そこにアイはあるのか

最終更新日 1998.9.4

"思い出は常に過去形で語られる"

---おじさんの愚痴は常に「最近の若い者は」で始まる


ょっとだけ暇になったので、iMacと会いに某所へ。思えばAppleの新製品を見るために出かけるのは、Portable以来のことかも。私は基本的に人ごみが嫌いなので、ブームが落ち着いてから、ゆっくりと触るほうなんです。しか〜し、そこはiMac。欲しいとは思わないけど興味はある。てなわけで、テクテクと駅に向かい、目指すはCD屋の上にある出来立てホヤホヤのパソコンショップ。途中で立ち食いソバ屋の見本をデジカメで撮影しているイキなOLと遭遇するも、寄り道せずに無事到着。

エスカレータを昇ると、広い店内の一部に人だかりを発見。なるほど、あれがiMacの壁か。厚そうだなぁ。平日で客足も少ないのに、3組くらいのカップル&その筋の方々が取り囲んで室温が上昇しております。その中を割り入って、まずは挨拶。はろー。さすがにアップルから特別に販売を許可してもらったお店だけあって、iMacの周囲に店員は一人もなし。肝心のiMacは右側面のアクセントとなるリング付きフタが万引き防止のためか取り外され、某M女史の指摘通り安っぽいインチネジがむき出し状態。文字どおり身もふたもない。もちろん品切れで予約販売のみらしいけど、そうした案内も見えにくく、適当に陳列しときましから、勝手に見てくださいって感じ。ああ、ヤな感じ。

ま、それはともかく、iMacの実物を見るのは初めてだったんですが、なんというか、想像どおりでした。大きくもなく、小さくもなく。安っぽいわけでも高級感あふれるわけでもない。色も、雑誌やモニタで見ていたものと大差なし。ちょいと拍子抜けかな。キーボードの感触は、AppleキーボードIIと同様の、いわゆるソフトなヤツ。私のようにキーボードを親の仇のように叩きつけて打つ人には向いてません。幅もちょい狭すぎ。モニタは、まぁ、こんなものかな。はぁ、でもこれが我が家にあるどのマシンよりも高速で、しかも安いんだよなぁ。タメイキ。

一段落して周囲を見渡すと、面白い現象を発見しました。女性のギャラリーが全員、片手にiMacのパンフレットをにぎりしめ、まるでジュエリーでも見るかのごとくiMacに見とれてるんです。「しっかりしろっ!中はただのMacintoshだぞっ!」と喝を入れようかとも思いましたが(嘘)連れの男性に殴られそうなので断念。やっぱりこういう商品は、実物を見て、客の反応も見なければわからないもんです。オペラ座の官僚社員どもは、こうした現場を見ることもなく頭の中だけで皮算用を繰り返し、本社との調停を行っているんでしょう。アンディ・ハーツフェルド氏の言葉を借りるなら、ジョブス氏はまたしても帽子からウサギを取り出してみせたわけですが、売る人たちに同じような芸を見せろというほうが無理なのかもしれません。これまで同様、彼らなりに働いているんでしょう。でもね、「放っておいても売れる」と「売れるから放っておく」は違うよ。

それにしても、こんな入れ食い状態のエリアに店員がいないなんて信じられない。と、遠くのほうに目をやると、中年の男性客にPCの説明をしている店員を発見。そこの店員!こっちにも客がいるぞ。それも「欲しいけど、どうしよう」と悩んでいる美しい女性たちが!なぜ声をかけない。んー、わからん。上の人に何を言われているのか知らないけど、現場はお客様に商品を買っていただいてナンボのもんでしょ。君の知識を客に披露するパソコン無料教室じゃないはずだ。迷っている客を買う気にさせるセールストークができないんなら店か職を変えるべし。この状況で、どうしようか悩んでいる女性客に「部屋に置いとくと、これがまた可愛いんですよ」てな言葉もかけられないようでは売り場に立つ意味はない。iMacはUSBがどーしたとかSCSIがあーしたとかいう種類の商品じゃないんだから。名刺の一つも渡して「困ったことがありましたら、いつでも連絡してください。これポスペのアドレス」なんて笑って予約を取ってみせろよ、コラ。そしたらプリンタやスキャナとかも後で買ってくれるかもしれないじゃない。んもう。トロくさい。

ちょっと不愉快になったので階下のソフト売り場へ。なんと、そこではソフトの特売ワゴンセールがっ!ちょっと古い程度のゲームソフトが980円で山積み状態もってけドロボウだあぁぁ。MacもPCもごちゃ混ぜだぞぉ。お、JetFighter3(IBM PC版のフライトシミュレータ)も980円じゃん。信じられない。しかも、まったく同じJF3が隣の山では2980円で売られておるではないか(笑)。速攻でゲット。他の客も次々と手を出し、980円のほうはあっという間に売り切れ。ついでに、その他のゲームもいくつか購入。わーい、ラッキー。ホクホク顔で帰宅。

JF3をPentium200MHzマシンにインストールし、遅さに涙した後で手元のMacPeople臨時増刊号(iMac特集号)を流し読み。アツいなぁ。特に編集の森さんがアツい。川崎和男さんのコメントも、いかにもプロのデザイナーって感じがして良い。同業者を褒めるプロなんてニセモノですぜ。Mac Fanとかも頑張ってるよなぁ。このへんの月2回刊の初心者向けMac雑誌は記事の信頼性に問題はあるものの、編集者の思い入れが文章や付録から伝わってくるので私は好きです。なんというか、欲しいという感情がストレートに文章に反映されていて心地よいですね。それに対して老舗の月刊誌や日本のアップルは、人間的な感情が伝わってこないような気がします。深遠なる教義で頭が一杯になり煩悩を捨ててしまったんでしょうか。これからは「理屈っぽいのキラ〜イ」なんてユーザーが増えるでしょうから軌道修正する必要があると思いますよ。やっぱり愛が伝わってこないとネ。


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