「さようなら世界夫人よ」考


頭脳警察の代表的なナンバー、「さようなら世界夫人よ」についての勝手な考察です。

昔の文面は青臭さがぷんぷんしていたので大幅に修正しました(2003.05)

 

さようなら世界夫人よ

作詞 ヘルマン・ヘッセ
訳詞 植村 敏夫
歌  頭脳警察(アルバム「頭脳警察1」ほかに収録)

世界はがらくたの中に横たわり
かつてはとても愛していたのに
今 僕等にとって死神はもはや
それほど恐ろしくはないさ

さようなら世界夫人よ さあまた
若くつやつやと身を飾れ
僕等は君の泣き声と君の笑い声には
もう飽きた

世界は僕等に愛と涙を
絶えまなく与え続けてくれた
でも僕等は君の魔法には
もう夢など持っちゃいない

さようなら世界夫人よ さあまた
若くつやつやと身を飾れ
僕等は君の泣き声と君の笑い声には
もう飽きた

 

 

僕はこれをアメリカの正義、もしくは世界戦略の歌だと解釈しています。

例えているのは、こんな感じで。↓

世界夫人・・・世界布陣(パックスアメリカーナ)、もしくは自由の女神(= アメリカ)

がらくたの中・・・廃墟となった、戦後の国々の様子(日本、ベトナム、ボスニア、イラクetc)

君の魔法・・・戦後民主主義、アメリカの正義

 

97、8年の頃にこれを発表したときはけっこう多くの方の同意を得ていたので、僕は得意になっておりました。ところが----。

「PANTA 暴走対談」というPANTAの本が2001年に発売されました。彼はこの本の中で、この詩について少し語っています。曰く、この詩のテーマは「死ぬな、生き抜け」って事だと勝手に解釈しているとのことでした。これを読んで僕は少なからずショックを受けました。僕は「アメリカの正義なんざクソ食らえ」がこの詩のテーマだと、勝手に解釈しており、生き抜けなんてことは全く読みとってはいなかったわけですから。

でも、時は流れ2003年。イラク戦争を見て、僕は改めて思います。これはアメリカの歌だと。僕のこの解釈は、きっと、ずっと、変わりません。これからもたくさんの街ががらくたの中に沈み、アメリカの正義が世界を席巻していくことでしょう。



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