インターネットワイフ

 インターネットが大流行だ。猫も杓子もインターネット。

 「猫も杓子も」という慣用句はよく使われるが、杓子というのは何なのかご存じだろうか。

 杓子とは岩波国語辞典によると、

  飯・汁などをすくう皿形の部分に、柄がつけてある道具。しゃもじ。

 とある。

 ということで、猫がインターネットを使う可能性は皆無とは言えないだろうが、杓子がインターネットを使う可能性は限りなく0であろう。

 それに杓子にPCを使われたら、ご飯や汁がキーボードやマウスに付きそうでちょっといやだ。

 閑話休題。

 インターネット冷蔵庫というのをご存じだろうか。冗談では無く、本当にあるのだ。

 冷蔵庫のトビラに15インチの液晶画面がはめ込まれ、画面に向かって「おいしいメニューを実行」と呼びかけると、食品会社のホームページに接続され、いろいろなメニューが表示されるそうだ。

 また、外出するときには画面の上にあるデジカメとマイクにより、子供へのメッセージを録画することもできるらしい。

 確かに冷蔵庫というのは、マグネットで家族へのメモや料理のレシピを留めたりする事も多く、福谷大の経営企画室長が「情報をやり取りする場にふさわしい」として、インターネット冷蔵庫を着想したのもうなずける話だ。

 さて、この例を見るだけでも、今後、身の回りのあらゆる家電、道具にインターネットが組み込まれていくことは想像に難しくない。

 そこで、この稿ではそれらを先取りして、インターネットを組み合わせたら便利なものについての提言をしてみたいと思う。

 まず、インターネットトイレ。

 便座に座っただけで、体重、体脂肪率を計算し、また排泄物の成分を分析し、サーバへデータを送信することで、健康状態をチェックできる。

 ただし、インターネット冷蔵庫とは違い、デジカメやマイクによる画像の録画や、ワールドワイドな配信機能は、一部の人を除き必要無いと思われる。

 次は、インターネットたわし。

 洗っている物の硬度、粘度、ph値などをサーバへ送信し、適切な洗剤やお湯の温度、洗い方などを知ることが出来る。ただし、流し場で使われることが多いのでウォータープルーフについて考慮する必要があるだろう。

 また、たわし自体、東京フレンドパークなど、テレビのクイズ番組のハズレの景品として使われることが多いため、インターネット接続機能の追加によるコスト増について併せて考慮したい。

 次は、インターネットベッド。

 横になるだけで脊椎の曲がりを測定し、矯正するための適切な形状に変化する。寝心地も最高だ。

 ベッドと言うことで、オプションとしてさまざまなものが考えられるが、ここでは敢えて触れないで置こう。ヒントは48。

 最後は、インターネットワイフ。

 誤解しないで欲しい。巷に出回っているオランダ妻(和名)とはなんら関係が無い。

 インターネットワイフは、インターネット冷蔵庫、たわしなどの技術を統合したものになるだろう。

 インターネットワイフは、家事全般に関して、インターネットから豊富な情報を引き出し、活用することにより、あらゆる家事を完璧にこなすのは元より、最新のニュースにも詳しく、話題にも事欠かないという素晴らしいものだ。

 もしも、インターネットワイフが完成すれば、未婚・既婚を問わず、欲しがる人が殺到することだろう。

 まあ、おれの場合は、このインターネットワイフの機能に、おれへの愛を加えた素晴らしい妻(人間)がいるので必要ないが…

 という嘘で、この稿を締めくくっておこう。

 いずれにしても、家電や道具をネットワークで結び、有機的に連携し、機能させることで、従来では考えられなかった使用法が生み出される可能性が高まることは間違い無い。

 どんなユニークな製品が出てくるか、非常に楽しみである。

 

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