国家資格 臭気判定士
ジミー大西がまだ芸能活動をしている頃、あるテレビ番組の企画で、何人かの人の持ち物の匂いを嗅いで、それが誰の持ち物か当てるという対決をしていた。
対決の相手は警察犬である。
人間の何千倍かの嗅覚を持つと言われる犬、その中でも特別な訓練を受けている警察犬に、かなうはずがないと考えるのが常識的な線だと思うが、結果はなんと引き分けだった。
テレビ番組の企画なので、対決の結果をそのまま信じるのは憚られるが、それでも世の中には普通より優れた嗅覚を持つ人は、間違いなく存在する。
余談だが、犬が人間の何千倍かの嗅覚を持つといっても、匂いが何千倍かの強さで感じられるわけではなく、匂いの違いを識別する能力が高いということらしい。
もし、匂いの強さが何千倍かで感じられたら、自分のフンの臭いを嗅いで失神した犬が、街中の至る所に溢れることは必至だと思われるので、万物の創造主である神に感謝したい。
閑話休題。今朝の朝刊一面にこんな通信講座の広告が載っていた。
『臭気判定士』である。
広告によると平成8年に新設された国家資格と言うことだが、いったいどのような業種を想定した資格なのだろうか。
広告を良く読んでみると以下のように書いてある。
(1)将来性ある有望資格!!
(2)環境問題が重要視される現在(中略)各自治体や大企業各社から引く手あまた!
(1)は、ふむふむ確かにそうかもね〜という感じだが、問題は(2)の方だ。
『環境問題』と『各自治体』というキーワードが、とても不吉な感じを醸し出している。
先日、埼玉県産ほうれん草のダイオキシン騒ぎがあったが、まさか、あのような問題があった時にお呼びがかかって、
「くんくんくん。ふ〜む。やはり、ダイオキシンのまったりとした香りが…」などと判定するのだろうか?
それとも、オウム真理教のサティアンへ踏み込むときに捜査員が持っていたカナリアの代わりに、異臭を感じた時にいち早く、
「オハヨー オハヨー」と鳴いたりするのだろうか。(カナリアは物真似をしない気もする)
いずれにしても、もしもこの想像の通りなら、確かに引く手あまたで高収入を望めるかもしれないが、収入の伸びと反比例して寿命は縮まりそうな気がするから、かなりやりたくない感じだ。
しかし、実際にはそんな訳はないだろうから、もし、臭気判定士に関する詳しい情報をお持ちの方がいらっしゃったら、メールをいただけると幸いです。
最後に、もう一度通信講座の広告を良く見てみると、教材が「テキスト」と「ビデオ」だけなのに気がついた。
本当にそれで臭気判定能力を鍛えられるのか?と杞憂しつつ、この辺で終わりたい。
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