クラス進化論

     (ダーウィンの進化論を超えて)


[ 更新 2009.03.13 ]  

    ダーウィンの進化論を越える新しい進化論を 紹介します。


 クラス進化論とは、「自然淘汰」「マトリックス淘汰」「クラス交差」を三つの原理として、大進化について「断続的進化」を演繹的に結論する理論(仮説)です。
 原理は自然淘汰だけでない(他の二つの原理が追加されている)という点で、従来の進化論の拡張となっています。
 また、「連続的進化」(小進化の蓄積による大進化)を理論的に否定するという点で、従来の説とは対照的になります。

( ※ 結局、クラス進化論とは、大進化を説明する仮説です。従来の説は、小進化についてはうまく説明できましたが、大進化については「小進化の蓄積」としか説明できませんでした。一方、クラス進化論は、大進化を説明するために独自の原理を提出します。)



   【 ページ案内 】

     ※ 「早わかり」のページがあります。最初にこれを御覧ください。



  進化論の初歩 [ 2006. 6.25 ] 
     進化論一般の説明。初心者向け。
   
  クラス進化論 早わかり [ 2003. 9.28 ]   ● 
     クラス進化論を簡単に示します。 
   
  クラス進化論の 概要 [ 2003. 9.19 ]   ● 
    【 注記 】
      まったく新しい理論なので、その分、難解です。
      直感的な理解に反するので、納得しがたく思えるでしょう。
      あらかじめ留意しておいてください。

  誤読への注釈            [ 2006.6.18 ] 
    「クラス進化論はトンデモだ」と勘違いしている人向けの注釈

  優勝劣敗とは             [ 2006.11.12 ] 
    「優勝劣敗という概念はただの同語反覆(トートロジー)だ」と信じている人向けの注釈

  利己的遺伝子とは          [ 2006.10.08 ] 
    「利己的遺伝子説とは遺伝子淘汰説の擬人的表現だ」と信じている人向けの注釈

  ドーキンス説の問題         [ 2006.10.03 ] 
    「ドーキンス説は当然のことを述べているだけだ」と勘違いしている人向けの注釈

  血縁淘汰説とは           [ 2009.03.13 ]   New ! 
    ハミルトンの血縁淘汰説についての案内


  進化論 Q&A  [ 2003. 9.24 ]   ● 
      基礎的な質問と回答。
 
  進化論 Q&A 2 [ 2003. 9.30 ]   ● 
      やや高度な質問と回答。   
 
  Abstract [ 2003.10.03 ]   ● 
      英語版 要旨。
   
  進化論全体の 展望 [ 2003. 9.22 ]   ● 
      続編との関係。
 
  第2部 概要 [ 2004.1.12 ]   ● 
      続編 の 概要。(暫定版)
 


  【 蛇足 】
    トンデモとは何か

      [ 2006.10.17 ] 
 New ! 
    「トンデモ」という言葉の意味は?





 【 後日 注記 】

     「否定する」という言葉について

 本サイトは 2003年の9月に公開した。その後、3年を経て 2006年になってみると、修正した方がいいと思える点があるので、注記しておく。
 
 何を修正するかというと、話の内容(具体的論旨)ではなくて、話を述べるときの口調だ。言葉遣いといってもいい。これがちょっと過激すぎるのだ。
 「自然淘汰説を否定する」
 「従来の説を否定する」
 というふうに、「否定する」という言葉を乱用しすぎている。この言葉だけを聞くと、従来の説を全否定しているように聞こえるかもしれない。ただし、正確には、全否定しているわけではなく、部分否定しているだけだ。

 具体的に言えば、「自然淘汰説」を否定するといっても、「自然淘汰による進化」という学説を否定しているだけであり、「自然淘汰」という概念自体を否定しているわけではない。また、「自然淘汰による進化」という学説にしても、小進化については否定しておらず、大進化について否定しているだけだ。
 要するに、従来の説と比べると、大部分は共通しており、異なるのはただ一つ、「小進化の蓄積による大進化」という点だけである。おおざっぱに言えば、「大進化のメカニズム」だけが異なっており、他のほとんどは共通している。
 その意味で、「否定する」という言葉は(全否定を思わせるので)不適切であった。どちらかと言えば、「補正する」とか「拡張する」とか言うべきであった。

 というわけで、言葉遣いが過激すぎたので、その点を修正したい。ただ、今になってあちこちを修正するのも面倒なので、各文書はそのまま放置して、この表紙ページでのみ、修正の意図を告知しておく。読者は、読む際には、文書中の「否定する」という過激な文句を、「部分否定する」とか「補正する」とか「拡張する」とかに読み替えて、適当に理解してほしい。

