究極の風水財布
ドクター・コパは冷蔵庫の扉に領収書やメモを貼り付けるのは風水上良くないと言ったが、同時に黄色を身につけると金運が高まるとも言っているのを聞いたことがある。
だからと言って、この財布はいかがなものだろう。
この財布は驚くべき事に、以前「世紀末に大金をつかむ」で紹介した財布を販売している会社と同じ会社が販売している。
広告によると今回の財布は「黄色い財布がもたらす大金運」とある。次から次へとすばらしい財布を生み出す様は、数年前の小室哲哉なみである。
広告で、ちょっと気になったのは、写真右上のコピーだ。
- 財布にいつも万札がギッシリ!
- 負け知らずの連戦連勝!
- アッという間に借金返済!
- もうすぐ億万長者に!
- 宝くじで大当たりが!
と、いずれも文章が途中で切れている感じがする。最悪の場合、このように文章が続くこともあり得るのでは無いだろうか。
- 財布にいつも万札がギッシリ(入っているらしいよ。高橋秀樹は)!
- 負け知らずの連戦連勝(でしたね、開幕の中日は)!
- アッという間に借金返済(するためには、相当ハードに働かないとネ)!
- もうすぐ億万長者に(宮尾進がインタビュー)!
- 宝くじで大当たりが(3億円になりました。前後賞合わせてですが)!
これについては想像の域を出ないが、用心するに越したことはないだろう。
例によって、購入者からの「嬉しい報告」が続々と届いているようだ。抜粋して紹介しよう。
プレハブ工場から自社ビル建設へ 和歌山県 会社経営48歳 今から4年ほど前まで、私の会社の業績は最悪でした。そんなとき易者の先生からすすめられたのが、この財布です。
当時は1億円近い借金に加え、ベテラン従業員が次々と止めてしまい、家庭内でもトラブルが絶えませんでした。
この財布を持つようになってから、コンスタントに仕事が入りだし、バブルの頃に先行投資で導入した特殊機会による加工技術で外国企業からの受注が大幅にアップしました。
現状の工場(プレハブ)では手狭なため、場所をちょっと郊外に移し、来年の春3階建ての自社ビルを建てることになりました。
どん底から抜け出すために、この風水財布が勇気とやる気をくれたんだと今でも信じています。 |
このような商品を生み出すだけあり、エピソードは巧みである。いや、毎回注釈を入れているが、もし購入者のエピソードが本当だとしたら、巧みという表現は適切ではないが、ここでは敢えて「巧み」としたい。
中小の機械加工業は、今、一番厳しいと言われる業種の一つだがそれを狙い打ちしているところが、トレンドに敏感な会社であることを感じさせる。
また、「自社ビル建設」とは言っても3階建てで、かつ場所を郊外に移すという記述が信憑性を高めている。
今回の財布も前回紹介した財布と同様に、日本を代表する名匠の手による彫刻が施されているそうだ。
手作りということで、前回は煩悩の数108個の限定生産だったが、今回は231個の限定である(231が何を意味するのかは不明。風水に関係するのだろうか?)
前回の財布よりも彫刻の数が多く、複雑であるにも関わらず、販売数が増えているのだが、名匠は大丈夫なのだろうか。
名匠のご健康を心より祈念して、レポートを終わりたい。 |