むかし、とても欲しかったビデオがありました。それはとあるバンドの最後のツアーをビデオ化したもので、それが発売された当時、私は浪人生活を控えた高校三年生でした。以前のバイトの蓄えがまだ残っており、それほど金銭的に貧しかったというわけではありませんが、それ以前に精神的に貧しかったのでしょう、何度も店頭でそれを手に取りましたが、結局買うことはありませんでした。お金をけちったわけです。

 

欲しいのなら、手を伸ばせ
 

そして、それから何年かが経ちました。わたしはそれなりの収入の得られるバイトをしていて(日給換算で、サラリーマンの今より高い!)、あるていどのお金も貯まりました。そのお金を持って、私はそのビデオを探しました。でも、もう遅いんですね。いくら探しても、もう売っていないんです。欲しいと思ったら、その時に手に入れなければいけないんですね。欲しいと思ったなら、躊躇しないで手に入れろ!これは鉄則です。その時は気が付きませんでしたが・・・。

で、振り返ってみると、私はすごく恥ずかしいことをしたのだと思います。お金なんて、欲しいモノを手に入れるための手段でしかないのに、その目的を果たすことなく、お金をまたふところに戻してしまったのです。それならどうして私はお金を稼いだのでしょう。欲しいモノを買わないのなら、お金なんて要らないではないですか。本末転倒ですよね。欲しいモノを手に入れられないのなら、お金なんてゴミも同然なのに。昔、藤谷さんが、「100円でポテトチップは買えますが、ポテトチップで100円は買えません」と、どっかのCMで言っていたように記憶していますが、まさにそのとおりですよね。

また、私は自分の「それが欲しい」という欲求を、信じ切ることが出来ませんでした。こころにうそをつき、欲求を押し殺す、それもただ単にお金を惜しむがために。自分が思ったことを信じられないのなら、人間としておしまいですよね。

「買わないで後悔するよりも、買って後悔する方がましだ」---これが私のいたった結論です。ですから私は欲しいと思ったらガンガン買います。たとえいまいちだと思っていても、好きなミュージシャンのアルバムなら買っちゃいます。(程度もあるけどね(^^;))ホーリーワーバートンさんが2万円の写真集を出したのなら、横浜まで買いに行きます。それを電車の中に置き忘れたのなら、もう一冊買っちゃいます。変な置物だって買っちゃいます。カレンダーだって、毎年五つも六つも買っちゃいます。30万円のマックだって買っちゃいます。メモリだって、96メガ積んじゃいます。

もちろん、なかには後悔するようなもあります。しかし、その時その時で自分が欲しいと思ったものですからね。例えば宝くじを100回買って、そのうち1回が当たって、残り全部がはずれだったとしましょう。じゃあその当たり、1回だけ買えばいいじゃないかと言っても、それは無理というものですよね。はずれがあって、あたりもある。しごく、当然のことだと思います。その試行錯誤の中で、自分のものを見る目がよくなったらいいと思います。

で、一気に話をまとめますと、(かなり強引ですが・・・)これって別に買い物の話だけではないんですね。欲しいのなら、手を伸ばせていうのはもちろん地位にも名誉にも当てはまりますし、恋愛だってそうです。なんか似たのがが聖書にもありましたね。

PS このビデオは先日再発され、購入することが出来ました。泣きたくなるくらい嬉しかったです。

PS2 お金を貯めに貯めて、そのあげく詐欺やインチキ宗教にころっと騙されて、全財産持ってかれる人って、いますよね。やっぱり普段からお金を使う癖をつけておくのは、大切なことだと思います。



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