データは以前のバージョンのRef 2000とも、また Windows、Linux、Mac OS Xのいずれの環境で作成された場合でも、無修正で相互に利用することが可能です。それぞれの文字のエンコーディングの違いや改行コードの差違は出力の際にプログラムが適切に処理します。
ただし、以下の点で以前のバージョンとは異なった点がありますので、ご注意ください。
Back slash (¥記号)
QRef ではWindowsだけではなく、Linux、Mac OS X で作成されたデータも何の変更も無く扱えるようにしています。Windows独自の仕様は少し制限されます。
D:¥My Documents¥RefData¥Record.pdf は
D:/My Documents/RefData/Record.pdf と自動的に変換されて利用されます。
Windowsでは当たり前のファイルパスはLinuxやMac OS Xでは通用しません。まずドライブという概念がありません。従って、リンクの設定においては、ファイル名を絶対パス(ドライブが書かれているパス)で書き込むことを避けてください。 どのプラットフォームでも問題なく利用するためには、規定のリンクフォルダを使用するか、リンクパスをあらかじめ設定する方法を採用してください。上記のような絶対パス指定の場合はLinuxやMac OS Xでは無意味なパスとして無視されます。改行コード
Windows、Linux、Mac OS Xはそれぞれ異なる改行コードを使用します(Windows では CR-LF、Linux では LF、Mac OS X では CR が使用される)。この違いを吸収するために、QRef では改行に <br> を機能コードとして使用します。以前のバージョンのデータの中に埋め込まれた改行コード(著者や題名において Editor や Book title を書き込むために使用した強制改行など)は適切に処理されるので、意識する必要はありません。ただし、QRef で作成したデータを Ref 2000 に戻して使用する場合は、<br> が機能コードではなく、単なる文字列として扱われます。
タブ
QRefのレコード画面で使用するQTextEditの内部構造の制限のために、タブコード"\t" を <br> と同居させることができません。したがって、一つのフィールドの中に改行が入っている場合にはタブを使用することができません。今後の工夫が必要です。
リンク
QRef の標準モードのリンクは、一つのレコードに一つのディレクトリ(フォルダ)が対応します。従って一個のファイルをリンクすることも可能ですし、数多くのファイルやディレクトリを含む複雑なリンクをすることもできます。一つのレコードに別の文献ファイル(例えばそのレコードに関連する文献全部など)をリンクすることも可能です。
インターネットのURLのリンクは従来通り、Memo field に書き込まれます。また、Ref for Windowsのリンク形式を継承する互換モードを用いることも可能です。詳しくは『Tools』-『Link options』のヘルプを参照してください。部分ファイル
部分ファイルはそれぞれの文献ファイルの所属のディレクトリに一括して保存することにしました(文献ファイルの名称が Papers.ref の場合、ディレクトリ名は Papers となります。このディレクトリは自動的に作成されます)。部分ファイルは *.prt の形式をしています。一括して文献ファイル所属のディレクトリに移動すれば、そのまま使用できます。
インデックス
インデックスのサイズが固定となりましたので、Ref 2000のデータをそのまま使用する場合には、新たに『Tool』-『Rebuild index』で再編することをお勧めします。Ref 2000で使用していたインデックスの最大長となるので、機能が制限されることはありません。
書式ファイル、タグファイル
書式ファイル、タグファイルは一つの書式や読み込みタグに対して一つのファイルが対応します。それぞれ、プログラムのデータを保管するディレクトリに保存するのが便利ですが、他のディレクトリで管理することも可能です。書式ファイル、タグファイルともにテキストファイルです。
リッチテキスト出力
データをリッチテキストとしてクリップボードに出力する場合、リッチテキストそのものではなく、簡易HTML文書として出力するようになりました。外見上は同じように取り扱えるはずです。
ファイルの削除
ファイルの削除をごみ箱に行うことができません。今後工夫が必要な点です。
正規表現による検索
正規表現を用いた検索が可能となりました。また該当する文字列を文字色を変えて表示する機能(highlighting)も可能となりました。