みどり日記 2001/08/15 医療保険制度と医療−東洋医学と西洋医学−

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みなさんは、東洋医学に親しんでいますか。私は、小さい頃から西洋医学の治療ばかりを受けてきたようです。
西洋医学の浸透は、医療保険制度のおかげだと思います。保険適応されれば、患者が支払う料金は、ごくわずかであるからです。私も、ちょっと風邪をひいただけなのに、診療所へ受診しに行きます。保険のおかげで、多くの患者の命が西洋医学の恩恵をうけて、救われたことでしょう。

ところが、保険制度が浸透する前は、西洋医学の医師にかかることは、大変なことでした。死んで初めて医者を呼ぶ、ということもまれではなかったようです。
それに対して、東洋医学−特に鍼・灸・マッサージ−は、もっと身近な存在でした。鍼・灸・マッサージ師の施術だけでなく、家庭でも、東洋医学が行われていました。例えば、昭和10年代の婦人雑誌−『主婦の友』−などを見ても、お灸のすえ方の記事が数多く載せられています。お金持ちだけでなく、広く人々に受け入れられていた治療法であったようです。

ところが、現在では、東洋医学は、保険が基本的には適応されないために、患者の足が遠のきがちです。もっとも、西洋医学の医師による紹介状があれば、保険が適応されることがありますが、そのためには、東洋医学に理解のある医師を探さなければなりません。

現在では、鍼・灸・マッサージは、施術所にもよりますが、一般的には一回の施術料は3.000〜5.000円ほどかかります。このため、鍼・灸・マッサージを受ける患者層は、お金持ちの人たちとなりがちです。この変化を、私たちはどのように考えたらよいのでしょうか。
西洋医学は、感染症や急性疾患などの治療には効果を発揮します。でも、西洋医学は万能ではないのです。(もちろん、東洋医学も万能ではありません)
日常的に受ける医療は、このような医療保険のあり方に左右されているということを、私は改めて考えました。


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Last modified: $Date: 2008/05/24 06:22:45 $