国鉄債務の陰と光
私の父は15年位前まで、国鉄に勤務していた。今で言えばJR北日本の社員だったわけだ。
もう時効だと思うので告白するが、その昔、国鉄社員は本人だけで無く、家族まで全国の路線に無料で乗車することが出来たりして、まさに国有企業ならではの放漫経営をしていた。(民営化が近づいたころ、さすがに家族の無料パスは無くなったものの、社員は相変わらず無料だった)
だから、旧国鉄債務を今や民営企業のJR各社が負担したり、国民の税金を投入したりするのを見ると、多少なりとも心が痛まないでもない。
昨年、数ヶ月間禁煙をしていたのに、その禁を解いたのは、たばこ税が旧国鉄債務に充てられるというニュースを聞き、多少なりとも貢献できれば、と考えたためである。
嘘はさておき、父が国鉄に勤務していた伝で聞いたニュースがある。
JR各社で最も業績の良いJR東日本だが、やはりうん兆円単位の有利子債務を負担するのは厳しく、リストラを含むあらゆる面での合理化を進めている。
その一環として車両台数の低減という目標があるのだが、複雑なダイヤとの兼ね合いで現場はかなり頭を痛めているようだ。
しかし上層部の決意は堅く、平成12年の春から試験的に山手線の車両台数低減を実施することが決定した。
具体的には「全車両連結方式」という方式で、専門的なことはわからないのだが、簡単に言うと山手線一周分の車両を全て連結し、隙間無く走らせるということらしい。
これにより車両台数が現行の約1/2に低減可能であり、メンテナンス費用の低減と、車両の切れ目が無いことで、どのタイミングで飛び込んで良いかわからなくなり、電車への飛び込み自殺も無くなるという副次的な効果も狙っているらしい。
客の立場で見ると、万が一、居眠りして乗り過ごしても、わざわざ降車して向かいのホームへ移動したりしなくとも、乗車したまま進行方法と逆に猛ダッシュすれば前の駅まで戻れたり、せっかちな人なら進行方法へ猛ダッシュすれば、定刻より早く目的地に到着できたりして至れり尽くせりである。
実施が待ち遠しいサービスだ。 |