[FDclone3 に関する Q&A 集] <1.UNIX 依存の話> Q1-01. 長いファイル名が最後まで表示されないのですが? A1-01. デフォルトのキー割当てでお使いの場合、[(],[)] のキー でファイル名の表示部分を少しずつずらしていくことがで きます。お目当てのファイルにカーソルを合わせ、[)] を 何度か押していけば、最後まで表示されるでしょう。 Q1-02. FDclone を終了した後に、必ず起動時のディレクトリに戻 されてしまうのですが、何とかならないでしょうか? A1-02. UNIX という OS では、カレントディレクトリという概念 はプロセス毎に別個に持っていて、特に子プロセスでの変 更を親プロセスに反映させる手段はありません。 FDclone はユーザシェルの子プロセスとして起動されます から、FDclone がどう頑張ったところで、親プロセスであ るユーザシェルのカレントディレクトリは変更できません。 対症療法としては、シェルからの起動時に「cd `fd`」の ような形で起動することにより、終了後のカレントディレ クトリを変更することは可能です。 この場合、.fd2rc などで「trap "pwd" 0」と指定してお くと、終了時のカレントディレクトリが出力されますので、 それを受けた親シェル側でディレクトリ移動がなされるで しょう。 Q1-03. Shift + ↑, ↓でページ切替えがしたいのですが。 Q1-04. Shift + Ret でエディタの起動や実行ファイルの起動をし たいのですが。 Q1-05. Shift を押した時にファンクション行の表記が変わらない のですが。 A1-03. A1-04. A1-05. UNIXでは、キーボード入力の取得は、ホストと端末間の通 信によって行ないます。どういうコードを送受するかは、 端末エミュレーションソフトや端末そのものの規格によっ て決められています。 一般の端末では、Shift そのものはキーコードを送信しま せん。他のキーが押された時に初めて、そのキーの Shift 用のコードが送信されます。 つまり、Shift キーと併用してキーコードが変わるキーで なければ、Shift キーを押しているかどうかは判断できま せんし、どのキーがそういう仕様かは端末側が決めていま す。 そして一般に、Ret やカーソルキーは Shift 押下の影響 を受けずに同じ信号を送信します。 Q1-06. アーカイブブラウザ内のオーナー名やグループ名がおかし な表示になります。 Q1-07. フロッピードライブを参照すると、オーナー名やグループ 名がおかしな表示になります。 A1-06. A1-07. ファイルの持つオーナー名やグループ名というものは、そ のマシンの中だけで意味を持ちます。別のマシンから見た 場合には、同一のオーナー名やグループ名を意味している 保証はありません。 アーカイブされたファイルに保存されたオーナー名やグル ープ名は、それをアーカイブしたマシンでつけられたもの です。 フロッピードライブのファイルには、MS-DOS にはそうい うファイル属性がないために、オーナー名やグループ名が 存在しません。 こういう場合には、ファイルのオーナー名やグループ名が 実在のユーザやグループを指しません。これは、オーナー 名やグループ名が数値として表されるように UNIX が実装 されている以上、どうしようもないことだと思って下さい。 (新しい USTAR フォーマットを採用している tar の場合 は、アーカイブファイルの中に 32 文字までのオーナー名 やグループ名の情報を保持できますので、異なる環境下で も元のオーナー名やグループ名を表示可能です。 USTAR フォーマットを採用した tar としては、System V の ustar や GNU tar などが知られています。) <2.カスタマイズの話> Q2-01. ファイルの拡張子によって外部コマンドを起動させたいの ですが、ユーザカスタマイズはできますか? Q2-02. キー割当てを変更したいのですがどうしたらいいですか? A2-01. A2-02. ホームディレクトリにある .fd2rc を環境設定ファイルと して使って下さい。書式詳細については、man ページのマ ニュアルを参照して下さい。 