「たったひとつの青春」

 

すでに廃刊になってしまいましたが、昔マルコポーロという雑誌がありました。この雑誌がある時、全共闘を特集しました。その号の表紙のコピーが以下のようなものでした。「全共闘なんて知らないよ、でもオンリーイエスタデイ」。僕は英語がさっぱりなので、オンリーイエスタデイなんてイディオムは知りません。「たった一つの昨日」。これを僕はちょっと強引かもしれませんが、「たったひとつの青春」と解釈しました。

四十、五十になった全共闘世代のオッサンが同窓会で、昔を振り返るわけです。で、「バカな時代だった」とか「学園闘争で青春を台無しにされた」「若かったよなぁ」とかみんな言うわけです。若き日の、恥ずかしい思い出。でもその中で、ひとりがぼそっと言うんです。

「でも、あれがオレ達の、たったひとつの青春だった」

青臭くて恥ずかしいけれど、でも、それが青春なのです。

 

註 オンリーイエスタデイはただたんに「つい昨日のこと」と訳すらしいです。
  ちなみにURLの綴りも間違っていますねん。

お言葉に戻る