厚生労働省の生殖補助医療部会は10日、最終的な報告書をまとめたそうです。
その内容を要約すると、
ということです。
精子の提供は戦後まもなくから行われてきました。ですから、卵子の提供が半世紀以上たってやっと認められた、と考えることもできます。でも、問題となるのは、精子、卵子、受精卵の提供者が匿名の第三者に限られ(兄弟姉妹はだめ)、しかも無償で提供されなくてはならないという点です。
採取することが簡単な精子は、無償で提供する者が(「献血」のように)現れるでしょう。(現在行なわれている精子提供は、提供者に何らかの謝礼が出ているのでしょうか?調べてみます!)しかし、卵子や受精卵はいったい誰が無償で提供するのでしょうか?卵子や受精卵の「採取」は、肉体的・精神的、時間的・経済的な負担が強いられます。だから、不妊治療を産婦人科で受け、必要なくなった自分たちの卵子や受精卵を、不妊のカップルに提供することになるでしょう。不妊治療の現場で、こうしたカップルたちは、自分たちの「余剰」卵子や受精卵を、別の不妊患者のために使って良いか、尋ねられるでしょう。しかし、実際に不妊治療にあたる医師の所属する産科婦人科学会では、提供「受精卵」による不妊治療は認めていません。つまり現在は、提供「受精卵」による不妊治療は、受けたくても受けられない状態にあります。
さらに問題だと思うのは、生まれた子どもに遺伝上な親の情報を提供することです。子どもは、遺伝上の親を知ることで、おそらく心理的・肉体的なストレスに見舞われるでしょう。遺伝上の親もそうです。また、育ての親であるカップルにとっても、大きなストレスとなるでしょう。私は、子どもに「出自を知る権利」を与えることに反対ではありません。しかし、こうした子どもや提供者そして不妊カップルたちに対して、心身のケアが十分に行なわれる必要があると思います。