出典別 外字用例(大辞林)    


 大辞林に用例のあるもので、外字が使われているものの、出典別一覧。
 ( 外字のある箇所は、「書名」「著者名 or 項目名」「本文」のいずれか。)

 以下には、この三つの箇所ごとに区別して、三つの表がある。
 それぞれの表は、第1列(書名)のJISコード順に並べてある。
 (計152例。 うち、同一の外字の重複は、22箇所。外字数は 130 )

 なお、外字が、[zA160][zA15F] ( 長い「く」の字の形 : かな2文字の繰り返しを示す記号 ) の場合は、ここでは用例を省いた。 (計350例)


 出典別 の用例一覧

 書名 に外字があるもの
[zA125]東綺譚 荷風 既に―・れた遊女が
[zA157]風潤一郎 ―と繁茂する桑畑の中の街道を
[zA65E]嚢鈔       人の酒を飲むをつくづくとまもりて、我身は飲まぬは、―して同せぬ心を
歌舞伎・関取菖蒲[zA924]    わしの所は―・じる通り、馬部屋を見るような家でござりますが
歌舞伎・傾城黄金[zAC46]    ええ―な事云ずと、人の来ぬ間においでいなあ
歌舞伎・傾城青陽[zAD40]    ―と金のいる事ばつかり
歌舞伎・蝶[zA365]山崎踊    お願ひ申して償ひ金―いたせしその砌り
歌舞伎・霧太郎天狗酒[zAA79]    どの様に口説ても思ふ様に―・る物ではない
狂言記・[zA852]糊    そこ立つて失せう、―。はつ
作詩志[zA524]    終身詩作に―しても
浄[zA12D]狩    ―・せずと話しや
浄瑠璃・[zA35E]山姫捨松    両人急なる―にて大江の岸より淡路舟に打乗り
浄瑠璃・[zAC75]静胎内[zA23A]    義経が雷でも秀平が鬼神でも、院宣と云ふ―に出
病[zA377]録 梁川 真善美は吾が一心の所産にあらず、吾れは之れを―する能はず
浮世草子・咲分五人[zA275]    ―の丸木の枕
洒落本・[zA65F]閣秘言    こつちから帯といて―・したけれど
洒落本・[zAD2C]意気地    ただつきだすとおもひ―・しちやあぬしも腹あ立ちなんしやうから
洒落本・[zAD2C]数可佳妓    好かぬが―という也
洒落本・つれつれ[zA77E]か川    諸事―を専として
洒落本・玉の[zAC47]    此客―のいやみにて
洒落本・傾城[zA64D]    気しやう高しといへども―をおもてにあらはさず
洒落本・娼妓絹[zA15C]    ―の膏薬でも、とかくなほりません
洒落本・青楼[zA86E]言解    年頃は五十余になれども―若く
洒落本・二日酔巵[zA64C]    ―に筆をとり
洒落本・婦足[zA921]    行灯かきたてながらつくづくと見てとり落とす―
洒落本・婦美車紫[zA822]    和清さん、お前さまはなぜひさしくおいで―・せぬ
洒落本・夜[zAD2C]行灯    ―ばかりでほんのうわきといふものだ

 著者名 or 項目 に外字があるもの
今年竹 [zA73A] ―の反感から
多情仏心        [zA73A]  ―を連れて大阪落ちの
読本・春雨 樊[zA269]  親の―也。よく供養申せ            

 本文 に外字があるもの
いさなとり 露伴 何十年来―に[zA32D](カセ)いだ夫婦
うづまき 敏 [zA439]オロンの弓のまにまに、―する糸のやうな
ふところ日記 眉山 松に―・りて危うき[zA25D]下を行く事少時
安愚楽鍋 魯文 やすみに―・ちておいた[zA860]取(ゴミトリ)なんぞをならべて売りやあがる
安愚楽鍋 魯文 一寸一杯いかがでごすと無理―でも割[zAD29](カツポウ)店へつれこんで
伊沢蘭軒 鴎外 『門人か[zAC3C]か』と見える―を差遣した
伊沢蘭軒 鴎外 此書が[zA523]印(モイン)―せられた
宇治拾遺 一 右の顔に大なる[zA12C](コブ)ある翁ありけり。―の程なり
宇津保 吹上・上 御厨子所の―、[zAC78]着て
佳人之奇遇 散士 心事[zA86A]忙(ソウボウ)―として安んぜず
佳人之奇遇 散士 嗚呼(アア)時不詳にして―[zA765]翔(コウシヨウ)
霞亭生涯の末一年 鴎外 [zA56B]斎の病める霞亭に対する―の工夫の至れるを
