しかし、残念なことに 03/31/99 をもって RIOS SYSTEMS は解散してしまい、
開発中だった Chandra3 も含め、
Chandra の今後の道はすっかり閉ざされてしまいました。
これからが期待されるマシンだっただけに、
本当に残念なことです。
この辺りの状況は別のページでまとめてありますので、
そちらを参照して下さい。
また、以前このページに含まれていた雑多な BIOS 情報もそちらに移動しました。
話が逸れましたが、Chandra2 そのものの話に戻りましょう。 ともあれ、どの Chandra2 にも、 OS は Windows95 OSR2.1 または Windows98 が pre-install されていますが、 ここはハッカーへの道を目指す者として是非とも PC-UNIX を載せたいところ。 早速、FDISK し直して FreeBSD を入れることにしましょう。
電源投入時に F1 を押すと、「装置構成ユーティリティ」画面になります。 ここのデバイスの設定で、 シリアル、パラレル、赤外線通信の各ポートを殺しておくと、後々楽になります。 通常使わないものは「非動作」にしておきましょう。
また、2.2 系の PAO は CardBus 未対応で、
3.0 系の newconfig project で CardBus 対応していく予定だそうですが、
99/02 現在では release されていません。
仕方ないので、
PC card
の動作モードを「カードバス」から「互換」に変更しておきます。
この設定変更だけは必須です。
Windows 等との dual boot 環境で、
どうしても BIOS 設定を「カードバス」にしておく必要がある場合は、
動作モード設定の次の項目にある「PCI 割り込み」設定で「しない」を選びます。
但し、この設定で使うためには pao227 以降を用いる必要があります。
pao227 以降では、
software 的に i82365 互換モードにして使うように実装されていますので、
「カードバス」設定のまま使用することが可能ですが、
CardBus 専用 PC card が使えるようになる訳ではないので注意しましょう。
install floppy を起動して暫く待つと、
デバイス情報の編集選択画面になります。
普通は Skip を選べば良いのですが、
ここでは 2 番目の選択肢を選んで Visual mode で編集しましょう。
そうしないと SCSI driver が認識されないことがあります。
ATAPI CD-ROM は Skip でも大丈夫でしたが、
編集して損はないのでやっておきましょう。
ここでは必要ないデバイスを全て非活性化しておきます。
必要なのは以下の 5 つだけで十分ですので、
それ以外は全部削除してしまって下さい。
Chandra2 は IRQ の使い方が独特なので、 ここで編集しておかないと、 PC card controler の I/O や IRQ が競合してしまいます。
Storage: fdc0(Floppy disk) wdc0(Hard disk) Input: psm0(Mouse) sc0(Keyboard) PCI: ed0(Ethernet)
デバイス編集が済むと言語の選択画面になりますので、
ここは日本語でも英語でも好きな方を選んで下さい。
すると続いて、Memory address と IRQ の選択画面になります。
Memory Address の方は Default で構いませんが、
IRQ は「IRQ 9,11」を選んで下さい。
この選択肢がない場合、
少なくとも
IRQ 10 や IRQ 5
を含まないように気をつけて選びましょう。
すると、PC card の初期化が行われますので、暫く待って下さい。
この時点では slot2 は有効ではないようですので、
CD-ROM は slot0 か slot1 に挿しておいた方が良いでしょうね。
因みに、Pioneer や I・O DATA などの最近の SCSI CD-ROM card に使われている Ninja SCSI-3 は PAO-19981225 からの対応ですので、 2.2.7-RELEASE 以前の OS の install には使えません。 この CD-ROM を 2.2.7-RELEASE 以前で使いたいのであれば、 2.2.8-RELEASE 用 PAO installer を無理に使って isntall した後、 SCSI card maker であるワークビットの Ninja SCSI-3 紹介ページにある driver を組込んだ kernel を作ることで Ninja SCSI-3 が使えるようになります。
ここから先は普通の install と同じです。 他のマニュアル本のとおりに進めて下さい。 /usr/src/sys 以下に kernel source を install しておくことを忘れないように。
PAO のドキュメントにあるとおり、 /usr/src/sys に移動して kernel source に PAO の patch を当てます。 ここで用意した PAO package が PAO-980430 よりも古い場合、 以下での説明が通用しなくなってしまいますので、 OS 共々最新版にしておいて下さい。 仮に 2.2.5-RELEASE 以前の場合、 PAO patch を当てたあと、更に unofficial patch を当てないといけないので、 ちょっと大変です。