Q2-03. キー割当てできないキーがあるのですが。 A2-03. キー割当ての変更可能な特殊キーは、man ページのマニュ アルにある特殊キー識別子の用意されたものだけです。し かし、組込みコマンド keymap を利用して、他の機能キー の代用をさせてしまうことで、疑似的にキー割当て可能で す。 コントロール文字のキー割当てについては、編集モードに よる代替キー機能が優先しますので、編集モードによって はキー割当てできないコントロール文字が存在します。ど うしても割当てたい場合には編集モードを変更する必要が あります。 また、妙な変更をしてしまって FDclone から抜け出せな くなることを防止するため、ESC のキー割当て変更は禁止 しています。 Q2-04. ファンクションキーの表示が実際のキーボードと合わない のですが。 A2-04. キー割当ての変更機能で、ファンクションキーのキー割当 てを変更する際に、ファンクション行の該当位置の表示を 変更できます。詳細は man ページを参照して下さい。 但し、キーボードについているファンクションキーの並び 方がファンクション行と異なるような場合、これをキーボ ードの側に合わせることは、残念ながらできません。悪し からず。 (Ver. 2.09 以降は内部変数 (または環境変数) FUNCLAYOUT によってファンクションキーの表示レイアウトを設定でき ます。) Q2-05. どういう風にカスタマイズされたかを確認したいのですが。 A2-05. EXECUTE_SH コマンドにある組込みコマンドで確認できま す。例えば、キー割当てならば printbind、内部変数定義 ならば set です。詳しくは man ページを参照して下さい。 (Ver. 2.00 以降ではカスタマイザ画面で設定内容を統合 的に確認・設定できます。) Q2-06. システム管理者として、ユーザ共通の環境設定ファイルを 用意したいのですが。 A2-06. /etc/fd2rc というファイルを作って下さい。.fd2rc の有 無に関わらず、こちらを参照した後ユーザの .fd2rc を参 照します。 Q2-07. 新しいアーカイブ形式をアーカイブブラウザに登録したい のですが、どう登録すれば良いでしょう? A2-07. TECHKNOW の項目 5 で詳しく解説していますので、マニュ アルの「アーカイブブラウザ」の項と共に参照して下さい。 Q2-08. 常にソートされてしまいます。 Q2-09. シンボリックリンクはリンク先の情報を見たいのですが。 Q2-10. ファイル名の後ろに '*' や '/' といった文字がついてし まいます。 Q2-11. '.' で始まるファイルが表示されません。 Q2-12. ツリー画面でソートしたいのですが。 Q2-13. ディレクトリ書込み機能が効きません。 Q2-14. 終了後に起動前と異なった端末設定になってしまいます。 Q2-15. 起動時の列数を変更したいのですが。 Q2-16. ファイル名フィールドをもっと長く取れませんか? Q2-17. ヒストリ機能が使えません。 Q2-18. パス名の入力に履歴参照できませんか? Q2-19. ヒストリを次回の起動まで持ち越したいのですが。 Q2-20. ツリー表示モードでファイル一覧が一部しか表示されませ ん。 Q2-21. 時刻表示で秒を出せませんか? Q2-22. ファイルサイズ合計やディスク容量を知りたいのですが。 Q2-23. カラー画面になりませんか? Q2-24. EXECUTE_SH モードでのプロンプトを替えたいのですが。 A2-08. A2-09. A2-10. A2-11. A2-12. A2-13. A2-14. A2-15. A2-16. A2-17. A2-18. A2-19. A2-20. A2-21. A2-22. A2-23. A2-24. これらの設定は、内部変数や環境変数で設定します。ユー ザ側で意図的に設定する以外に、システム管理者がユーザ 共通の設定ファイルを用意している場合や、コンパイル時 に埋め込んでいる場合もあります。マニュアルの「環境変 数」の項を良く読んで、.fd2rc などで自分に合った環境 に設定しましょう。 また、管理者の人は、ユーザがこのような困惑を抱かない ように、適切な共通設定ファイルを用意すべきです。