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●地上デジタル放送の音質●

■2010年2月28日(日)■

チャットで聞いた話によると、なんか最近、NHKが「地デジは音がいい」というような宣伝をしているらしい。
ところが、実際に複数の電器屋で展示してある(かなり大型の)テレビで地デジの音を聞いてみたら、これが「これで音楽番組とかやるのか?」と言いたくなるような酷い音である。(実際に音楽番組を聞いたわけではない。ニュースとかのアナウンサーのしゃべり声だ。)
複数の店舗の複数の違う機種のテレビで聞いてるので「そのテレビ固有の問題」ではないのは明らか。(わかっている電器屋は店頭で地デジを流さない、もしくは音量を絞っている。)
具体的にどんな音かというと、「いかにもビットレートが足りない圧縮音声」もしくは「携帯電話を通したような不自然な音」と言えばわかるだろうか。(もちろん、本物の携帯電話ほど酷くはない)
なぜこうなるのか?本当にビットレートが足りないのか?と思ったが、地デジの音声のエンコードは通常AACの144kbpsであるようだ。これはMP3の128kbpsなんかより高音質な「はず」である。しかし実際には、ちょっと聞いただけですぐわかる酷い音。
おそらくその原因は「リアルタイムエンコード」であろう。MP3でもエンコードの速度を売りにしているエンコーダは同じビットレートでも音質がイマイチだ。地デジは現在、アナログとのサイマル放送をやる関係上、(生放送でもそうでない番組でも)基本的にアナログで番組作成し、最終段でリアルタイムエンコードしているはずである。
ではアナログとのサイマルをやる必要がなくなれば状況は改善するか?今は最終段にエンコーダをつけるだけというアドホックな対応で済んでいるが、事前エンコードをやるためには放送業務の流れ全体の大幅な変更が必要になるだろう(当然機器の大幅な入れ換えも必要)から期待が薄い。
むしろエンコーダのハード的な速度向上のほうが期待がもてるが、その速度向上を音質向上よりも(現在2秒程度あると言われる)タイムラグの縮小に使ってしまうと結局音質は今のままとなる。
(まあ、鹿児島でしか聞いてないので、鹿児島の放送局が貧乏で、性能の低い遅いエンコーダしか買えないせいという可能性もある。ひょっとしたら東京とかは現在でももっとマシなのかもしれない。)
……という話をチャットでやったら、
>01:59 (pogpog) 薄型テレビはスピーカーまで小さくなっているから昔より音が悪いのでひゅ
などという反論?らしきことを言った奴がいるが、スピーカーが原因の音の悪さと圧縮音声の音の悪さというのはまるっきり別物。(むしろ大型テレビでスピーカーも割とまともだったのでよけいアラが目立ったみたいな)
関連(するのか?):びい氏の日記。
>FOMAだとものすごく音が悪いのですが、これは通信回線だけの問題ではないような気がします。動画を撮影してそれを再生した時点で音が悪いのでマイクがそもそもよくない雰囲気。
ってさっきも書いたがマイクとかスピーカーとかが原因のアナログ的な音の悪さと圧縮音声の音の悪さは完全に別物で、聞けば一発で区別がつくはずですが? ていうかおそらくそれは内蔵メモリに動画を記録するだけでも容量節約のために通話と同じアルゴリズムでリアルタイムエンコードやってるせいでは?
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