バイトのお仕事 |
最終更新日 1998.6.22 |
"思い出は常に過去形で語られる"
---おじさんの愚痴は常に「最近の若い者は」で始まる
たとえば1998.6号のiMacに関する記事。前半こそ仕様や名前の由来でお茶を濁してますが、後半は罵詈雑言(笑)。「SCSIやシリアルポートがないから」「新規個人ユーザーの開拓には疑問」だそうです。んなこたぁ言われなくても分かってらいっ。プロの物書きならAppleの美学やビジョンを見抜いた上で誉めるなりコキ下ろすなりしてくれないとな。マイクロソフトやインテル社の場合は、登場してもいない製品の次期バージョンまで論評してるわけだから、そのくらいは簡単でしょ?で、これ書いた人は何を考えていたのか。私見ですが、彼はMacintoshが嫌いで嫌いで、このままでは好きになってしまうのではないかという強迫観念を抱えているのでは。それがiMacの登場で気が動転し、心のどこかに「これ欲しいっ」という感情が芽生えてしまったと。その気持ちがイヤでイヤで、子供でもわかるようなiMacの特徴を欠点と決めつけて書いてしまった。だから内容が浅く、文章もすべってる。これですね。きっと。
さて、そんな私の期待を知ってか知らずか、今日も郵便受けに日経バイトが届きました。最初に探すのはApple関係の記事。しかし残念ながらめぼしいものはMac OS Xのみで、おまけに結論は「新世代OSは先送り。でもMacファン(ユーザーとは書いてなかった)は待つのに慣れてるから関係ない」という意味不明なもの。うーん、Windowsが予定通り発売されたことってあったっけ?Windowsファンて待つのに慣れてない?ちぇ、今月は不作か。てな感じで、諦めて最初から読むことにしました。
なるほど。国内のメーカーはソニーの真似を始めましたか。私はソニーが大嫌いだけど、真似して儲ける奴等もちょっとなぁ。自社製品に対するプライドや先駆者への敬意ってもんが感じられんなぁ。次。最初の特集はハードディスクの増設。なになに、Windows 98に備えてハードディスクを増設しよう?Windows 98ってプリインストールマシン以外に自分で買う人なんているの?ま、いたとしても、わざわざハードディスクを増設する?むーん。内容はハードディスクの仕組みからメンテナンスソフトまで。ここで念のために表紙を確認。「まさか日経パソコンが届いたのでは」。いーえ、日経バイトでした。次。
Windows NT 5.0のハードウエアウイザードの図版に「はい、動作していないデバイスを修理します」というボタンが!おおおお、すごい。NT 5.0は自分でハードウエアが修理できるのか。パッケージに半田ゴテやドライバが付いているのだろうか。いや、劣化しやすいコンデンサとかもセットされているに違いない。そうか、サービスパックとかNT Plusとかで別売かも。そもそもデバイスが壊れたら起動しない場合がほとんどだから、起動専用のPCも付いている筈だ。すごいぞNT5.0。がんばれマイクロソフト。次。CD-ROMの付いていないノートパソコンにOSをインストールするには。これ、ホント〜に日経バイトの記事?絶対?マジで原稿間違えたんじゃないの?次。
デジカメ比較の結論は、画質に大差ないから色の好みで買えって、ナメてるな読者を。私は自腹で買ってるんだゾ。次。マルチユーザー版NTの話。サーバー側でアプリケーションを動かすので低速のクライアントでも快適に動作するという、JAROが喜びそうな内容。Pentium II 333MHzサーバーにMMX Pentium 200MHzを100MBit Ethernetで接続し、Excel 97をガンガン動作させたときの結果が並んでます。おいおい、3台から4台で相対性能が1を切ってるじゃないの。1台だけなら1.5倍かぁ。こんなもんかな。ん?あれ?この相対性能の基準ってPentium 90MHz!なななななぜこれを基準にっ(本気で爆笑してしまった)。で、結論は486 DX2/66でもOffice 97やIE4を楽に利用できただなんて。なにもかもが外しまくりでマイクロソフトも迷惑に違いない爆笑特集。無理矢理ほめようとして、製品の利用目的を見失ってる。ここで再び表紙を確認。「週間●スキーじゃないよな」。違いました。
BYTE特約記事はMercedがらみの宗教ネタとWindows 98に移行すべきか?という時事ネタ。8クイーン問題の話が笑える。98のほうは新機能に突っ込んでいることを期待するも、初心者向きの記事と大差ない情報。やれやれ。うーん。こりゃ読者の投稿は文句だらけと思いきや、「日経バイトは魅力的」「真面目な誌面作り」「広告企画も情報源」と大本営発表の連発。とどめは、米BYTE誌休刊のお知らせで「日経バイトは独立した雑誌で影響はありません」。大アリだってば。翻訳記事しかちゃんと読んでないって。私はっ。
手元にある日経バイトのバックナンバーには「光ディスクの明日」「Ethernetの次に来るもの」「Windows NTの実像」なんてタイトルが並んでます。1993年頃の特集です。今から読み直すと外した記事もあるけど、夢もありました。それが、わずか5年でこんなことに(笑)。やはり硬派の雑誌は生き残れないということなんでしょうか。適度にお笑いを混ぜないと読者は喜んでくれないってことなんでしょうか。いやいや、そんなことはない筈。明日が見えないからこそ薔薇色の未来を語る記事を読者は求めるもの。つまらない記事を書かされるのにキレた若い世代が、やがては台頭してくることでしょう。なにしろ飽きっぽいですからね。パソコン業界って。