ルミノール発光

 化学エネルギーを用いた発光の実験はいろいろとありますが、ここではルミノールによる発光を解説します。
 
  その他の発光物質
    ・生物発光( ルシフェリン )  ・シュウ酸クロリド
    ・シュウ酸エステル  など
ルミノール

ルミノールはアルカリ性の溶液中では陰イオンとなります。
ルミノール陰イオンがフェリシアン化カリウムや過酸化水素によって酸化され、過酸化物となるようです。 ここでできる過酸化物中間体は不安定で、窒素を放出して分解し、3-アミノフタル酸陰イオンが励起一重項状態で生じます。 この励起一重項の陰イオンが基底状態に失活するときに、その励起エネルギーの一部を蛍光として放出します。
参考文献
  徳丸克己 化学と実験, 1980年 8月号 P 50
  戸嶋直樹 化学と実験, 1981年 6月号 P 20

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水素爆発

 水素 2容量と酸素 1容量との混合ガスのことを爆鳴気( または酸水素爆鳴気 )と呼びます。このガスは点火されると爆発して水蒸気となり、多量の熱を発生します。
 計算によると、水蒸気 1mol が生成する場合、58.3 kcal の熱を発生して、温度は 4710 ℃に、圧力は 12 気圧に達します。

         参考
          「 化学大辞典 」化学大辞典編集委員会 編 共立出版株式会社 巻7  P 65 

 実験では、水素約 330 ml、酸素約 165 ml の反応となります。
この結果できる水蒸気の体積は 330 ml。これは水約 0.015 モルに相当します。

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炎色反応

炎色反応の仕組み

 原子がもっとも安定な状態とは、電子が内側の軌道から順次詰まっている状態で、この状態を基底状態といいます。一方、何らかの作用によって内側の電子が外側軌道に移り、内側の軌道に空席ができた状態を励起状態といいます。
 原子が励起状態となるためには、連続したどのような値でもとりえるわけではなく、不連続な一連の値しかとることができません。この結果、物質によって固有のエネルギー準位をもち、物質固有のスペクトルを生じることになります。
 炎色反応では、炎の作用により原子が励起し、その原子が基底状態に戻るときに発する光を観察します。
 原子の「固有のエネルギー準位」はひとつに限らず複数存在するため、スペクトルも複数存在します。

 炎色反応を利用して簡単にアルカリ金属などを定性分析することができます。しかし、このような簡単な方法で混合物の定性分析を行うのはなかなか難しいことです。
 そこで直視分光器を利用して、色と波長を観察することが望ましく、次に小型直視分光器による定性分析の結果を示します。

波長(mμ)
線の名
795.0
781.1
766.9
766.5
670.8
Rbδ
Rbγ
Kα
Kα
Liα
トウ黄
610.8
Liβ
589.3
Na
554.4
535.0
Caβ
Tl  
波長(mμ)
線の名
460.7
459.3
455.5
Srδ
Csβ
Csα
青紫
451.1
Inα
421.5
420.2
410.1
404.4
396.8
Rbβ
Rbα
Inβ
Kβ
H
「 化学大辞典 」化学大辞典編集委員会 編 共立出版株式会社 巻1 P1103
日本化学会編 新化学ライブラリー「分光分析化学」澤田嗣郎ほか 大日本図書(1988)
 

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アルカリ金属と水との反応

 アルカリ金属と水との反応は次の式で表わされます。
 固体のアルカリ金属が水と激しく反応し、アルカリ性の水溶液となり、水素を発生します。この時、アルカリ金属によっては発火が起こり、発生した水素に引火します。
 ナトリウム、カリウムは発火しますが、リチウムは発火しません。ルビジウム、セシウムは確認していません。

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ナイロン合成

 高校の教科書では、ナイロン合成の説明にヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の反応をあげています。実験室ではアジピン酸ジクロリドを使用します。
 アジピン酸ジクロリドを使った場合の反応式は次の通りです。
              「 実験による化学への招待 」日本化学会 訳編 丸善株式会社 P176
ポリヘキサメチレンアジポアミド(6,6-ナイロン)

