8月21日 夜空を見上げて

 今回も一日遅れてしまいました。申し訳ない...まぁ、言い訳は止めて置きましょう。

さて、今回のタイトル「夜空を見上げて」ですが、投票された方は何を期待してこのタイトルを選んでくれたんでしょうねぇ...

俺が空を見上げて物思いに耽る内容なんかを想像したのでしょうか?で、実はここで書こうと思っていたのは本当に夜空のことに

ついてだったりします。俺は中学時代に天文部の副部長だったなんて過去があったりします。そこで、ここでは久しぶりに星に

関して語ってみようって寸法です。しかも、ロマンチックなものではなくある程度学術的に...

 と言っても都心では星を観るのも難しいですよねぇ。大体、真夜中でさえ雲が白く見えます。この白く見える雲ですが、当然

太陽の光で見えるものではなく、地上の光が反射して白く見える訳です。すなわち、暗い星の明かりなどは、全く見えなくなって

しまう寸法です。まぁ、愚痴っても仕方ないですから、見える範囲で我慢するか、思い切って郊外に観測に行くという選択しか

なくなってしまいますね。俺の場合は取りあえず見える範囲で我慢と...

 次に観測するのに適した季節なのですが、これは日本の場合なんと言っても冬ですね。冬は星が綺麗に見えると言うのは錯覚では

なくて、説明のつく現象なんですよ。夏場は地上が温められている為に空気中に水分が多量に含まれています。要するに湿気がある

状態って事ですね。するとその水分が邪魔をして星を見えにくくします。他にも星が瞬くなんて現象がありますが、これは大気の

揺れが星の明るさを変えてしまうことで起こる現象です。やかんでお湯を沸かしているときに湯気越しにものを見ているのと同じ

理屈ですね。すると、やはり乾燥している冬のほうが良いと言うことになります。でも、やっぱり俺は夏に星を見ます。なぜなら

冬の夜は寒いから...良く見える。よりも、快適に見れる。方を選択する訳です。人はこのようなものを似非天体観測、もしくは

不精者と呼びます。でも、人になんと言われても寒いものは寒いですからねぇ...

 そろそろ実際の観測について触れてみましょうか?まず、用意するのは昔懐かしい星座早見版ですね。これがあると色々わかって

楽しいですよ。で、いくら明るいとは言え夜中に外で早見版を見るのはしんどいですから明かりを用意しないといけません。ただ、

これも懐中電灯だけでは明るすぎて折角、夜目になれても一瞬で水の泡です。そこで登場するのが赤のセロファンです。懐中電灯に

巻いて暗い赤色にします。これである程度目を夜に慣らしたまま早見版を見ることが可能です。望遠鏡があればそれでの観測も

楽しいと思いますが、双眼鏡程度でもある程度の楽しみはあります。また、肉眼でも充分楽しめる方法だってあります。ここでは

双眼鏡と肉眼での観測を中心にお話しましょう。あっ!思い出しついでですが、望遠鏡の選び方にちょっと触れて置きますね。よく

何倍まで見られるみたいな広告を見ますが、あれはあまり意味がありません。接眼鏡さえ替えれば理論的にはどんな倍率でも可能に

なるんですよ。ここでもやはり問題は光量にあります。口径、すなわち主レンズの大きさがその光量を決めます。月や惑星を覗いて

みたいって方は口径5センチ程度の屈折式、もう少し本格的にやりたいのならば口径10センチ以上の反射式の望遠鏡が良いでしょう

 あっ!話しが横道だ...さて、観測する時間ですが、出来れば深い時間の方が良いのですが、眠いという方も多いと思いますので

10時から12時くらいを前提にお話しましょう。まずは南の空を見て明るい星を見つけて下さい。たぶん、3つの星が確認できる

はずです。丁度これがうまい具合に二等辺三角形をしているのですが、これを夏の大三角形と呼びます。その三角の形を参考に

星座早見版を取り出し比較するとすぐに、琴座、わし座、白鳥座が確認出来ると思います。琴座の明るい星をベガ、わし座の星を

アルタイルと呼びます。日本では古くから織り姫星、彦星と呼ばれていた七夕で有名な星ですね。それに白鳥座のデネブが加わった

形ですね。他に夏の代表星座と言うと蠍座ですか。これは3つの並んだ2等星で特徴的ですが、まずは赤く明るい1等星の

アンタレスを発見することにしましょう。あとは早見版を見ればすぐに見つかるでしょう。このように肉眼で観測する場合には、

明るい星を目星に周りの暗い星を繋げると良いですね。早見版に載っていない明るい星があればそれはきっと惑星です。双眼鏡を

向けて見ましょう。赤く見えれば多分火星です。周りに4つの小さな星を従えていればそれは木星ですね。ちなみに4つの星は

木星の衛星(いわゆる木星の月)で望遠鏡の発明者ガリレオ=ガリレイが発見したことにちなんでガリレオ衛星と呼ばれます。

惑星の周りが楕円に膨らんで見えればそれは多分土星の環でしょう。環を持つ惑星は木星、土星、天王星となっていますが、

(あれ?海王星もあったかな?失念...)小型の望遠鏡、または双眼鏡で見えるのは土星だけです。目が慣れて来たらスケッチなんか

描くのも良いですね。これも、うまく描く必要はありません。芸術作品ではないのですから、記録として正しく記載することが重要

なんですよね。

 最後に流れ星について...実際に星が流れてしまうなんて事は起きるはずもなく宇宙空間に漂う塵が地球の引力に吸い寄せられて

大気摩擦で燃える現象がいわゆる流れ星です。当然ですが塵のいっぱいあるところを地球が横切れば流れ星はいっぱい流れることに

なります。この塵のいっぱいあるところと言うのは彗星の通り道なんですよね。彗星がまき散らした塵の中を地球が通ると流れ星が

大量に見られる訳です。この時期は当然ですが、決まっていて流星群と呼ばれます。もう、今年は時期が終わってしまったのですが

夏は8/12前後が最大となるペルセウス流星群が有名です。他の季節でもそれぞれ流星群が存在するので調べてみるのも良いですね。

流れ星を見た事がない。なんて人もいるようですが、この流星群に当たる時期、ちょっと夜更かしして午前3〜4時くらいに空を

1時間くらいぼ〜っと見てみて下さい。きっと流れてくれると思いますよ。ちなみに俺は中学時代に一晩に100以上の観測をした

事があります。母の実家の澄んだ空の下でしたけどね。