 鴎外 梅は―の目を[zA36C](ミハ)つた
欺かざるの記 独歩 家を出でて丘山に逍[zA356]―し
義経記 四 船腹に石[zA355](イチイ)の―を十四五射立てて
近世紀聞 延房 得物を打振りつつ―と[zAB33]結(キリムス)び
金色夜叉 紅葉 潔(イサギヨ)く相果て候が、[zA324](ハルカ)に愈(マシ)と―・き候へば
源氏 若菜上 御すずり・[zA73D]坏(ユスルツキ)・―などやうの物うちうち清らをつくし給へり
古今六帖 二 ―の穂向き繁くしぞ思ふ
古事記 下 手腓(タコムラ)に[zAA2E](アム)―・き
古事記 下訓 兄も又曰ひけらく、―先に[zA138]へといひき
古事記 上 [zA137]悌(ガイテイ)して―に帰り
古事記 上 [zAB4D]貝比売(キサガイヒメ)―・げ集めて
古事記 上 青山に[zA147](ヌエ)は鳴きぬ、さ野つ鳥きぎしは―・む
古事記 中 前妻(コナミ)が―乞はさば、立柧[zA44E](タチソバ)の実の無けくを
皇太神宮儀式帳    豊[zAB37]入婦(トヨスキイリヒメ)を以ちて―として出だし奉りき
今昔 一◯ ただ今日一[zAC68](ヒトシタダリ)の水を得しめて、まづ喉(ノンド)を―・へよ
今昔 五 菓(コノミ)・[zAA6D](クサノミ)を拾はんが為に山野に―・でたらん間
今昔 五 弓の絃(ツル)・胡[zA14E](ヤナグイ)の緒など皆―・めて夜明くるを待つに
今昔 五 形[zAD3E](ギヨウミヨウ)(=容姿)端正にして―正直なり
今昔 三 ―を作て[zAB7D](ムギコ)に和合して
今昔 七 或いは[zAA7D]械(チユウカイ)、或いは―を蒙れる者
今昔 二九 婚(トツ)ぎて[zAB7B]を―・じつ
今昔 二七 此の負たる胡[zA14E]の―を一筋
沙石 四 人の―もなくして、只世に随ひ[zAC3F](ヘツラ)ひて
沙石 七 貧病乞[zA273](コツガイ)の―にも施せずして
三酔人経綸問答 兆民 [zA452]々(キキ)―の治を保つ
山椒太夫 鴎外 [zAA5A](カタカユ)は塩を入れて―・いである
社会百面相 魯庵 [zAB77][zA529](ドウ)いふ―でせうな、日鉄だけでも大分のものだが
囚はれたる文芸 抱月 ―として大魔王の如く[zA26C]び立てる杉檜
渋江抽斎 鴎外 [zA56B]斎の門下で―を以て聞えた
渋江抽斎 鴎外 養父(=優[zA26D](ヤスシゲ))の優字を―したのである
祝詞 大殿祭 掘り堅めたる柱・桁(ケタ)・梁(ウツバリ)・戸・[zA66A](マド)の―・ひ動き鳴ることなく
祝詞 鎮火祭 吾が[zAD28](ナセ)の命は―を知ろしめすべし、吾は下つ国を知らさむ
祝詞 鎮火祭 吾が名[zAD28](ナセ)の命は、上つ国を知ろしめすべし、吾は―を知らさむ
情海波瀾 欽堂 百花の爛[zA33A]たる好時節を―せり
浄瑠璃・関取千両幟    おお、どうで鷲か[zAA5E](クマタカ)か、―・い猿松め
浄瑠璃・近江源氏    おのれが[zA532]袍(ワンボウ)―・して買うて来い
浄瑠璃・新版歌祭文    [zA37C](カメノオ)の―に是ほどな疣(イボ)がある
浄瑠璃・神霊矢口渡    けふの髪は上村のおみよ様が、―・ててくれなさつた大事の[zAC5C](タブ)を
浄瑠璃・神霊矢口渡    踊り子の―して又[zAB30](ヤサ)しきは
浄瑠璃・嫗山姥    つひに[zAB5B]成(ネイセイ)―の牙にかかつて
新聞雑誌 二三 水路百変傍河村落の悪水[zA87D]泥(オデイ)と共に―し
人情本・英対暖語    お前は[zA326]さんに―・しく別れて
性霊集    [zAB42]行―、何ぞ仏性無からむ
性霊集    ―一[zA730]逍遥に也(マタ)足むぬ
性霊集    ―駐(トド)め[zA433](ガタ)し
性霊集 九 蟷[zAA6A](トウロウ)、車に対ひ、―嶽を負はんが如し
盛衰記 一 南殿に[zA147](ヌエ)の声して一つの鳥―・き渡りたり
盛衰記 三六 佐々木四郎、生[zA447](イケズキ)といふ―に乗つて
盛衰記 八 ―深うして、[zAC7C]慢の幢(ハタ)高し
西国立志編 正直 ―なる地球、[zA573]漫(ビヨウマン)たる洋海
