Lynx for Human68k FAQ
1997/2/25 更新
※注:このページは,Lynx for Human68k に添付した FAQ.x68 を
HTML 化したもので,内容は同じです.
Lynx for Human68k で質問されたこと,操作中に疑問に思ったことなどを
集めてみました.
人それぞれ環境が異なり,対処しにくいこともあるので,まずこの文書を
読んでみてください.
Q. 起動したらホスト名が存在しないと出て終了した
A.
ホスト名は内部でIPアドレスに変換する必要があります.
これは /etc/hosts にホスト名とIPアドレスを書いておくか,
DNS(Domain Name Service)を使用することになります.
(DNS の設定方法はドライバのドキュメントを見てください)
ホスト名が与えられたアプリケーションは全て IPアドレスに変換するために
ネームサーバを検索しにいきます.
そこで,ネームサーバにアクセスできないと,アプリケーションはエラーを返します.
Lynx で原因を探る前に,まず ping.x で ネームサーバにアクセスできるかどうかを
確認してください.
Q. anonymous ftp サーバによっては 転送しようとして失敗する
A.
ftp は passive mode に設定してあります.
ftp でファイル転送する際に "PASV" というコマンドを送ることによって,
防火壁(firewall)を通して転送することが可能になります.
しかし,サーバによっては PASV を許可しないところもあるようです.
また,環境変数 ftp_proxy によって proxy server を指定できますので,
自分の環境に従って設定してください.
逆に,防火壁内で passive mode を使用すると失敗する可能性があります.
ちなみに,Human68k版は作者の事情(環境)により passive mode になっています.
ご了承ください.
Q. 自分のアカウントで ftp サーバにアクセスしたい
A.
"g" (指定URLに飛ぶ) を押したあと,
ftp://アカウント名@ホスト名/
と入力すると,パスワードを聞いた後 ftp 画面に移ります.
Q. proxy server を指定すると失敗する
A.
proxy server の設定はホスト名ではなく,URL で指定する必要があります.
set http_proxy=http://www.hogehoge.or.jp/
通常,転送には TCP の 80番のポートを使います.
proxy server によっては,(Delegateなどのように) ポート番号を変更している
場合があります.
例えば,8000番のポートを使って proxy server にアクセスするには
set http_proxy=http://www.hogehoge.or.jp:8000/
と指定します.
※ lynx.cfg にも指定できるようになっていますが,動作確認していません.
環境変数で指定するようにしてください.
Q. 起動すると勝手にどこかにアクセスしてしまう
A.
lynx.cfg に
STARTFILE:http://www.nyu.edu/pages/wsn/subir/lynx.html
とあります.STARTFILE: が URL 指定なしで起動した時に最初にアクセスする
場所を指定する項目です.
オリジナルと同じく Lynx の HomePage の URL が指定されていますので,
そこにアクセスしに行くのです.
これは,環境変数 WWW_HOME によっても変更できます.
Q. <FORM> で送信すると漢字が化けて送信される
A.
<FORM> の送信は Shift-JIS で行われます.
サーバの CGI(入力内容を処理するプログラム)が Shift-JIS に対応して漢字変換を
行わない場合は,正しく処理されません.
Q. ファイルをダウンロードしようとしたら,
転送しようとした瞬間にエラーが発生する
A.
ダウンロードが指定されると,まずテンポラリファイルに転送データを
保存します.
そのファイルはデフォルトでは /tmp ディレクトリに作られます.
このディレクトリは環境変数 LYNX_TEMP_SPACE によって変更することができます.
よって,/tmp ディレクトリも LYNX_TEMP_SPACE もないと,エラーが出ます.
- lynx.x を起動したドライブのルートに "tmp" ディレクトリを作る
または
- 環境変数 LYNX_TEMP_SPACE にテンポラリディレクトリを指定する.
Q. ファイルをダウンロードしたら,
転送したけどセーブ画面でエラーが出て止まってしまう
A.
前述のテンポラリディレクトリにファイルが転送されています.
そのファイルを自分のカレントディレクトリにコピーしようとして失敗している
ようです.
コピーはオリジナルでは cp コマンド(ファイルコピー) を使っています.
Human68k 版もそれに従って cp.x を起動してファイルコピーを行うように
しています.
よって,cp.x が必要です.板垣氏の ITA TOOLBOX などを利用してください.
※ 2-6 Release 4 からは -nounixcmd オプションをつけて起動することによって,
cp.x の代わりに command.x を呼び出してコピーするようにしました.
(まだ不具合があるかも知れません)
また,環境変数 LYNX_SAVE_SPACE にディレクトリを指定すると,そのディレクトリに
ダウンロードがコピーされます.そのディレクトリにコピー可能かどうか
確認してください.
Q. オプションをセーブしようとしたができない
A.
オプションファイルは .lynxrc です.よって,ドットファイルで始まっているので
TwentyOne(Ext氏,GORRY氏) が必要です.
また,このファイルは環境変数 HOME の下に作られます.HOME が設定されて
いなければ,カレントドライブのルートに作られます.
Q. Bookmark をセットしようとしたができない
A.
付属の lynx.cfg では Bookemark ファイル名が "lynx_bookmarks.html" になって
いることがあります.
このままでは19文字なので,拡張子を除くファイル名長制限(18文字)を越えているため
に保存できません.
オプション画面の "b"(Bookmark file) で変更してください.