( ※ ただし、論理的に言えば、「否定する」というのは、「部分否定する」という意味で解釈するのが正しい。たとえば、「白である」を否定して、「白でない」というふうに述べれば、それは、「黒である」ことを意味せず、「灰色である」「赤である」「青である」などがいずれも許容される。「否定する」というのは、「部分否定する」という意味なのだ。この点では、各文書の話は、間違ってはいない。ただ、誤解されやすいので、ここで注記しているわけだ。というのは、「あなたを否定する」というふうに言われると、「自分を全否定された」と感じて、怒り狂う人が多いからだ。)
   2006.10.10  




     原理と体系の違いについて

 誤解を避けるために注釈しておくと、クラス進化論とは、「自然淘汰」「マトリックス淘汰」「クラス交差」という三つの原理そのものではない。では何かと言えば、この三つの原理を組み合わせて構築した演繹的な体系のことだ。
 実は、この三つの原理それ自体は、従来の生物学に似たものが見られる。クラス進化論の特徴は、この三つの原理を基盤としながら、演繹的な体系[大進化を説明する体系]を構築したことだ。
 比喩的に言えば、三つのタネのことではなくて、三つのタネから育った豊かな樹木のことだ。次の図を参照。

                            Ψ
       ...                     ...
   (タネはあっても               (タネがあって
    木は育たず。)                木が育った。)

 クラス進化論とは、タネのことではなく、木のことである。(つまり、大進化を演繹的に説明したことである。)……この両者を勘違いしないように。
   2006.11.18  




     第2部について

 第2部では、さらに詳しいことを説明している。ここでは、さらに「中立説」「ネオテニー」という二つの原理が追加される。
 「中立説」は、木村資生の唱えた概念そのものだ。これは、ダーウィン流の「自然淘汰」を拡張したものである。(否定したわけではない。)
 「ネオテニー」は、本サイトで独自に唱えられるものだ。世間一般に知られた「ネオテニー(幼形成熟)」という概念にきわめて近いので、「ネオテニー」という言葉を使う。ただし厳密に言えば、異なる形で定義されている。より正確に言えば、「遺伝子的ネオテニー」とでも呼ぶべきものだ。(世間一般に知られた「ネオテニー」は、個体レベルで観察される現象だが、本サイトで示されるのは、遺伝子レベルで起こる現象だ。)
 ネオテニーがいかに起こるか、という問題については、「自然淘汰説」よりも「中立説」が必要となる。そこでこの二つがいっしょになって原理となる。
 また、ネオテニーによって進化が起こる過程では、クラス進化論(第1部)の原理が必要となる。(その意味で第2部は第1部の発展編である。)
 第1部は「クラス進化論」と呼ぶべきものだが、第1部と第2部の全体は「非線形進化論」とでも呼ぶべきものだ。この全体(つまり非線形進化論)が、大進化の原理を明らかにする。

   2008.02.25  






【 主な内容 】

   
【 早わかり 】

 ダーウィン説  突然変異  
  


自然淘汰  優勝劣敗
 
  
【 概要 】

◆ 従来の説の問題
   基本
   ドーキンス
   化石
   他の事実
◆ 従来の説の原理
   遺伝子の変化
   環境の変化
   従来の説のまとめ
◆ クラス進化論の基礎
   マトリックス淘汰
   クラスという概念
   優者と劣者
   クラス交差

    

◆ クラス進化論の原理
   中心の移転
   遺伝子の集中
   旧種の中心と新種の中心
   二つの中心の関係
   長期的な進化
◆ クラス進化論の結論
   進化は段階的である
   進化は不可逆的である
   自然淘汰と不可逆性

◆ 付録
   (ミトコンドリア)イブは存在しない
   鳥類の進化
  



【 リンク 】

 参考となるサイトです。

   生命と進化     日本進化学会     生命の起源および進化学会     国立遺伝研究所
 


【 作者名 表示 】

 南堂久史
 mail:  nando@js2.so-net.ne.jp
 URL:  http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/biology/

       ( cf.  トップページ  http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/



  • このホームページは、リンクフリーです。リンクはご自由に。
    なお、事後通知していただければ、幸いです。

  • このホームページの内容には、著作権があります。
    ただし、部分的な引用なら、引用元を明らかにする限り、構いません。

  • このホームページへのご意見やご感想は、受け付けておりません。
      (なぜか? 罵倒が来るからです。「揚げ足取り」とか「重箱の隅を  
      つつく」という形。……でもって、臆病になっちゃったんですねえ。)     
. . . . A Link to 量子論・量子力学 & 進化論 & 集合論をめぐって

 [以上]