宴の後

最終更新日 1999.4.24
"思い出は常に過去形で語られる"

---おじさんの愚痴は常に「最近の若い者は」で始まる



タンプを押すように二秒間ギュッと押す。いち、に。少しずらして、いち、に。ふう。全体にまんべんなく押さえたら、反対側からギュッ。いち、に。ふう。それにしても、なんでこんな面倒くさいことを企画したのかなぁ。ギュッ。エイプリルフールでした、なんてダメかな。いち、に。ダメに決まっとるだろうが。ギュッ。
転写作業完了。冷えるのを待ってアイロンプリントの台紙を剥がす。パリパリパリ。おおお。キレイ。とりあえず一枚目のTシャツが完成。少し休憩して二枚目に。
こたつ台の上にシーツを敷き、毛利さんオススメのHanes製Tシャツを広げ、転写部分にアイロンがけ開始。中央から外側にグルグルと、シワにならないように滑らせる。ああ、原宿でクレープを焼いていた頃を思い出すなあ。ウソだけど。ここでカラープリンタで出力した転写用紙を取り出し、中央付近に配置。雲形定規みたいな形なので水平にするのが難しい。こんなものかな。位置が決まったら右下からギュッ。いち、に。ギュッ。いち、に。ふう。ギュッ。いち、に。ペキ。ん?ペキ?げっアイロンから異音がっ。体重のかけ過ぎか。大丈夫かな。ギュッ。いち、に。ふう。ヒビは入ってないな。
それにしても重労働だなぁ。疲れた。おお、汗だ。男の汗だぁ。ポタ。って危ねぇ。シャツにかかったら台無しぢゃないかっ。タオルで汗を拭き、アイロンがけを続行。そういえば、印刷した時より転写した時のほうが色鮮やかになるなぁ。不思議。じょせふぃーぬの緑色もキレイに出てるし大満足。あげるのがもったいないくらい(笑)。ふう、あと3枚か。
ギュッ。いち、に。やっぱりTシャツ屋に頼んだほうがヨカッタかな。いやいや、苦労するところに意味がある。おっさんの手作りTシャツなんて世にも珍しいものがもらえる人は、そうはいないハズ。キャンペーンの販促グッズじゃないしね。そういやプレゼントの宣伝はぜんぜんやらなかったなぁ。ま、もともと、私のゲームを発表早々に登録してくれた人への感謝企画だから、宣伝する必要もないか。当選確率が下がるしね(笑)。
とかなんとか考えているうちに、「もずポンDX for Windows」のプレゼント用Tシャツが完成し、毛利さんから頂いたオマケも入れて郵送用封筒の作成完了。あとは郵便局に持っていくだけだぁ。約束は守ったぞぉぉ。どっと疲労。

それにしても、私は何をやってるんでしょうか。MacとWindows用にゲームを作り、今度はTシャツの作成。趣味で、作りたいから、楽しいからやっているといえばそれまでで、それ以上の意味はないのかもしれません。しかし完成したモノを見ていると、どうもこいつらはミームなのではないか。様々な形態で自分自身を増殖しようと企んでいるのではないか。てな妄想が膨らんでくるわけです。別にそれでも構わないんですが(笑)。そういう意味で言えば、すでに「もずもず」たちは私の手を離れているんですよね。たとえば私が天寿をまっとうしても、このゲームはどこかで動いているかもしれない。Mac OSやWindowsが消滅し、まったく新しいコンピュータが使われる時代になっても、だれかがエミュレータ上で遊んでいるかもしれない。キャラクタを作成した毛利さんもプログラムを担当した私も関知しない場所で、知らない誰かが「チクショー」なんて言っているかもしれない。そんな風に考えて、少しだけ幸せになれる今日この頃です。遊んでくれた皆さんに、感謝。


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