョウコサン

村祭[デジタル復元版](3分・35mm・染色) 1930年(千代紙映画社)(画)大藤信郎

國歌 君か代(3分・35mm・白黒)
1931年(千代紙映画社)(画)大藤信郎

鼠の留守番(3分・35mm・染色)
1931年(伴野文三郎商店)監督 大石郁雄

おもちゃの汽車(2分・35mm・白黒)
1931年(伴野文三郎商店)(画)西倉喜代次

大きくなるよ(3分・35mm・白黒)
1931年(Iida Pictures)監督 飯田東吉 出演 飯田雅三
寄贈者の飯田雅三さんの幼年時代を撮影した作品。この時代にホームムービーだなんて、きっとお金持ちだったんでしょうね。

茶目子の一日[デジタル復元版](7分・35mm・白黒)
1931年(協力映画製作社) 監督 西倉喜代治
ライオン歯磨きで歯を磨くシーンはタイアップかも。

文福茶釜(7分・35mm・白黒)
1932年(伴野文三郎商店) 監督 大石郁雄

●心中天網島●2008/4/18(東京国立近代美術館−フィルムセンター小ホール
1969年 日本アート・シアター・ギルド=表現社 監督/篠田正浩 原作/近松門左衛門 美術/粟津潔 音楽/武満徹 出演/中村吉右衛門、岩下志麻 他
いかにもATGらしい映画で、1970年前後の映画少年は、なんだか甘酸っぱい懐かしさみたいなものを感じ取れる。
もしかしたら今はなき池袋文芸坐地下で見ているかもしれないが、初見のような気もする。
助監督の一人に小栗康平の名前があったような気がするが、最近目が疲れているので、目の錯覚だったかもしれない。
スクリーンの中では、小松方正、滝田裕介、藤原鎌足など、今では見ることの出来ない人達の姿も目にできる。
ここフィルムセンターの小ホールは、初めて訪れたが、上階の大ホールより座席がゆったりしていて落ち着ける。
なぜか大ホールでは、どんな名作でも必ず大イビキの輩がいるが、小ホールではそんなこともない。客層がちがうのだろうか。
しかし地下深いのか、携帯メールは送信不可だった。単に手持ちのケータイが古すぎて性能が悪いだけかも知れないが。

●ジャズ大名●2008/3/5(ラピュタ阿佐ケ谷
ラピュタ阿佐ヶ谷10周年企画『喜八魂』の1本 1986年 大映 監督 岡本喜八 出演 古谷一行、財津一郎、神崎愛、岡本真実、殿山泰司、本田博太郎、他
の一本。
筒井康隆原作の映画化で、封切り当時や、その後の名画座上映でもなぜかタイミングが悪く見のがしていたものを、やっと見ることができた。
ここんとこ、のんびりと映画を見ていられる状況ではないのに、無理に時間を作って見に行ったが、行ってよかったと思わせる映画だった。
たぶん出ているんじゃないかと思ってたら、やっぱり若き日のタモリや山下洋輔も出ていた。他にもいろんな人が出ているんじゃないだろうか。
クライマックスの城内挙げてのジャムセッション場面ではいったいどれだけの人数が出ているのか、二桁は確実に越えて三桁はいっていると思える。
この映画館に行くと必ず立ち寄る、「キッチン富士」にもひさしぶりに行ったが、いつもヒョウヒョウとした動きで店をきりもりしているおじいさんの姿が見えなかったのは、ちと気にかかる。
お風邪でも召されたのかしらん。

●次郎長三国志 第三部 ●2008/2/28(東京国立近代美術館−フィルムセンター
1964年 東映映画 監督 マキノ雅広 出演 鶴田浩二、佐久間良子、品川隆二、丹波哲郎、中村竹弥、松方弘樹、長門裕之、山城新伍、津川雅彦、藤純子、里見浩太郎 他
第三部というくらいだから、その前に一部と二部がある。四部と五部もあるらしいので、この三部は中継ぎといったところか。
クライマックスの四部五部に向かう前の静かな展開で、一家の看板を掲げたばかりの次郎長一家の日常がほのぼのした感じで楽しい。
次郎長夫婦のなれそめを語るシーンなど、ラブコメホームドラマの趣きもある。
ラストは、一家をあげての初めての殴り込みに甲州に向かう次郎長一家の堂々たる行進である。
それは後年の『ベルリン忠臣蔵』で、草原を行進する大石内蔵助の姿にひきつがれているような気がしないでもない。
ウ〜ン、やっぱりひきつがれてないか。

●スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 ●2008/2/14(TOHOシネマズ錦糸町
2007年 米国映画 監督 ティム・バートン 出演  ジョニー・デップ 、 ヘレナ・ボナム=カーター 、 他
映画を見た帰りに、ミートパイを食べた私は勇気があるのでしょうか。

●浪人街 ●2008/1/18(東京国立近代美術館−フィルムセンター
1957年 松竹映画 監督 マキノ雅広 出演 近衛十四郎、河津清三郎、藤田進、高峰三枝子 他
前世紀に、今は亡き池袋文芸坐地下で、オリジナル作品の部分上映があった時見に行った記憶がある。
その時、ああ全部見たいと思ったものだが、きょう見たのはそのトーキー版リメイク作品。
浪人と旗本のチャンチャンバラバラと一言で言ってしまえばそれで終わるが、あれこれ語り始めたら一言では言えない構成になっている。
浪人の一人の近衛十四郎が、ちょっとした拍子に松方弘樹そっくりなのが、血を感じさせて面白い。いや、この場合は松方弘樹が近衛十四郎そっくりというべきか。
さて、この会場の名物と言えば必ず眠る観客だが、今回隣に座ったオヤジさんは、眠りはしないがうなるオヤジだった。
いいシーンになると、「う〜」とか「むむむ」とうなるのである。
まァ、イビキをかかれるよりは良しとしよう。

●『茶々 天涯の貴妃(おんな)』●2007/11/15(丸の内TOEI
2007年 東映 監督 橋本一 出演 和央ようか 、 渡部篤郎 、 中村獅童 、 寺島しのぶ 、松方弘樹、他
前半長過ぎる。
中盤、さっそうと鎧に身をつつみを馬で駆ける茶々の姿は、さすが元宝塚男役スターと思わせたが、その後はまたダレた。
後半長過ぎる。
いちばん印象に残ったのは次女役のメイサツキ。茶々に難癖をつける先輩側室たちをどつきまわすシーンは圧巻でした。趣味がウクレレというのもいいね。


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