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Japanese Jaws

日本人の顎

数千年規模の退化

日本テレビ FAR EAST RESEACH.Co. の 1996/12/08 放送 "日本人の顔に大激変が起こっている" によれば,日本人の顔はこの百年間になんと,本来ならば数千年を経なければならないほどの急激な変化が起こっているという.

具体的には,顎が小さくなり,鼻が高くなり,顔が長くなったというのだ.この退化は今も続いており,上記ページによれば

もし、このままあごが退化すると、100年後にはなんと顔幅30%ダウン、鼻は高くなり、顔の長さは約1.5倍強にもなってしまうのだ。

そしてこの変化の原因として,食べ物が軟らかくなったことをあげている.

階級間の格差

上記の番組では,この変化を "退化" と表現しているが,これを世代間の "格差" としても表現できるだろう.その原因は食べ物の軟らかさだという.

食べ物の軟らかさが原因ならば,かつての日本では階級間の食べ物の格差も現代以上にあったであろう.今は,一億総中流階級時代を経て,まぁまぁ,皆似たような食事をとるようになったが,かつてはもっと差があったのではないか ? 現代では,世代間の格差は,乗っている車や身につけているブランドなどで,裸にして比較してしまえば,区別は難しい.そんなに豊かでなくても,腹の出た人は沢山いる.そういえば昔フランスでは,貴族階級の豊かさの象徴として太ることが流行したそうな.今は国全体がある程度裕福,飽食の時代などと表現されたこともあった.

明治以前の日本では,現代以上に階級間の食糧事情が異なるとすれば,今世代間に見られるのと同程度の骨格の違いが見られた可能性が高い.すなわち,顔つきを見ただけで,裕福な暮らしをしているか否か,ある程度分かったと推測できる.

だとするならば,粗暴な田舎侍と貴族や豪商などのお姫様が主役となる時代劇があったとしよう.どちらも美男美女に演じらていても,本当はお姫様は現代人に近く,田舎侍は顎が張り,顔が短く,鼻もペタンコ.身なりだけでなく,顔つきからして粗暴であったことが想像できる.そんな想像をしながら,時代劇を見てはいかがだろうか ?

先祖返り

ちなみに,わたしは頭皮が動く.さらに,拳が口の中に入る.拳が口の中に入ることに気づいたのは,かつて新撰組の近藤勇が拳が口の中に入ることを自慢していたのを,テレビ番組でやってみたら,できてしまったのだ.そんなわけで,わたしはどうやら退化に乗り遅れてしまった人種らしい.

そんなわたしも,親知らずには苦しんだ.親知らずも,顎が退化した結果,歯が余ってしまったものである.昔はもっと顎が発達していたので,今日余っていた歯も全て使い切っていたはずである.

かつて地上に上がった生物の前足は六本足だった.フィリピンなどでは,今も六本指の子が現れる.フィリピンでは,これはラッキーの印と言う.だから,堂々と名乗り出るのだろう.四つ葉のクローバーみたいなものだろう.このような現象を先祖返りという.

先祖返りの結果として,全ての歯を使い切っている者もいるかも知れない.しかし,そういう人はきっと何ら問題がないので,歯医者へ行かないのだろう.ただ,見てくれで顎が張っているかもしれない.

日本や他国では聞かないけれども,六本指の人は似たような確率で生まれているはずだ.ただきっと差別されるから,表に出てこないのだろう.親知らずを使いこなしている人も,困っていないから歯医者に行かず,表に出てこないのだろう.

野武士などから見て,顎が細く,鼻も高い,見てくれからも優雅な貴族などの娘に高嶺の花として恋い焦がれることもあったのだろう.恐らく,似たような事情は,日本以外にもあったに違いない.


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