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チーチが我が家へやってきたのは昨年の暮れ、クリスマスイブのことでした。 妻が車を運転していたところ、道路の真ん中に白い物体を発見。車を止めて 恐る恐る近づいてみたら、それは息も絶え絶えの子猫だったのです。 抱き上げられた妻の腕にしがみつく様は、まるで「お願い、たすけて」と訴 えているようでした。 チーチを見て私の開口一番、「どーせなら、もっと可愛いのを拾って くればいいのに」。 この言葉には、後悔しています。でも、思わずそう呟いてしまうくらいブサ イクだったのです、最初は...。顔は薄汚れて目やにがたまっているし、誰かに いたずらされたのか、ヒゲは焼けてチリチリ。 チーチはまるで、本能的に人に愛されようとしているかのようになついてき ました。それは、媚びや愛嬌というより、大きな力に必死でしがみつこうとし ている姿にも見えました。 しかし、チーにも育ての苦労は尽きませんでした。まずは下痢。しかも部屋 のあちこちにするのですから、始末が大変でした。その原因は多分、何日間か さまよっていたために、風邪をひいて体力が弱っていたのでしょう。 次に、取っても取ってもわいてくる耳アカ。しまいには耳の中が血だらけ になったので病院に連れていったところ、かいせん(耳ダニ)だと分かりまし た。 それにしても妻の愛の力でしょうか、チーは大きくなるにつれて可愛くなっ ていきました。 そして、何より家の中とはいえ、自由にさせているのが良かったのか、ミー タンと違って、おおらかな性格に育ちました。今では、こっちから「遊んで!」 と誘わないと遊んでくれません。ちょっと寂しい気もしますが... ここで、ひとつだけ我が家の猫達の自慢できることがあります。それは「トイ レ」のしつけです。 家では猫用のカプセル型トイレを使っているのですが、ミータンもチーチも それぞれ必ず自分のトイレで用を足します。 小さいときから育てているのもあるのでしょうが、これには助かっています。 犬のウイリーはしたくなってら、部屋の中でもするもんですから... |