CPU ニュース (雑談と情報)
CPU についての雑談と情報を述べておく。 ( 2003年2月の時点で。)
2003年の初めに、低価格のパソコンが大幅に価格低下を起こした。購入を考えている人もいるだろう。そこで、いくらか情報をまとめて、記しておく。
マニアにとっては、「そんなこと、知っているよ」と思う人も多いだろうが、私のページは、別に、マニア向けというわけではないので、一般の人に向けて、情報を提供しておく。(私なりの考えもあるので、客観的な事実だけを述べているとは限らない。)
1. アスロンとペンティアム4とセレロン
2003年2月中旬に発売の「PCジャパン」および「DOS/Vマガジン」という雑誌に、比較テストがある。まとめると……
- 低価格品では、アスロンがセレロンに比べて、圧倒的に有利。
- 中級品では、ほぼ互角。
- 最高級品は、ペンティアム4しかない。
というもの。ま、そんなものだろう。売れ行きを見ても、最高級品ではペンティアム4が圧倒的に売れている。
( ※ なお、セレロンというのは、1.7GHz 以上のものを言う。)
さて。私見を述べよう。
私が店頭で調べた限りでは、MS-Word や IE の起動は、アスロンが圧倒的に速い。ペンティアム4と比べても、CPUのクロック数に関係なく、圧倒的に速い。
ただし、それは、「アプリの起動」という面に限ってのことだ。マルチメディアファイルの処理のように、CPUの計算ばかりをするような処理だと、ペンティアム4の方が有利であるようだ。
だから、一般的には、「マルチメディアファイルならペンティアム4、オフィス用途ならばアスロン」というふうになりそうだ。セレロンは論外となる。
( ※ セレロンで IE を起動すると、あまりにも遅くで、イヤになる。)
2. 熱問題
さて。低価格品では圧倒的に有利なアスロンだが、「熱問題」というのがある。多大な熱を出すのだ。
このことは、店頭でも、マシンの背後のファンに手を当てると、すぐにわかる。アスロンは、やたらとファンが風を吹き出している。(つまり騒音がある。) 一方、セレロンは、非常に熱が少ない。(昔のセレロンほどではないが、アスロンに比べれば、全然違う。) ペンティアム4は、セレロンをいくらか上回る程度だ。
実は、これは、消費電力の問題もあるのだが、もう一つ、決定的な問題がある。それは、アスロンは、「CPUが休まない」という点だ。パソコンが何も仕事をしていないときには、OSがCPUに「休め」という信号を送る。それをCPUが解釈して、CPUは作動を停止する。ところが、アスロンは、OSのこの信号を解釈できない。そのせいで、パソコンが何も仕事をしていないときも、ずっと電気を食って作動し続ける。
この量は、かなりあるようだ。それが、上記の「店頭でのチェック」の結果となる。
アスロンは通常、 100W ぐらいの電気を食いつづけている。電気代も馬鹿にならない。省エネに反する。これでは、アスロンに、二の足を踏む人も出るだろう。
3. ソフトウェア・CPUクーラー
そこで、「ソフトウェア・CPUクーラー」というものが登場する。これは、上記の「アスロンでは信号を解釈できない」という問題を解決するソフトだ。つまり、パソコンが休んでいる間は、CPUが(半分ぐらい)停止するようにする。その分、余計な電気を食わなくなり、放熱の問題もなくなる。
こういうソフトは、いろいろあるが、日本製ではなくて、外国製である。英語表示なので、使いにくい。雑誌で紹介されているのも、英語のままだ。
ただし、インターネットで検索すると、「日本語による紹介」とか、「日本語化ソフト」とか、そういう便利なものが公開されている。ここで紹介しておこう。
ここで紹介されているソフトは、「CoolOn」および「VCool」というソフトである。
関連した話題は、この二つの用語をキーワードとして、検索するといいだろう。
[ 付記 ]
このソフトで、上記の問題は、解決できる。ただし、もともと電気をいくらか余計に消費する分は、解決できない。
だが、この点は、仕方ない。別に、一日中、CPUをフルに稼働しているわけではないから、やむを得まい。それがいやなら、インテルのCPUを使うしかない。(もちろん、代償もある。初期コストが高いペンティアムか、性能の低いセレロンか。)
4. アスロンの情報
(1) 熱暴走
「アスロンは熱暴走しやすい」という問題が、以前はあったが、現在売られている世代(つまり現在発売中のもの)では、大丈夫である、ということだ。
(この件、「PCジャパン」の記事による。)
(2) クロック数
ベースクロックが 266のものと 333のものがある。
266 は、アスロン 2400+ まで。
333 は、アスロン 2600+ 以降。
(境界あたりでは、両方のクロックが混在することもあるようだ。注意。)
ここで、マザーボードの対応が問題となる。
ベースクロックが 266のものだと、将来のCPUアップグレードができない。だから、ベースクロックが 333のマザーボードが好ましい。
しかし、2003年初頭の状況では、ミドルタワーではそういうものも多いが、マイクロタワー用のマザーボードでは、そういうのはあまり出回っていないようだ。となると、次の二者択一となる。
- ミドルタワーのを買う。
- マイクロタワーにするが、CPUのアップグレードを諦める。
ただし、2003 年の春か夏には、マイクロタワー用のマザーボードでも、ベースクロックが 333のものが出回るだろうから、そのころまで待つ、という手もある。
とはいえ、CPUの換装というのは、初心者向けではないし、ふつうはせいぜい2倍ぐらいにしか性能アップしないから、たいして意味はないとも言える。いちいちCPUの換装なんかするくらいだったら、新品のパソコンに全部買い換えた方がマシだ、とも言える。……このあたりは、人それぞれだ。お好みで、決めるといいだろう。
5. ケース
ケースは、人それぞれで、設置スペースがあるから、各人で判断することとなる。
私の場合、奥行きが問題となる。高さは余っているが、奥行きが足りない。
ミドルタワーだと、すべて奥行きが大きい。だいたい 465ミリが標準だ。
マイクロタワーだと、千差万別である。360ミリぐらいのものから、460ミリぐらいのものまで、いろいろある。注意しよう。
私の場合、「ケースを先に決める」という方針で、あちこちの販売店サイトを調べたら、次のショップの製品(パソコン完成品)のマイクロタワーが好みになった。価格も安い。お勧めである。(ただし、実際に買ったわけではないから、実物がどうであるかは、保証できない。私は別に、宣伝しているわけではない。最終判断は、あくまで、読者各人がするべきだ。)
http://plaza21.mbn.or.jp/~emucorp/
6. MSオフィス
MSオフィス(Word、エクセル)を使っている場合には、考慮が必要だ。
パソコンを変えると、その新しいパソコンには、旧来のMSオフィスをインストールすることはできない。「1CPUに、1ソフト」が原則となる。だから、改めて、ソフトを買う必要がある。通常、2万円。
「馬鹿らしくて、やっていられない」というのが、普通の判断だろう。「パソコンを買い換えたからといって、何だってソフトを2度も買わなくちゃならないんだ」と頭に来るはずだ。
となると、最善の方法は、パソコンとソフトをいっしょに買い換えることだ。噂によると、2003年の後半にはMSオフィスの新バージョンが出るらしいから、そのころ、パソコンを買い換えるのがいいだろう。今すぐには買い換えず、もう少し待った方がいい、ということになる。
ただ、「MSオフィスなんか、買うもんか」という人は、話は別だ。