西国立志編 正直 自から―するの志発生せずして、[zA437][zAA67](タンマン)遊惰に至りやすし
草枕 漱石 ―、この乾屎[zA23D](カンシケツ)
続紀 天平神護二宣命 藤原大臣に賜ひて在る―の書(フミ)に[zA560](ノ)りて在(ア)らく
其面影 四迷 ―を無理に薄目に[zA36C](ミヒラ)いて
太平記 一〇 晋は瘡[zA870](ソウイ)にして、越は―也
太平記 一◯ 中門に曲[zA52C]を―・らせて其の上に結跏趺座し
太平記 一三 ―の羽付きたる平胡[zA14E](ヒラヤナグイ)の箙(エビラ)を負ひ
太平記 三 胡[zA146](エビラ)より金磁頭(カナジンドウ)を一つ抜き出し、―・いて
太平記 三九 [zA250]頭(チトウ)の香爐に―の沈水を薫じたれば
太平記 三二 それ人代―の始は[zA156][zAC67]草葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト)の第四の王子、神日本磐余彦尊(カンヤマトイワレヒコノミコト)
太平記 二〇 大慈大悲の薩[zA139]に―し奉らば
太平記 二九 只―の[zA371](ゲキ)を出て、轍魚(テツギヨ)の水を得たるごとくにて
太平記 二四 地蔵薩[zA139](サツタ)の御身、所々に刑鞭のために―・み黒みて
太平記 二四 肥壮多力の鉄牛一頭出で来たつて、地を[zAA7E](ハ)うて吼(ホ)え怒る。舎利弗(シヤリホツ)、一音をいだして―と叱し給ふに
太平記 二七 [zAC7C]慢のみ有りて―おはしまさず
太平記 二二 ―して[zAB40](イビキ)かきてぞ臥たりける
太平記 二六 胡[zA146](エビラ)に差したる―取出して心閑(シズ)かに兵粮(ヒヨウロウ)仕(ツカ)ひ
大鏡 兼通 [zA85C]のうちにものの―としけるがあやしさに
大慈恩寺三蔵法師伝 院政期点 巌壑に―・び枕(ヨ)りて、林泉を[zA352]帯(ケイタイ)せり
栂尾明恵上人遺訓    我より劣りたらん者に向ひて[zAC7C]慢して―・せて又何の益かあらん
鉄仮面 涙香 此言葉は[zA925]陀(バンダ)の胸に毒矢の如く―・へたり
読本・雨月 青頭巾 頭(カシラ)に紺染(アオゾメ)の―を[zA378](カズ)き
日葡    酒ヲ―・ル
日本書紀 允恭訓注 能く[zA929](ソノ)を作るや、―
日本書紀 皇極訓 [zA779]―・うる侶(トモガラ)に預(クワワ)りて
日本書紀 持統訓 是に、―奉りて、楯節[zA138]奏る
日本書紀 神代下訓 初め火[zA26E](ホノオ)―・る時に生める児、火明命(ホノアカリノミコト)
日本書紀 神代上 ―の皮を全剥(ウツハギニハギ)て以て天羽[zA536](アマノハブキ)に作る
日本書紀 神代上訓 [zA564](マキ)以て顕見蒼生(ウツシキアオヒトクサ)の―にもち臥さむ具(ソナエ)にすべし
日本書紀 神代上訓注 吾(ワレ)已に[zAA40]泉(ヨモツ)―せり
日本書紀 神武訓 内木綿(ウツユウ)の真[zAA55](マサ)き国といへども、蜻蛉(アキツ)の―せる如くしあるか
日本書紀 仁徳訓 北の河の[zA222]を―・かむとして
日本書紀 天武下訓 親王より以下、百寮の諸人、…位冠及び[zAC78](マエモ)・褶(ヒラオビ)・―、着ることなせそ
日本書紀 天武訓 [zAA34]忽(ニワカ)に口―・びて言ふこと能はず
日本書紀 敏達訓 高麗の上(タテマツ)れる表[zA821](フミ)、烏の羽に書けり。―、羽の黒きままに、既に識る者無し
日本書紀 武烈 ―には飯(イイ)さへ盛り、玉[zA475](タマモイ)に水さへ盛り
日本書紀 雄略訓 [zA650](ササ)ぐる所の―を覆(コボ)しつ
日本風景論 重昂 山の紫色、藍[zA359](ランテン)色は、細緻―
日本北アルプス縦断記 烏水 ―の[zA928]気に包まれて、天地悠久の感に撲たれた
破戒 藤村 ―な鉦(カネ)、太鼓、鐃[zA130](ニヨウバチ)の音
八幡愚童訓    聖人の徳は―、大菩薩通力は[zAA44][zAB3E](バクヤ)の利剣
肥前風土記    其の夜、夢に臥機(クツビキ)と―と[zA138]ひ遊び出で来て
不如帰 蘆花 武男が―の思ふにまして[zA264](ハゲ)しかりしを見たる母は
