まずはマニュアルどおりに普通にタブレットドライバをインストールして下さい。
その後再起動して「スタート」→「設定(S)」→「コントロールパネル(C)」で「Wacom Tablet」アイコンをダブルクリックします。
この後も普通に設定すればいいのですが、
設定画面がメインディスプレイ側に出て来るので Cintiq 側でペン入力することが出来ません。
ですから、
ペン入力が必要な画面が出て来る度に、
そのウィンドウをマウスで Cintiq 側に移動させて下さい。
設定画面の中ではサブディスプレイ側でも普通に Cintiq を操作出来ますので、
ここで一通りの設定を済ませておきます。
設定が完了したら、
結果を設定ファイルに反映させるために一旦再起動します。
この時点では各種タブレット対応ソフトでは入力位置が合いません。
設定ファイル C:\WINDOWS\wacom.dat を適当なエディタで開きます。
OS 標準のメモ帳でも構いませんが、
似たような行が多いので行数を表示出来るものの方が使い易いと思います。
OS をインストールしたディレクトリ構成が異なる場合、
C:\WINDOWS 以外の場所に置かれていると思いますが、
ファイル名は変わらないので、
見つからない場合はハードディスクの中を検索して見つけ出して下さい。
因みに、
この設定ファイルにはロックはかかっていないので、
MS-DOS モードや Safe モードで作業する必要はありませんが、
念のためにどこかにバックアップ用のコピーを取っておくといいでしょう。
設定ファイルの中から必要な行だけを以下に記します。 行番号の代わりに行頭にアルファベット+数値でラベル名を振ってあります。 以降の説明ではこのラベル名を用いてそれぞれの行を表すものとします。
... A1: OverlapOriginX 0 B1: OverlapOriginY 0 ... C1: OverlapExtentX 6144 D1: OverlapExtentY 4608 ... E1: (A1-D1 をあと 1 回繰返し) ... A2: OverlapOriginX -7680 (A1 の値をそのまま記入する) B2: OverlapOriginY 0 (B1 の値をそのまま記入する) ... C2: OverlapExtentX 13824 (C1 の値をそのまま記入する) D2: OverlapExtentY 6144 (D1 の値をそのまま記入する) ... F1: SystemOriginX 1280 (0 を記入する) G1: SystemOriginY 0 (0 を記入する) ... H1: SystemExtentX 1024 (仮想画面全体の横方向サイズを記入する) I1: SystemExtentY 768 (仮想画面全体の縦方向サイズを記入する) ... J1: SystemWhichMonitor 2 (0 を記入する) ... K1: (F1-J1 をあと 2 回繰返し) ... L1: (A1-K1 をあと 2 回繰返し) ... A3: OverlapOriginX -7680 B3: OverlapOriginY 0 ... C3: OverlapExtentX 13824 D3: OverlapExtentY 6144 ... E2: (A3-D3 をあと 1 回繰返し) ... A4: OverlapOriginX -7539 B4: OverlapOriginY 51 ... C4: OverlapExtentX 13695 D4: OverlapExtentY 6080 ... F2: SystemOriginX 1280 G2: SystemOriginY 0 ... H2: SystemExtentX 1024 I2: SystemExtentY 768 ... J2: SystemWhichMonitor 2 ... K2: (F2-J2 をあと 2 回繰返し) ...