Q. パス名に "¥" や "!",
"$" などを使うとうまくいかない
A.
libc を用いていることから,シェルエスケープ文字を用いると正しく指定できなく
なりますので使わないでください.ただし環境変数 HOME と LYNX_*_SPACE に
ついては,"¥" を "/" に変換するようにしています.
Q. テンキーがページ移動に使えない
A.
Human68k 版ではカーソルキーに対応しているので,テンキーは使用しません.
(数字入力になります)
Q. CTRL+G を押しても中断できない
A.
IIJ-PPP を使用して PPP 接続をされる方にとって,中断できないというのは
非常に深刻な問題です.
lynx for Human68k でも対処したいのですが,キーチェックは行っているとはいえ,
一度 TCP/IP のドライバに制御が移ってしまうと中断する手段がありません.
ご了承ください.
やむを得ず止めたい場合,Interrupt スイッチを押すことで強制的に中断すること
ができます.但し,中断後の状態は不安定ですので,適切な処置を行った後に
リセットすることをお勧めします.
Q. <FORM> で漢字が正しく入力できない
A.
古いバージョンではFEPが開けませんでしたが,現在では入力できるように
なっています.
途中のバージョンでは一部のキーが入力できなくなっていたようですが,
現在は修正されています.
Q. <FORM> でスクロールすると漢字が化ける
A.
Shift-JIS を使用しているため,スクロールによる漢字判定がうまくできないために
起こっています.(オリジナルも同様)
対処が非常に難しいので,対処する予定は今のところありません.
Q. 画面が崩れることがある
A.
時々,データを取りこぼすことがあるようです.
ただ,Lynx が原因なのか,ドライバが原因なのかが特定できないのが現状です.
Q. 起動したら日本語が出ない *
A.
付属の lynx.cfg の設定で,文字コード設定が "ISO Latin 1" であることが
あります.
- lynx.cfg の設定を "Japnese (SJIS)" に置き換える
または
- 起動して "o"(オプション) を押し,"c"(character set) で
"Japanese (SJIS)" を指定する.
Q. <TABLE> が左詰めで表示されてしまう
A.
Lynx2-6 の libwww では<TABLE>は表示するだけの対応のようです.
Q. メールが送れない
A.
2-6 Release 8 から、小笠原さんの msmtp.x を使用してメールを送れるように
しました.msmtp.x の設定を正しく行ってから,Lynx で mailto: のリンクを
アクセスして下さい.
また,Option の "Personal Mail Address" に自分のメールアドレスを正しく
指定しておく必要があります.
Q. signal が発生して終了してしまう
A.
少しずつ安定に向かっていますが,まだまだバグの可能性が大いにあります.
発生した signal 番号や直前のメッセージ,使用している環境および設定,
-trace オプションで起動した時の結果,直前の操作 などを送っていただけると
バグ退治の参考になります.
Q. ESP/X, Neptune-X, PPP って何?
A.
ESP/X とは計測技研が発売していた SCSI 接続型のネットワークインタフェースです.
Human68k 用のドライバが用意されており,Lynx for Human68k でも使用しています.
Neptune-X とは,AT互換機で defact standard である NE2000 のクローンボードを
X68k に乗せるためのバスブリッジボードです.
回路データが作者の嶋田さんによって公開されています.
http://www.com.cs.osakafu-u.ac.jp/‾shimada/ether/
PPP とは,Ethernet の代わりに電話回線で TCP/IP が使えるようにするプロトコルです.
IIJ版PPP パッケージが白方さんによって移植されています.
http://www.kdel.info.eng.osaka-cu.ac.jp/‾shira/x68000.html
Neptune-X と PPP は次のような関係になります.
+--------------------------------------------------+
| Application |
+--------------------------------------------------+
| inetd.x (TCP/IP driver) |
+-----------------------+--+-----------------------+
| ether_ne.x (Neptune-X)| | ppp.x (PPP) |
+-----------------------+ +-----------------------+
+-----------------------+ +-----------------------+
| Ethernet | | Modem (Telephone) |
+-----------------------+ +-----------------------+
Q. Lynx の解説書や Web Page は?
A.
英語で良いならば,オリジナルのアーカイブに Lynx から読める
Lynx ヘルプファイルが付属しています.
ftp://ftp2.cc.ukans.edu/pub/lynx/
Lynx の情報は次のところで得られます.
http://www.lynx.browser.org/
http://www.crl.com/‾subir/lynx.html
日本語となるとなかなかないもんです.
Lynx を日本語化してくださったあさださんのホームページ
http://www.three-a.co.jp/‾asada/lynx/
が参考になるでしょう.
また,東工大の佐々木さんが現在の Lynx ヘルプファイルの日本語訳を作成
されています.(作業が減って良かった:-))
http://katayama-www.cs.titech.ac.jp/‾sasaki/data.html#Lynx
私が参考にしたのは次の文献です.
岡山聖彦,片山喜章:"UNIX の道具箱 13 World Wide Web ブラウザ編(2)",
UNIX Magazine 1995年11月号,アスキー,1995
Lynx for Human68k の情報については
http://rocana.aist-nara.ac.jp/‾hayashi/museum/neptune.html#lynx
を参照してください.
Q. 次のバージョンは?
A.
本家では Lynx2-7 が 正式にリリースされました.
現在,Human68k に対応作業中ですが,2-6 に比べて不安定になる可能性があります.
そのため,当分の間は 2-6 Release 8(以降) を 正式版とし,2-7 の対応とバグ出しを
することになりそうです.
ちなみに,通常使う分には 2-6 と 2-7 は大差ありません:-)
kunihi-h@is.aist-nara.ac.jp