9月30日 子供から教わること

またもや更新が大幅に遅れてのコラムです。ほんと今月は忙しかったぁ。平均睡眠時間3時間。憩室炎もまたまたひょっこり顔を出したりと散々でしたが、全ての仕事を予定通りにミッション=イン=コプリート。俺ってやれば出来るじゃん。なんてちょっと思ったのですが、ビリヤードは全く出来ませんでした。ここ2,3日ちょっと撞いてるんですがいや〜本当に元に戻るのか心配なくらいぶっ壊れてます。疲れもあるんでしょうけどね。

さて、今回のお題は子供から教わること。俺も一児の父になって早1年7ヶ月です。子供の成長は早いもので最近は語彙も少しづつ増えて意思の疎通まではいかなくてもお互いの要求をなんとか伝えられるようになっていると思うんですけどね。それでもこっちの考えと違うこともあるんでしょう。嫌なときには首を振り、良いときには満面の笑顔で答えてくれます。俺が食事休憩で家に戻ると玄関まで走って来て「パパあんの〜」と出迎えてくれます。ちなみに匠太語で「あんの〜」は居る、あるなどを意味しているようです。自分の意に沿わないことがあると「じゃんねん」と言います。多分、波田陽区の影響でしょう。好きなのは車と電車。うちは喉かな田園風景がある無人駅まで徒歩3分という良いんだか悪いんだか本当に神奈川県なんだか疑問な地域にあるので田んぼの中の1本道を家族3人で散歩すると必ず電車に向います。よくもまぁ飽きないものだと関心しますが、彼に取っては同じ風景、同じ時間でも全てが新しい経験なんでしょうね。

さて、そろそろ本題です。子供から教えて貰うことってたくさんあります。例えば前述の散歩にしてもそうです。毎日、ほぼ決まった時間にほぼ決まったコースで散歩しているにも関わらず、彼は毎日新しい発見をします。田んぼの水が無くなったとか、ザリガニを見つけたとか、花が咲いてるとか、てんとう虫を捕まえたとか大人にとってはなんてことのない事なのですが、それを意識して普段から生活していることは少なくとも今までは無かったように思います。季節の移り変わりというより毎日の微細な変化が彼に取っては刺激的なのでしょう。そんな中、俺はどうか?と考える訳です。仕事の忙しさに本当は違う現象なのに同じだと思って毎日を生きていないだろか?と思ったりする訳です。例えばビリヤードの練習です。センターショットという基本練習がありますが、厳密に同じ配置にすることは不可能ですし、力加減や手玉、先球のコースも厳密には微妙に違っているはずです。でも、手玉が止まった。先球がポケットしたというそこで起きた現象だけを捉えて流れ作業的に練習をしていないだろうか?という気持ちが起こります。それじゃいけないんですよね。同じ配置を繰り返す。俺はこれがビリヤード上達の為の必須条件だと思っていますが、厳密には同じに出来ない訳です。その微妙な違いを感じ取り毎回丁寧に新鮮な気持ちで繰り返すことが出来ているのか?俺には自信がありません。でも、そういう意識を持たせて貰ったのは匠太との散歩でかもしれませんね。

話がビリヤードの方にずれそうなので起動修正しましょう。最近、匠太は自分の思い通りにならないと大泣きします。まぁ、これは子供なら誰にでもあることだと思うのですが、その悔しがり方と言ったらすごいです。身体を突っ伏して全身の力を涙と声を出す為だけに使っているような感じですね。直子とは「甲子園でサヨナラホームランを打たれたピッチャーみたい」と言ってます。大人になると感情をコントロールします。もちろんしなくてはいけません。でも、それはストレスを溜めていることでもあるのです。大泣きをした匠太はしばらくするとケロッとして笑顔で走り回っていることも少なくありません。俺にはそんな切り替えは出来ません。もちろん人に対しては感情をあらわにすることだけが良いことだとは思いませんが、自分にまで嘘を付くことはないと思うんですよね。俺は比較的感情が表に出やすいタイプのようですが、それでも相当自制しているつもりです。大声で怒ることはほとんどないですし、少々の不満はぐっと堪えて自分の意志ではないことも話すことがあります。まぁ、そういう俺の感情の起伏に気付かない鈍感な相手と話をしているとこっちも堪えるのがバカらしくなって本気で話をしなくなるんですけどね。そういう駆け引きが無いんですよねぇ。本当の意味での自然体なんですよね。匠太はパパとママを交互に確認します。分け隔てはありません。「パパ」と呼ばれて俺が「はぁい」と答えるとニコっと笑って「ママ」と呼びかけます。もちろん逆のパターンもあります。「チュ」というと俺と直子に交互にキスをしてくれます。別に彼は媚を売っている訳でもなければ平等にしようなんて意識がある訳でもないでしょう。パパもママも好き。ってそれだけなんだと思います。そういう素直な感情に基づいた行動を俺はどれだけ普段出来てるだろうか?とも考えさせられます。

子育ての経験はもちろん始めてですし、未知なることも多くあります。親が良かれと思った全てが匠太にとって良いとも限らないことも理解出来ます。期待もある半面、不安もあります。でも、彼は順調に素直に育ってくれています。そして、俺も彼に負けないように親父として成長して行かなければいけないと思うのです。匠太とのこの競争。いつか俺を追い抜いて行くのだと思いますが、そう簡単には抜かさせません。そういうモチベーションを与えてくれている時点で実は俺が不利だったりするんですけどね。