8月6日 ビリヤード論
前回のコラムでも触れましたが、8/1に入籍しました。いっぱいおめでとうメールを頂きました。ありがとうございます。もっとも
式&披露宴は12月ですからまだちょっとありますけどね。最近よく友人に「幸せそうだね。」なんて言われますが、「幸せそう」
ではなくて、「幸せ」ですよ。ふぉふぉふぉ、俺は物事をはっきり言う時には言うのだ...
さて、今回は俺の仕事の一部でもあり、趣味でもあるビリヤードについて語って行こうという寸法です。ビリヤードについては
ここでも独自のコンテンツを作って解説してたりもする訳ですが、それ以外の部分について今回は文章でチャレンジしてみようと
いう寸法です。技術論を中心に展開させる予定なので、ビリヤードに詳しくない方にはちょっとしんどい内容になるかもしれない
ですが、ここのビリヤードコーナーでも読んで補完してください。もしくはメール&掲示板、直接うちのお店に来て聞くなんてのも
ありですよ。まずは知らない人がいると困るので俺のビリヤードに関する基本スタンスを改めて紹介して置きましょうね。今年で
ビリヤード歴も14年になります。アマチュアではトップクラスであるA級でプレーをしていますが、ビリヤードを賭事の道具には
一切しません。誰とでも気軽にプレーしますが、その代わり賭けてやることはしません。別の魅力を付けなければ面白くないほど
ビリヤードは底が浅いと思ってませんからね。そういうプレーヤーがあまりに多いのに嫌気を差して数年前から公式戦には一切
出場していませんが、腕はそれほど落ちていないと思いますよ。なにしろビリヤードというスポーツが好きで仕方ないですからね。
俺はビリヤードセブンと言うお店を経営していてそこで店長&チーフインストラクターの肩書きで仕事をしてます。お客さんに
聞かれればアドバイスしたり、一緒にプレーしたりします。その時にお客さんの実力をある程度プレーを見ただけで判断することが
出来るのも仕事のうちって事になる訳ですが、どこで技術レベルを見るのかと言った事から始めて行きましょうか?
まずはフォームですね。もちろんある程度の個性はあって良いわけです。ただやはりここだけは押さえて置かないといけないと
言うポイントがありますね。「普通はキューが真っ直ぐ出ているか?」なんてところを見ることが多いのでしょうが、どんな人にも
ある程度の誤差は出るものです。では、何を基準にするのか?キューと手玉の接触時間の長さで大体の見当が付きます。そんな
一瞬をどうやって見分けるか不思議でしょ?見分けてなんていないんですよ。実は聞き分けているんです。タップと手玉が当たる時
当然ですが音がします。この音の長さ、高低などを聞き分けて接触時間の長短を測る訳です。そんなことが可能なのか?と思うかも
しれませんが、実は人間の五感のうちもっとも微妙な時間を計測出来るのは音だそうです。あながち俺が今までやって来た方法も
間違いではないようですよ。ですから、俺がそっぽを向いていても5分も撞いてる音を聞けばA〜Cのどのクラスの実力かくらいは
ほぼ間違いなく特定出来ます。次にビリヤードに対するプレー中の言動ですね。ルールやプレーの質を理解していない発言は時と
して的はずれなことがあります。逆に的を射た発言をするようになると「おぉ、これが判るようになったか」と関心もする訳です。
今度はもう少し専門性を上げて行きましょう。ここからは俺の技術論であり、違う考え方が多く存在することも承知していますし
それらを否定する訳でもないことを前提に読み進めるようにしてくださいね。まず、先玉をポケットするのにもっとも有利な撞点は
どこかを検証してみましょう。普通に考えれば真ん中が一番良さそうに思えますし、多くの場合そう教えます。俺も初心者に対して
教えるときにはそうしています。でも、少しストロークが安定して来たならばドローの方がポケットの確立を上げることが出来ると
考えています。なぜか?という事ですが、ドローの場合は手玉が逆回転している訳です。すると当たった的玉は順回転することに
なります。順回転のボールは直進性が高い為狙った方向に正確に動きやすい特徴を備えます。フォローの場合にはこれと逆のことが
起きます。手玉と先玉が一瞬お互いに引き合う様な動きをした後に分離する訳です。簡単に言えば手玉と先玉との接触時間が長く
なると言うことこですね。キューと手玉の接触時間は長い方が良いですが、多くの場合手玉と先玉は接触時間が短い方が良いと思う
訳です。手玉と先玉が接触している間も進行方向に対する加重は掛かり続けます。すると接触時間が長ければ当たったポイントから
ずれて分離が始まり最終的に的玉が狙った場所に行かない場合が考えられます。このことをスキッドと呼んでいますが、これが
起こる原因と対策を理論的に講じている人は案外少ないものです。
ポジションプレーの話しになると詳しくやっているととんでもない量の文章になるので、ここは掻い摘んで解説しましょう。俺が
ナインボールをプレーする場合に一体どの辺りまでポジションを最初に決めるかをお話して置きます。もちろんブレイク後の配置
にもよりますが、基本的には全部のボールをポケットする場所は大体この時点で決めます。途中で方針が変更になることもあるし
全然配置が変わってしまう事もありますが、構想としては一応考えます。そして、ポケットする穴が決まったら今度はその中で
もっともポケットする事が難しいボールを見つけます。そしてその難しい配置をポケットするにはどうすれば良いかを逆に手繰って
ポジションを考えます。実はポジションプレーの善し悪しはその時のものではなく難しい配置をポケットする為の準備段階の
ポジションが重要であり、そこに神経を注ぐ訳です。次の球の配置を見るのではなく3つ先の難しい配置を簡単にするための方法を
3つ前の時点で考えると言うのがポジションプレーであると考えています。
興味のない人にはつまらない話しだったかな?でも、ビリヤードをする人達には何らかのヒントにでも成れば嬉しいですね。