浮雲 四迷 [zA226](シン)の首を斜に―・げて
浮雲 四迷 [zA436](ヤツ)れてゐる故(セイ)か顔の造作が―してゐて
浮雲 四迷 決して―し[zA16E]離(キリ)したいとは願はないやうなものの
浮雲 四迷 今[zA82D]処(ココ)で、身を退けば―・べて喜ぶ者がそこらに沢山あることに
浮雲 四迷 私共がこの位の時分にやあ、…―の一つも[zA351]了(カセイ)だもんだけれども
浮城物語 竜渓 ―一頓、余は彼方に[zA55A]斗す
浮城物語 竜渓 水天一色―として涯[zAA3E](カギリ)なく
浮世草子・一代女 六 ―のひら[zAD23](モトユイ)を広畳みに掛けて
浮世草子・一代女 六 尺長(タケナガ)のひら[zAD23](モトユイ)を広畳にかけて、―の雫をふくませ
浮世草子・胸算用 三 台碓(カラウス)の―を[zA12D](モミジ)の秋と詠め
浮世草子・男色比翼鳥    心は―のまはるにひとしく
蕪村句集    [zA568]居士(ホウコジ)はかたい親父よ―
文学史骨 透谷 人間生活の状態を観よ、―[zA25B]々として
平家 一 秦の趙高・漢の王莽・梁の朱[zAC2C]・唐の禄山、―は皆旧主先皇の政(マツリゴト)にもしたがはず
平家 一〇 われ昔薩[zA139](サツタ)にあひて―ことごとく印明(インミヨウ)をつたふ
平家 四 [zA147](ヌエ)かぶらの音に驚いて、虚空にしばし―・いたり
平家 四 [zA147](ヌエ)といふ―禁中に鳴いて
平家 八 ―[zA242](タマキ)・毳(カモ)の幕もて風雨をふせぎ
平家 六 悶絶[zAB21]地(ビヤクチ)して、遂に―ぞし給ひける
万葉 九◯◯ 富人(トミヒト)の家の子どもの着る身なみ―・し捨つらむ[zA432](キヌ)綿らはも
万葉 三四八八 生ふ[zA52F](シモト)この本山の―も告(ノ)らぬ妹が名かたに出でむかも
万葉 三八五五 [zAC50]莢(ゾウキヨウ)に延(ハ)ひ―・れる屎葛(クソカズラ)
万葉 四二◯◯ 多[zA354](タコ)の浦の底―にほふ藤波を
蒙求抄    飾[zA264]は―・ましめと云そ
蒙求抄 四 昭王の[zA832]の―・る西の方にあるぞ
役者論語    ―[zA66B](ドモリ)の様に見へしはいかに
謡曲・邯鄲    さるほどに―や[zA44B][zA246](コウガイ)の杯、これまで持ちて参りたる
落梅集 藤村 緑なす[zA54A][zA32A](ハコベ)は萌えず若草も―・くによしなし
緑簑談 南翠 萎[zA225](イビ)―して居て、往処(ユクトコロ)として饑餓凍餒(キガトウタイ)の歎声を聞ざるはない
緑簑談 南翠 夕暉(ユウヒ)の光りに―として[zA36A]くは
和漢朗詠 秋 ―を[zAA2F](クラ)つて年顔を駐めたる者は五百箇歳
洒落本・一目土堤    金猫の名あれば[zA223](メヌキ)かと思ひ―とは香炉かと思ふ
洒落本・嘉和美多里    されど薄情(ジヨウナシ)不才(テナシ)の―も艶子(イロオトコ)の[zA926]儷(アイカタ)となり
痿陰隠逸伝    ―にては[zA424]巴(キイハ)といひ
蜻蛉 下 [zA763](カトリ)の―三つ縫ひたり



 外字番号順 に並べ替えた用例一覧
  (上のデータを、外字番号順に並べ替えたもの。)
  (重複箇所には ★ をつけた。計22箇所。外字総数は 130[=152−22 ])

外字番号(重複★) 書名 著者等 用 例
[zA125][zA125]東綺譚 荷風 既に―・れた遊女が
[zA12C]宇治拾遺 一 右の顔に大なる[zA12C](コブ)ある翁ありけり。―の程なり
[zA12D]浄[zA12D]狩    ―・せずと話しや
[zA12D]★浮世草子・胸算用 三 台碓(カラウス)の―を[zA12D](モミジ)の秋と詠め
[zA130]破戒 藤村 ―な鉦(カネ)、太鼓、鐃[zA130](ニヨウバチ)の音
[zA137]古事記 上 [zA137]悌(ガイテイ)して―に帰り
[zA138]古事記 下訓 兄も又曰ひけらく、―先に[zA138]へといひき
[zA138]★日本書紀 持統訓 是に、―奉りて、楯節[zA138]奏る
[zA138]★肥前風土記    其の夜、夢に臥機(クツビキ)と―と[zA138]ひ遊び出で来て