cd /usr/src/sys/i386/conf cp PAO_ALL chandra2 vi chandra2 ...(*1) config chandra2 cd ../../compile/chandra2 make depend make make install(*1) のところで書換える項目は以下の二箇所です。 なお、このオプション項目は PAO-980430 で追加されたものであることに注意して下さい。
なお、機種によってはここで options "MAXMEM=(96*1024)" といった形で実装されている RAM 容量を指定しないと 64MB 以上のメモリが認識されないものもありますが、 Chandra2 の場合は普通に認識されますので、 96MB RAM を積んでいてもこの記述は特に必要ありません。 正しい値であれば書いても構いませんが、 下手に間違った値を書いて失敗しないように、 特に指定しない方が無難でしょう。 特に、後から増設の予定がある場合は記述してはいけません。
Chandra2 の音源チップは ESS ES1879 ということで、
16bit, 44.1kHz 対応の
Luigi's Audio Driver
に入れ替えたくなるところですが、
SoundBlasterPro との互換モードもあるのでここは標準ドライバにしておきましょう。
Luigi's Audio Driver は 99/02 時点では ESS に対応できていません。
サウンドドライバの設定は、先の (*1) のところで以下の行を追加します。
controller snd0 device sb0 at isa? port 0x220 irq 5 drq 1 vector sbintr device opl0 at isa? port 0x388なお、ここでサウンドドライバの設定を行った場合は、 後で cd /dev; sh MAKEDEV snd0 を行っておくことを忘れずに。
これで /dev/audio, /dev/dsp, /dev/sequencer の各デバイスが使えるようになります。
尤も、/dev/dsp は 8bit, 22kHz までしか出ないのですが。
Luigi's Audio Driver が ESS 対応されれば 16bit, 44.1kHz もいけるのですが、
どうしてもこちらを使いたい場合は、
三平さんの Web page
で ESS 対応されたものが暫定的に公開されていますので、
本家に contrib されるまではこちらを使うこともできます。
この場合は、
上記 (*1) のところで、先の 3 行の代わりに以下の 1 行を追加します。
device pcm0 at isa? port? tty irq 5 drq 1 flags 0x15 vector pcmintr一方、要らないとは思いますが、 beep 音によるサウンドドライバなんてものもあります。 これには、上と同様、(*1) のところで次の行を追加します。
device pca0 at isa? port IO_TIMER1 tty pseudo-device speakerこれも、後で cd /dev; sh MAKEDEV pcaudio; sh MAKEDEV speaker を行う必要があります。
これで /dev/pcaudio, /dev/speaker が使えるようになります。 /dev/pcaudio は /dev/audio の代わりに使える低音質音源です。 /dev/speaker の方は、MML という楽譜ファイルを鳴らせるデバイスです。 organ.tar.gz というアプリケーションを作ってみましたので、これで遊んでみて下さい。 Chandra2 が小さなキーボードになります。
cd /etc cp pccard.conf.sample pccard.conf vi pccard.conf...(*2)(*2) のところでは、以下の二行を先頭に追加して下さい。
irq 9 11 15 ignirq 5
cd /usr/X11R6/bin ln -s /usr/X11R6/bin/XF86_SVGA ./Xこれで、後は /usr/X11R6/bin に PATH を切っておくだけで、 xinit で X が立ち上がります。万歳。
また、
800x600 の画面でもまだ小さいと思っている方は、
画面を広げる代わりに font を小さくするという手があります。
packages にある 8x8 サイズの恵梨沙フォント
(ja-elisa8x8-1.0)
を使ってもいいのですが、
これに含まれる 4x8 ANK font は bold を自前で用意していないため、
man page 等で使われる bold が非常に読みづらくなってしまっています。
そこで、4x8 ANK font を normal と bold の 2 種類作ってみました。
このパッケージには、
ASCII 及び ROMAN の都合合わせて 4 種類の font に加え、
ついでに 10x8 サイズの恵梨沙フォントの source
(elisau10.tgz)
から 8x8 サイズへ改変する script も入れてあります。
8x8 サイズの恵梨沙フォントも、
bold font を作っておかないとやはり man page 等で読みづらくなります。
これはさすがに全部作るのは大変ですので、
source
(elisat10.tar.gz)
を元に永尾さんの
mkbold
を用いて bold 化したものを用意しておくと良いでしょう。