ここでは数値は一例ですので、 ここに書かれた値とは異なっていて構いません。 黄色で書かれた数値が書換える部分です。 繰返しがありますので、 全部で都合 57 箇所の書換えが必要になります。 以下、 その書換えルールを説明します。
A2 |
タブレット原点の X 座標を示します。
A1 の数値をそのまま記入して下さい。
繰返しにより都合 3 箇所の書換えが必要です。 (ここには、 Cintiq 側の原点を基準にしたメインディスプレイ側の原点座標値が誤って書込まれてしまっています。) |
B2 |
タブレット原点の Y 座標を示します。
B1 の数値をそのまま記入して下さい。
繰返しにより都合 3 箇所の書換えが必要です。 (ここには、 Cintiq 側の原点を基準にしたメインディスプレイ側の原点座標値が誤って書込まれてしまっています。) |
C2 |
タブレット解像度の横サイズを示します。
C1 の数値をそのまま記入して下さい。
繰返しにより都合 3 箇所の書換えが必要です。 (ここには、 メインディスプレイとサブディスプレイとを足した仮想画面全体のサイズが誤って書込まれてしまっています。) |
D2 |
タブレット解像度の縦サイズを示します。
D1 の数値をそのまま記入して下さい。
繰返しにより都合 3 箇所の書換えが必要です。 (ここには、 メインディスプレイとサブディスプレイとを足した仮想画面全体のサイズが誤って書込まれてしまっています。) |
F1 |
ディスプレイ原点の X 座標を示します。
この値は 0 に固定です。
繰返しにより都合 9 箇所の書換えが必要です。 (ここには、 メインディスプレイ側の原点を基準にした Cintiq 側の原点座標値が誤って書込まれてしまっています。) |
G1 |
ディスプレイ原点の Y 座標を示します。
この値は 0 に固定です。
繰返しにより都合 9 箇所の書換えが必要です。 (ここには、 メインディスプレイ側の原点を基準にした Cintiq 側の原点座標値が誤って書込まれてしまっています。) |
H1 |
ディスプレイ解像度の横サイズを示します。
メインディスプレイとサブディスプレイを足した仮想画面全体の横方向のディスプレイ解像度を計算して記入して下さい。
横並びの場合は各々の横サイズの和になります。
縦並びの場合はどちらか大きい方の横サイズになります。
繰返しにより都合 9 箇所の書換えが必要です。 (ここには、 Cintiq 側のみのサイズが誤って書込まれてしまっています。) |
I1 |
ディスプレイ解像度の縦サイズを示します。
メインディスプレイとサブディスプレイを足した仮想画面全体の縦方向のディスプレイ解像度を計算して記入して下さい。
縦並びの場合は各々の縦サイズの和になります。
横並びの場合はどちらか大きい方の縦サイズになります。
繰返しにより都合 9 箇所の書換えが必要です。 (ここには、 Cintiq 側のみのサイズが誤って書込まれてしまっています。) |
J1 |
Cintiq が Multi-Display 機能のどちら側に接続されているかを示します。
この値は 0 に固定です。
繰返しにより都合 9 箇所の書換えが必要です。 (どちら側のディスプレイなのかを実際に示しているのは J2 の方なので、 ここでは 0 を記入する必要があります。) |
以上のルールに基づいて正確に書換えを行なって下さい。 設定ファイル中で、 上で挙げた名前がついた識別子はここに挙げられているものが全てですので、 文字列検索で探してそれぞれがどのラベルに相当するのか、 ファイル上の行番号を控えておくと間違わないと思います。
この設定手順に関しては WACOM サポートにも報告済なのですが、 ドライバの開発が WACOM とは違う開発メーカによるものであるために、 担当者には全く話が通じずドライバの修正には至っていません。 WACOM には技術者がいないんでしょうか?
ここで編集したのは飽くまでも設定ファイルですので、 これらの設定はドライバに読込まれて初めて有効になります。 設定結果をタブレットドライバに反映させるために一旦再起動して下さい。 再起動後、 各種タブレット対応ソフトで正しい入力位置が得られるようになります。
なお、
この設定ファイル編集を行なった後は、
先のコントロールパネルの設定でタブレット設定を変更しても各設定項目は正しい値を保ち続けますので、
コントロールパネルの設定を行なう度にこの操作をする必要はありません。
但し、
画面のプロパティにより Multi-Display 機能のレイアウト変更をしてしまった場合、
例えばディスプレイの左右の並びを変えてしまったり、
縦並びだったものを横並びにしてしまったりすると、
次に再起動した際に設定ファイルの上記項目がまた誤った値に書換えられてしまいます。
この場合は改めて上の書換えを行なって、
正しい値に書き直す必要があります。
V4.71 以降のタブレットドライバを用いた場合、 WIDETXT を用いた環境では DOS プロンプトが開かなくなってしまいます。 これはタブレットドライバとは関係なく WIDETXT 側の支障だと思われますが、 次のような暫定的手法により回避可能です。
同梱ドキュメントに従うと、
CONFIG.SYS にある「DEVICE=jdisp.sys」を書換えて「DEVICE=wtdisp.sys」に差替えるようになっていますが、
ここで敢えて古い「DEVICE=jdisp.sys」の記述を消さずに残しておきます。
「DEVICE=wtdisp.sys」の記述は、
「DEVICE=jdisp.sys」のある直後の行に追加記入します。
これにより、
まず OS 標準の jdisp.sys により正しくディスプレイ初期化がされた後、
wtdisp.sys により V-TEXT 対応のドライバが組込まれますので、
DOS プロンプトを開いても支障なく使えるようになります。