[zA139]太平記 二〇 大慈大悲の薩[zA139]に―し奉らば
[zA139]★太平記 二四 地蔵薩[zA139](サツタ)の御身、所々に刑鞭のために―・み黒みて
[zA139]★平家 一〇 われ昔薩[zA139](サツタ)にあひて―ことごとく印明(インミヨウ)をつたふ
[zA146]太平記 三 胡[zA146](エビラ)より金磁頭(カナジンドウ)を一つ抜き出し、―・いて
[zA146]★太平記 二六 胡[zA146](エビラ)に差したる―取出して心閑(シズ)かに兵粮(ヒヨウロウ)仕(ツカ)ひ
[zA147]古事記 上 青山に[zA147](ヌエ)は鳴きぬ、さ野つ鳥きぎしは―・む
[zA147]★盛衰記 一 南殿に[zA147](ヌエ)の声して一つの鳥―・き渡りたり
[zA147]★平家 四 [zA147](ヌエ)かぶらの音に驚いて、虚空にしばし―・いたり
[zA147]★平家 四 [zA147](ヌエ)といふ―禁中に鳴いて
[zA14E]今昔 五 弓の絃(ツル)・胡[zA14E](ヤナグイ)の緒など皆―・めて夜明くるを待つに
[zA14E]★今昔 二七 此の負たる胡[zA14E]の―を一筋
[zA14E]★太平記 一三 ―の羽付きたる平胡[zA14E](ヒラヤナグイ)の箙(エビラ)を負ひ
[zA156]太平記 三二 それ人代―の始は[zA156][zAC67]草葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト)の第四の王子、神日本磐余彦尊(カンヤマトイワレヒコノミコト)
[zA157][zA157]風潤一郎 ―と繁茂する桑畑の中の街道を
[zA15C]洒落本・娼妓絹[zA15C]    ―の膏薬でも、とかくなほりません
[zA16E]浮雲 四迷 決して―し[zA16E]離(キリ)したいとは願はないやうなものの
[zA222]日本書紀 仁徳訓 北の河の[zA222]を―・かむとして
[zA223]洒落本・一目土堤    金猫の名あれば[zA223](メヌキ)かと思ひ―とは香炉かと思ふ
[zA225]緑簑談 南翠 萎[zA225](イビ)―して居て、往処(ユクトコロ)として饑餓凍餒(キガトウタイ)の歎声を聞ざるはない
[zA226]浮雲 四迷 [zA226](シン)の首を斜に―・げて
[zA23D]草枕 漱石 ―、この乾屎[zA23D](カンシケツ)
[zA242]平家 八 ―[zA242](タマキ)・毳(カモ)の幕もて風雨をふせぎ
[zA250]太平記 三九 [zA250]頭(チトウ)の香爐に―の沈水を薫じたれば
[zA25B]文学史骨 透谷 人間生活の状態を観よ、―[zA25B]々として
[zA25D]ふところ日記 眉山 松に―・りて危うき[zA25D]下を行く事少時
[zA264]不如帰 蘆花 武男が―の思ふにまして[zA264](ハゲ)しかりしを見たる母は
[zA264]★蒙求抄    飾[zA264]は―・ましめと云そ
[zA269]読本・春雨 樊[zA269]  親の―也。よく供養申せ            
[zA26C]囚はれたる文芸 抱月 ―として大魔王の如く[zA26C]び立てる杉檜
[zA26D]渋江抽斎 鴎外 養父(=優[zA26D](ヤスシゲ))の優字を―したのである
[zA26E]日本書紀 神代下訓 初め火[zA26E](ホノオ)―・る時に生める児、火明命(ホノアカリノミコト)
[zA273]沙石 七 貧病乞[zA273](コツガイ)の―にも施せずして
[zA275]浮世草子・咲分五人[zA275]    ―の丸木の枕
[zA324]金色夜叉 紅葉 潔(イサギヨ)く相果て候が、[zA324](ハルカ)に愈(マシ)と―・き候へば
[zA326]人情本・英対暖語    お前は[zA326]さんに―・しく別れて
[zA32D]いさなとり 露伴 何十年来―に[zA32D](カセ)いだ夫婦
[zA33A]情海波瀾 欽堂 百花の爛[zA33A]たる好時節を―せり
[zA351]浮雲 四迷 私共がこの位の時分にやあ、…―の一つも[zA351]了(カセイ)だもんだけれども
[zA352]大慈恩寺三蔵法師伝 院政期点 巌壑に―・び枕(ヨ)りて、林泉を[zA352]帯(ケイタイ)せり