 生成したナイロンはそれぞれ6個の炭素原子からなるヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とからつくられるもので、6,6-ナイロン( またはナイロン66)と呼ばれます。

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メッキと合金

銀貨をつくる

 「 亜鉛は水酸化ナトリウムと反応して亜鉛酸ナトリウム Na2ZnO2 となる。この生成物は銅貨によって還元されて金属亜鉛になる。この反応によって銅貨が銀色となる。」
             「 実験による化学への招待 」日本化学会 訳編 丸善株式会社 P149

 酸化亜鉛を水酸化ナトリウム溶液に溶かしてできる水溶性塩を広く亜鉛酸ナトリウムといいます。
 水溶液中では、亜鉛酸ナトリウムは
2種類のヒドロオクソアコ塩として存在するものと考えられています。
金貨をつくる

加熱によって亜鉛と銅が溶融します。この結果亜鉛メッキされた銅貨の表面に黄銅ができます。
  黄銅
   銅   60 〜 82 %
   亜鉛  18 〜 40 %

ここで使用しているのは、米 1 セント銅貨です。
1980 年以前の 1 セント銅貨は銅でできていますが、これ以降は亜鉛を核にしています。
亜鉛を核にしたコインを加熱しすぎると液状になった亜鉛が漏れ出てきます。

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エステル

酪酸 ( Butyric acid )
 ラベンダー、ペニーロイヤル、吉草根、ナツメッグ、カヤプテなどの精油やバター、チーズに存在する。
[ 性状・製法 ]
 ほとんど無色の油性の液体。アルコール、グリセリンに可溶。( 略 )
[ 香気・用途 ]
 強く浸透性のある、拡散しやすい酸臭で、不快な腐敗したバターを想起させるにおいである。水中での閾値は 3 ppm、空気中では 1 ppm である。
 フレーバーでは、単独では強烈な臭気であるが調合素材としては欠かせない。酪酸臭の強いバター、チーズなどの乳製品フレーバーにはもちろん、フルーツフレーバーに使用して、鋭くドライにでがちなエステル成分をまとめ、全体にこくとつやをつける効果がある。そのほかナッツ、バタースコッチ、キャラメル、ラムなどでも使用される。
 フレグランスではフローラルノートにごく微量使用して、強さ、こく、広がりを出す場合がある。
酪酸エチル( Ethyl butyrate )
 アップル、バナナ、メロン、ストロベリーなどの各種フルーツ、バター、チーズ、ミルクなどの乳製品、ハチミツなどの中に存在する。( 略 )
[ 香気・用途 ]
 拡散性のあるストロベリー、バナナ、パイナップル様フルーツ香気を有し、ストロベリー、バナナ、チェリー、グレープ、オレンジ、ピーチなどの各種フルーツ系、バター、チーズ、キャラメル、ナッツなどのフレーバーに広く用いられる。
 香粧品香料としては芳香剤によく用いられる。
 フレグランス製品にはあまり用いられないが、悪臭のマスキングには有用である。
「 香りの総合事典 」日本香料協会編  株式会社朝倉書店 より

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発泡ウレタン

 発売元に反応系について問い合わせたのですが、性能表以上のことは教えて貰えませんでした。
以下の説明は一般論としてご覧下さい。
ウレタン( H2NCOOR )
 カルバミン酸 ( H2NCOOH ) とアルコール類またはフェノール類とから生ずるエステルをカルバミン酸エステルまたはウレタンといいます。

この実験では、ウレタンゴムをつくっています。

ウレタンゴム( Urethane rubber )
 一般にウレタン結合 ( -NHCOO- ) で連結したポリエステルを主鎖とし、これを水、ジアミンなどの作用により、網状構造化させて得たゴム状弾性体をウレタンゴムと言います。
 すぐれた機械的性質を持ち、抗張力、伸び率、モジュラスなどは天然ゴムに匹敵します。
 耐摩耗性、耐油性、耐有機溶剤性などは極めて優秀です。しかし、アルカリや酸に対する耐性に乏しく、耐熱性も低いゴムです。

        参考
        「 化学大辞典 」化学大辞典編集委員会 編 共立出版株式会社 巻1 P 815,816

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