(GRAY GROFA 紹介記事@MSXセクション鈴見咲ページ

GRAY GROFA (1996年12月販売開始)

作品紹介

戦艦が着地されたら前に進めないので・・・変なゲームです。 MSX・FAN 誌時代の TPM.CO 氏をご存知の方なら納得の作品でしょう。

単に変なだけでなく、もちろん遊べるところまでしっかりつくられています。内容は「シューティング風アクションパズル」というものですが、ジャンル分けを強いてやろうすればするほどバカに見えてくることを、私よりもよくわかっている方がたくさんいらっしゃるはずです。

強制的に画面が横に流れていきますので、壁にはさまれないように行く手を阻む敵機をうまく破壊、誘導しながらどんどん進んでいかなくてはなりません。問題なのはこの敵機、人が乗って動いている時でないと破壊できません。ですから、狭い通路に敵機があったらそこにわざわざ人を乗りこませて動かしてもらわなくてはいけません。

人(敵兵)は地上をうろうろしているわけですが、彼らの歩く方向を変えるほぼ唯一の方法が「自機で邪魔する」。横方向に邪魔するだけでなく、落ちてくる人を自機の上に乗せ、あるいはその状態で少しずつ移動するという方法がとれます。

ゲーム中の操作は8方向移動にボタン2つ。ボタンは弾発射と弾倉補充に使います。弾倉に補充するするのにかかる時間は長くはありませんが補充の完了まで弾は発射できません。発射時に連射はしてくれますが、射程がかなり短いためしっかり狙わないといけません。

・・・「シューティング風アクションパズル」の意味がおわかりいただけるでしょうか?

なお、動いていても破壊できない敵も存在します・・・と書くとどんなイメージをしますか?
本作品のそれは、「ダメージを与えると人が脱出して、パイロットを失った機体がふらふらと飛んでいき、地面に激突するとごろごろと転がっていく」という意味です。

こだわりが美しく輝く

破壊すると人がわらわら。「こだわり」なるものは、えてして他人から見てろくでもないものになりがちですが(人事ではない)ゲームを成立させるという意味で、 TPM.CO 氏のこだわりというものはかなり有意義に働いていると思います。全部が全部ではないですが(^^;

なんかがあげられるでしょう。詳細は購入時にいっしょに送られる技術思想詳細書(B5サイズ26ページ)をごらんください。

その詳細書、作品のプログラムに関することがそこまで書くか?というところまでこまごまと書いてあります。

MSX技術

盾付きの敵は壁にそってぐるぐる回ってます。MSXのパワープログラマ必見、というところでしょうか。
RAM32KBのMSX1で確かにドットスクロールが成立しております。忘れた人もいるかもしれないので書いておくと、MSX1ではVRAMも16KBしかありません。その状況で横に4画面分のデータが5ステージ分用意され、これがオンメモリ、つまり最初にプログラムを読み込んだらあとはディスクなどを参照しない状態で動かされています。

製作者本人も言うように今更こういうサイズのレベルでの圧縮は評価されなくなっていますが、MSXでの創作の可能性としてRAM容量とゲーム内容量の比は一度注目しておくべきかもしれません。

正直に言ってしまえば、なんとかスプライトのちらちらも抑えてほしかった気がします。付属の資料を見る限りではさらにあちこちにVRAM未使用領域があり、もう一つスプライトアトリビュートテーブルがとれるのでこちらにもネームテーブル同様の切換書き込みがほしかった。完璧にちらつきを抑えるためにはタイマ割り込み内でテーブルを切り替えるのが一番なのですが、それでは速度が落ちると考える場合でも切換書き込みを実行するだけでかなりの抑えが効くはずです。
( 1999/02/01 注記:スプライトがちらちらするのは横に5枚以上並んだ場合(に備えて)プログラムでスプライトの表示優先順位を擬似的に交互に入れ替えるために発生します。この時上記のような配慮がないと、入れ替えの最中に画面に表示されてしまい、その横に多数並んだ部分以外でもちらつきが起こるという話です。ちなみにそういった処理を行っていない、たとえばBASICのPUTSPRITEなんかでも若干ちらついているような気がしますが、あれもやはり処理の途中で画面に表示されてしまうことに起因するものでしょう。)

余談ながら、16方向のグラフィックパターンを持つ敵というのは何度か見かけたことがありますが、墜落した上に地面を転がって、あげくにそこへまた人が乗り込むなんてのは他では見られないかもしれない(^^;

補足情報

この状態であがいているとそのうち暴走する。このゲーム、鈴見咲の方で1個所だけバグを見つけました。

体験版にもある最初のステージの前半で、図にある右下の黄色の敵に人が乗せられないと画面左端で押しつぶされてしまうはずなのですが、実はその少しまえにハングアップしてしまいます。

だから、ここで失敗して前に進めないとなったらさっさと自爆してしまうこと。どーせやられてしまうので、暴走させるだけマヌケです。何処がリミットなのかわざと一回暴走させてみるのも一興(そうか?)。

機種依存性はよくわかりませんが、 FS-A1GT と RuMSX で現象の発生を確認しました。


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