[zA354]万葉 四二◯◯ 多[zA354](タコ)の浦の底―にほふ藤波を
[zA355]義経記 四 船腹に石[zA355](イチイ)の―を十四五射立てて
[zA356]欺かざるの記 独歩 家を出でて丘山に逍[zA356]―し
[zA359]日本風景論 重昂 山の紫色、藍[zA359](ランテン)色は、細緻―
[zA35E]浄瑠璃・[zA35E]山姫捨松    両人急なる―にて大江の岸より淡路舟に打乗り
[zA365]歌舞伎・蝶[zA365]山崎踊    お願ひ申して償ひ金―いたせしその砌り
[zA36A]緑簑談 南翠 夕暉(ユウヒ)の光りに―として[zA36A]くは
[zA36C] 鴎外 梅は―の目を[zA36C](ミハ)つた
[zA36C]★其面影 四迷 ―を無理に薄目に[zA36C](ミヒラ)いて
[zA371]太平記 二九 只―の[zA371](ゲキ)を出て、轍魚(テツギヨ)の水を得たるごとくにて
[zA377]病[zA377]録 梁川 真善美は吾が一心の所産にあらず、吾れは之れを―する能はず
[zA378]読本・雨月 青頭巾 頭(カシラ)に紺染(アオゾメ)の―を[zA378](カズ)き
[zA37C]浄瑠璃・新版歌祭文    [zA37C](カメノオ)の―に是ほどな疣(イボ)がある
[zA424]痿陰隠逸伝    ―にては[zA424]巴(キイハ)といひ
[zA432]万葉 九◯◯ 富人(トミヒト)の家の子どもの着る身なみ―・し捨つらむ[zA432](キヌ)綿らはも
[zA433]性霊集    ―駐(トド)め[zA433](ガタ)し
[zA436]浮雲 四迷 [zA436](ヤツ)れてゐる故(セイ)か顔の造作が―してゐて
[zA437]西国立志編 正直 自から―するの志発生せずして、[zA437][zAA67](タンマン)遊惰に至りやすし
[zA439]うづまき 敏 [zA439]オロンの弓のまにまに、―する糸のやうな
[zA447]盛衰記 三六 佐々木四郎、生[zA447](イケズキ)といふ―に乗つて
[zA44B]謡曲・邯鄲    さるほどに―や[zA44B][zA246](コウガイ)の杯、これまで持ちて参りたる
[zA44E]古事記 中 前妻(コナミ)が―乞はさば、立柧[zA44E](タチソバ)の実の無けくを
[zA452]三酔人経綸問答 兆民 [zA452]々(キキ)―の治を保つ
[zA475]日本書紀 武烈 ―には飯(イイ)さへ盛り、玉[zA475](タマモイ)に水さへ盛り
[zA523]伊沢蘭軒 鴎外 此書が[zA523]印(モイン)―せられた
[zA524]作詩志[zA524]    終身詩作に―しても
[zA52C]太平記 一◯ 中門に曲[zA52C]を―・らせて其の上に結跏趺座し
[zA52F]万葉 三四八八 生ふ[zA52F](シモト)この本山の―も告(ノ)らぬ妹が名かたに出でむかも
[zA532]浄瑠璃・近江源氏    おのれが[zA532]袍(ワンボウ)―・して買うて来い
[zA536]日本書紀 神代上 ―の皮を全剥(ウツハギニハギ)て以て天羽[zA536](アマノハブキ)に作る
[zA54A]落梅集 藤村 緑なす[zA54A][zA32A](ハコベ)は萌えず若草も―・くによしなし
[zA55A]浮城物語 竜渓 ―一頓、余は彼方に[zA55A]斗す
[zA560]続紀 天平神護二宣命 藤原大臣に賜ひて在る―の書(フミ)に[zA560](ノ)りて在(ア)らく
[zA564]日本書紀 神代上訓 [zA564](マキ)以て顕見蒼生(ウツシキアオヒトクサ)の―にもち臥さむ具(ソナエ)にすべし
[zA568]蕪村句集    [zA568]居士(ホウコジ)はかたい親父よ―
[zA56B]霞亭生涯の末一年 鴎外 [zA56B]斎の病める霞亭に対する―の工夫の至れるを
[zA56B]★渋江抽斎 鴎外 [zA56B]斎の門下で―を以て聞えた
[zA573]西国立志編 正直 ―なる地球、[zA573]漫(ビヨウマン)たる洋海
[zA64C]洒落本・二日酔巵[zA64C]    ―に筆をとり
[zA64D]洒落本・傾城[zA64D]    気しやう高しといへども―をおもてにあらはさず
[zA650]日本書紀 雄略訓 [zA650](ササ)ぐる所の―を覆(コボ)しつ
