前回、あん摩師でない「乳もみさん」もいたようだと書きましたが、「乳もみ」の技術は、大正・昭和のあん摩マッサージの教科書に記述されているものもあることから、あん摩業務の一部と一般的には見なされていたようです。（なお全国的なあん摩師の資格制度が整ったのは明治４４年の「按摩術営業取締規則」からです。）昭和３４年の法律改正で助産婦や看護婦も医師の許可なく乳房マッサージ（すなわち「乳もみ」）ができるようになり、昭和５０年代の桶谷式のブームなどの影響から、乳房マッサージは助産婦の業務と見なされるように変わったようです。その背景には、病院出産の流行がありました。あん摩師のマッサージは痛い、桶谷式マッサージは痛くない、と一般的に言われるようですが、もう少し詳しく「乳もみさん」の活動を見ていきたいと思います。
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