俳句でGO!

 松の湯というWebサイトの中に、「板の間句会」というコーナーがある。

 ここでは、今から約15年ほど前、情報処理工学における研究テーマのトレンドだったAI(Artificial Intelligence)を、俳句に特化させて実用化したソフトウェアを無料で利用することができる。

 当時、一見無駄に見えた研究も、このように成果として結実しているのを見ると、思わず目頭が熱くなる。

 前置きはこれぐらいにして、さっそくAI俳句マシーンが詠んだ俳句を紹介しよう。念のため言っておくが、ここで紹介する俳句は、一見ランダムな句を組み合わせただけのように感じるかもしれないが、それは気のせいである。

ピクピクと 満員電車 やばいだろ

[解説] 確かにやばい。捕まらないよう注意が必要だ。 

 

夏場所や お茶を濁すな あの人に

[解説] 直接的には貴乃花の洗脳疑惑と若乃花との確執のことを詠んでいるのだが、”お茶を濁すな”で問題を先送りばかりしている現在の政治を風刺している。

 

菜の花や 風の寒さに ホスピタル

[解説] 菜の花が咲く暖かい時期でも、冷たい風が吹けば病気になる。物事が順調に進んでいるときでも、浮かれず気を引き締めて取り組むのが良いでしょうという戒め。

 

息ひそめ 甘い言葉と 腕っプシ

[解説] 一見しただけだと、暗やみで女性を待ち伏せして、どうにかしようとしているような危ない匂いがするが、そうではない。日本外交の稚拙さを憂いた句である。

外交は甘い言葉(日本の場合、主に経済支援がこれに当たる)と、腕っプシ(ブラフ)をうまく使い分けなければだめですよという意。

 

放課後の 青梅街道 我にあり

[解説]   青梅マラソンを目指す高校生の、すがすがしい情感を詠んだ句。ただ、平日の青梅街道は交通量が多いので、その高校生が交通事故に合わないか心配である。

  ここまでは、AIマシーンがすべて自動的に詠んだ句である。

  いかがだろう。今回はこのような日本文化に根差した、すばらしいソフトウェアの存在を紹介できて、私としても光栄の限りである。

追記

 松の湯には、同じようにマシーンが詠んだ句を解説するコーナーがあり、かなりおもしろいので、ぜひ訪問してみて欲しい。

 

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