[zA65E][zA65E]嚢鈔       人の酒を飲むをつくづくとまもりて、我身は飲まぬは、―して同せぬ心を
[zA65F]洒落本・[zA65F]閣秘言    こつちから帯といて―・したけれど
[zA66A]祝詞 大殿祭 掘り堅めたる柱・桁(ケタ)・梁(ウツバリ)・戸・[zA66A](マド)の―・ひ動き鳴ることなく
[zA66B]役者論語    ―[zA66B](ドモリ)の様に見へしはいかに
[zA730]性霊集    ―一[zA730]逍遥に也(マタ)足むぬ
[zA73A]今年竹 [zA73A] ―の反感から
[zA73A]★多情仏心        [zA73A]  ―を連れて大阪落ちの
[zA73D]源氏 若菜上 御すずり・[zA73D]坏(ユスルツキ)・―などやうの物うちうち清らをつくし給へり
[zA763]蜻蛉 下 [zA763](カトリ)の―三つ縫ひたり
[zA765]佳人之奇遇 散士 嗚呼(アア)時不詳にして―[zA765]翔(コウシヨウ)
[zA779]日本書紀 皇極訓 [zA779]―・うる侶(トモガラ)に預(クワワ)りて
[zA77E]洒落本・つれつれ[zA77E]か川    諸事―を専として
[zA821]日本書紀 敏達訓 高麗の上(タテマツ)れる表[zA821](フミ)、烏の羽に書けり。―、羽の黒きままに、既に識る者無し
[zA822]洒落本・婦美車紫[zA822]    和清さん、お前さまはなぜひさしくおいで―・せぬ
[zA82D]浮雲 四迷 今[zA82D]処(ココ)で、身を退けば―・べて喜ぶ者がそこらに沢山あることに
[zA832]蒙求抄 四 昭王の[zA832]の―・る西の方にあるぞ
[zA852]狂言記・[zA852]糊    そこ立つて失せう、―。はつ
[zA85C]大鏡 兼通 [zA85C]のうちにものの―としけるがあやしさに
[zA860]安愚楽鍋 魯文 やすみに―・ちておいた[zA860]取(ゴミトリ)なんぞをならべて売りやあがる
[zA86A]佳人之奇遇 散士 心事[zA86A]忙(ソウボウ)―として安んぜず
[zA86E]洒落本・青楼[zA86E]言解    年頃は五十余になれども―若く
[zA870]太平記 一〇 晋は瘡[zA870](ソウイ)にして、越は―也
[zA87D]新聞雑誌 二三 水路百変傍河村落の悪水[zA87D]泥(オデイ)と共に―し
[zA921]洒落本・婦足[zA921]    行灯かきたてながらつくづくと見てとり落とす―
[zA924]歌舞伎・関取菖蒲[zA924]    わしの所は―・じる通り、馬部屋を見るような家でござりますが
[zA925]鉄仮面 涙香 此言葉は[zA925]陀(バンダ)の胸に毒矢の如く―・へたり
[zA926]洒落本・嘉和美多里    されど薄情(ジヨウナシ)不才(テナシ)の―も艶子(イロオトコ)の[zA926]儷(アイカタ)となり
[zA928]日本北アルプス縦断記 烏水 ―の[zA928]気に包まれて、天地悠久の感に撲たれた
[zA929]日本書紀 允恭訓注 能く[zA929](ソノ)を作るや、―
[zAA2E]古事記 下 手腓(タコムラ)に[zAA2E](アム)―・き
[zAA2F]和漢朗詠 秋 ―を[zAA2F](クラ)つて年顔を駐めたる者は五百箇歳
[zAA34]日本書紀 天武訓 [zAA34]忽(ニワカ)に口―・びて言ふこと能はず
[zAA3E]浮城物語 竜渓 水天一色―として涯[zAA3E](カギリ)なく
[zAA40]日本書紀 神代上訓注 吾(ワレ)已に[zAA40]泉(ヨモツ)―せり
[zAA44]八幡愚童訓    聖人の徳は―、大菩薩通力は[zAA44][zAB3E](バクヤ)の利剣
[zAA55]日本書紀 神武訓 内木綿(ウツユウ)の真[zAA55](マサ)き国といへども、蜻蛉(アキツ)の―せる如くしあるか
[zAA5A]山椒太夫 鴎外 [zAA5A](カタカユ)は塩を入れて―・いである
[zAA5E]浄瑠璃・関取千両幟    おお、どうで鷲か[zAA5E](クマタカ)か、―・い猿松め
[zAA6A]性霊集 九 蟷[zAA6A](トウロウ)、車に対ひ、―嶽を負はんが如し
