18禁
最終更新日 1999.7.22
"思い出は常に過去形で語られる"

---おじさんの愚痴は常に「最近の若い者は」で始まる

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てなことが書いてあったからといって素直にディズニーのページにでも移動する子供っているんですかね。少なくとも私が18歳未満だったら絶対に戻りません。い〜え、戻りませんとも。それどころか、「18歳未満」でサーチをかけるんじゃないかな。
それはともかく「アイズ ワイド シャット」。いよいよ公開ですね。監督はもちろんキューブリック(クーブリック?)。遺作であります。思えば、この監督の作品を最初に見たのは中学生の頃。暖房も付いていない近所の映画館で、石油ストーブの匂いに悩まされながら「時計じかけのオレンジ」に頭を抱えていました。陳腐ですが「衝撃」を受けましたね。なんだこれは。なんなんだいったい。うおぉぉぉぉ。もしかしたら、この監督って天才?ってなもんです。ま、私は映画マニアではないので、作品の内容を深く考察するようなマネはしませんでしたが、その後もキューブリック監督の作品は一通り見てきました。原作よりもよっぽど面白い「2001年宇宙の旅」(他の監督の続編や原作の続編は大駄作だと思う)。笑いと恐怖は紙一重であることを教えてくれた「博士の異常な愛情 又は私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」。ホラー好きなクセに恐いと思ったことがない私が、心底震え上がった「シャイニング」(親父に感情移入してしまった)。甘っちょろいベトナム戦争映画を木っ端微塵にしてくれた「フルメタルジャケット」。ああ、「アイズ ワイド シャット」が最後だなんてあんまりだ。

ところがなんとこの作品、18禁なんであります。いわゆるR指定。なななななんだってぇ。そうするとアレですか。「アイズ ワイド シャット」ってのは、女優さんのしょーもないインタビューで始まって男優さんが登場し、ビビンとほり出して愚息も昇天ってな内容なんですか?確かにキューブリック監督の完璧なポルノってのも見てみたいような気がしますが(多分興奮はしないと思うけどね)、これは違うでしょう。それともニコールキッドマンの裸が問題?性描写が露骨すぎ?ちょっと待ってくださいよ。たとえば民放でエロ映画ってのは問題ですよ(というか、そっちはOKなの?)。でも、これ映画じゃないですか。見たい人が金を払って見るもんでしょ。子供に見せたくないんだったら、親がきちんとしつけるべきでしょう。日本はいつから禁欲的キリスト教徒が支配する大きなお世話押し付け天国になっちゃったの?まあ秘すれば花って気持ちはわかるけど、一方で抑え付ければ他方で爆発するのも当然じゃないですか。アメリカで性表現や暴力表現を厳しく規制したからって、そういう行為って減ってます?(規制しなければもっと増えてた?馬鹿言ってんじゃないよ〜。どこに高校生が銃を乱射する国があるんだよ〜)ましてや、この作品は芸術の殻をかぶったポルノじゃないんですよ。なんで規制するかね。だいたい、この映画を見て衝撃を受けて映画監督になろうって中学生がいないとも限らないじゃないですか。少なくともスターウォーズをみて感動した子供よりは見込みがあるに違いない。そんな若い才能の芽を大人が摘んではいかんでしょうに。

そこで、これを読んでいる18歳未満のあなたへメッセージ。見たまえ。損はしないはずだ。大人の言うことに何でも反発しろとは言わないが、こればっかりは馬鹿らしい押し付け。傲慢でわがままな大人のエゴに過ぎない。今のうちに、今の感性で見ておきたまえ。分からないところも多いだろう。男女の仲なんてそんなもんだから。共感するかもしれないし、反発を覚えるかもしれない。不潔だと思うかもしれない。そして何年か経ってから、もう一度見たまえ。また違った捉え方ができるはず。この映画を18禁にした連中の底の浅さも分かるだろう。そのときは、自分の気持ちを次の世代へと伝えてほしい。今私がそうしているように。
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