[zAA6D]今昔 五 菓(コノミ)・[zAA6D](クサノミ)を拾はんが為に山野に―・でたらん間
[zAA79]歌舞伎・霧太郎天狗酒[zAA79]    どの様に口説ても思ふ様に―・る物ではない
[zAA7D]今昔 七 或いは[zAA7D]械(チユウカイ)、或いは―を蒙れる者
[zAA7E]太平記 二四 肥壮多力の鉄牛一頭出で来たつて、地を[zAA7E](ハ)うて吼(ホ)え怒る。舎利弗(シヤリホツ)、一音をいだして―と叱し給ふに
[zAB21]平家 六 悶絶[zAB21]地(ビヤクチ)して、遂に―ぞし給ひける
[zAB30]浄瑠璃・神霊矢口渡    踊り子の―して又[zAB30](ヤサ)しきは
[zAB33]近世紀聞 延房 得物を打振りつつ―と[zAB33]結(キリムス)び
[zAB37]皇太神宮儀式帳    豊[zAB37]入婦(トヨスキイリヒメ)を以ちて―として出だし奉りき
[zAB40]太平記 二二 ―して[zAB40](イビキ)かきてぞ臥たりける
[zAB42]性霊集    [zAB42]行―、何ぞ仏性無からむ
[zAB4D]古事記 上 [zAB4D]貝比売(キサガイヒメ)―・げ集めて
[zAB5B]浄瑠璃・嫗山姥    つひに[zAB5B]成(ネイセイ)―の牙にかかつて
[zAB77]社会百面相 魯庵 [zAB77][zA529](ドウ)いふ―でせうな、日鉄だけでも大分のものだが
[zAB7B]今昔 二九 婚(トツ)ぎて[zAB7B]を―・じつ
[zAB7D]今昔 三 ―を作て[zAB7D](ムギコ)に和合して
[zAC2C]平家 一 秦の趙高・漢の王莽・梁の朱[zAC2C]・唐の禄山、―は皆旧主先皇の政(マツリゴト)にもしたがはず
[zAC3C]伊沢蘭軒 鴎外 『門人か[zAC3C]か』と見える―を差遣した
[zAC3F]沙石 四 人の―もなくして、只世に随ひ[zAC3F](ヘツラ)ひて
[zAC46]歌舞伎・傾城黄金[zAC46]    ええ―な事云ずと、人の来ぬ間においでいなあ
[zAC47]洒落本・玉の[zAC47]    此客―のいやみにて
[zAC50]万葉 三八五五 [zAC50]莢(ゾウキヨウ)に延(ハ)ひ―・れる屎葛(クソカズラ)
[zAC5C]浄瑠璃・神霊矢口渡    けふの髪は上村のおみよ様が、―・ててくれなさつた大事の[zAC5C](タブ)を
[zAC68]今昔 一◯ ただ今日一[zAC68](ヒトシタダリ)の水を得しめて、まづ喉(ノンド)を―・へよ
[zAC75]浄瑠璃・[zAC75]静胎内[zA23A]    義経が雷でも秀平が鬼神でも、院宣と云ふ―に出
[zAC78]宇津保 吹上・上 御厨子所の―、[zAC78]着て
[zAC78]★日本書紀 天武下訓 親王より以下、百寮の諸人、…位冠及び[zAC78](マエモ)・褶(ヒラオビ)・―、着ることなせそ
[zAC7C]盛衰記 八 ―深うして、[zAC7C]慢の幢(ハタ)高し
[zAC7C]★太平記 二七 [zAC7C]慢のみ有りて―おはしまさず
[zAC7C]★栂尾明恵上人遺訓    我より劣りたらん者に向ひて[zAC7C]慢して―・せて又何の益かあらん
[zAD23]浮世草子・一代女 六 ―のひら[zAD23](モトユイ)を広畳みに掛けて
[zAD23]★浮世草子・一代女 六 尺長(タケナガ)のひら[zAD23](モトユイ)を広畳にかけて、―の雫をふくませ
[zAD28]祝詞 鎮火祭 吾が[zAD28](ナセ)の命は―を知ろしめすべし、吾は下つ国を知らさむ
[zAD28]★祝詞 鎮火祭 吾が名[zAD28](ナセ)の命は、上つ国を知ろしめすべし、吾は―を知らさむ
[zAD29]安愚楽鍋 魯文 一寸一杯いかがでごすと無理―でも割[zAD29](カツポウ)店へつれこんで
[zAD2C]洒落本・[zAD2C]意気地    ただつきだすとおもひ―・しちやあぬしも腹あ立ちなんしやうから
[zAD2C]★洒落本・[zAD2C]数可佳妓    好かぬが―という也
[zAD2C]★洒落本・夜[zAD2C]行灯    ―ばかりでほんのうわきといふものだ
[zAD3E]今昔 五 形[zAD3E](ギヨウミヨウ)(=容姿)端正にして―正直なり
[zAD40]歌舞伎・傾城青陽[zAD40]    ―と金のいる事ばつかり

[ End ]