配布 パッケージ添付の設定ファイルは飽くまでも一例に過ぎま せんから、熟考した上で共通設定ファイルを作成して下さ い。 Q2-25. 編集モードのことが理解できません。 A2-25. emacs や vi を使ったことのない人にとっては、コントロ ール文字による代替キーの割当て方式が何故複数用意され ているのかが理解しづらいところだと思います。 オリジナルの『FD』に合わせたい場合は、何も考えずに 内部変数 (または環境変数) EDITMODE に wordstar を定 義して下さい。 特に、vi モードについては、vi に慣れ切ってしまってい る人以外にとっては混乱するだけの環境だと思いますので、 よほどのことでもない限りは設定しない方が良いでしょう。 Q2-26. アーカイブブラウザ内のファイルを参照しようとすると、 "No such file or directory" と言われて拒否されます。 Q2-27. フロッピードライブ内のファイルを参照しようとすると、 "No such file or directory" と言われて拒否されます。 A2-26. A2-27. 内部変数 (または環境変数) TMPDIR に定義されている内 容は正しいでしょうか?ここで定義されている名前のディ レクトリが存在するだけでなく、そのディレクトリがユー ザにとって書込み可能でなくてはなりません。 定義してあるディレクトリ名を変えるか、そのディレクト リのアクセス権を変更してみて下さい。 Q2-28. フロッピードライブ機能が使えません。 A2-28. フロッピードライブに関する設定が有効になっていますか? コンパイル時に設定していなくても後からカスタマイズが 可能です。 内部変数 (または環境変数) DOSDRIVE を有効にし、かつ フロッピードライブの登録を行なわなくてはいけません。 詳細は TECHKNOW の項目 6 を参照して下さい。 また、フロッピードライブ用に指定されているデバイスフ ァイルの許可モードによっては、一般ユーザではフロッピ ードライブが使えないことがあります。この場合はマシン の管理者に聞いてみて下さい。 Q2-29. システム共通の設定ファイルは、どうして /usr/local の 下に置かないのですか? A2-29. /usr/local は NFS により複数のマシンで共有しているケ ースが割と多く見かけられます。このような環境下で、シ ステム共通の設定ファイルを /usr/local 下に置いてしま うと、複数のマシンで同一の設定ファイルを用いることに なってしまいます。 FDclone の各種設定には、マシン固有の要因も少なくなく、 このように複数のマシンで同一の設定ファイルを用いるの は好ましくない場合も多いと思います。 そのため、一般的に NFS を用いることの少ない /etc 下 に置くように設計されています。 但し、以上のような点を理解した上で、尚且つ /usr/local 下に置きたいという場合は、Install にも書かれているよ うに、Makefile.in の DEFRC の項目を書き換えてインス トールして下さい。 Q2-30. システム共通の設定ファイルはどういうものを用意したら 良いのでしょう? Q2-31. 環境設定ファイルに何を書いてよいかわかりません。 A2-30. A2-31. システム共通の設定ファイル /etc/fd2rc にしても、ユー ザ単位の設定ファイル .fd2rc にしても、必ず用意しなく てはいけないものではありません。 これらを用意しなかった場合、実行ファイルに埋め込まれ たデフォルトの設定が有効になりますが、これとて各 OS 環境の差異を考慮の上での設定ですので、大抵の場合、そ のままでも正常に動作するはずです。 むしろ、勝手のわからないまま妙な設定ファイルを作成し てしまったり、添付のサンプルをそのまま利用してしまっ たりすると、却って支障を生じる場合がありますので、無 意味に設定ファイルを用意することは避けた方が賢明でし ょう。 <3.動作環境の話> Q3-01. ファイルの中身を参照しようとした場合、ページ制御がう まくいかなかったり、binary だと画面が崩れてしまった りします。 A3-01. それは閲覧ソフトの仕様によります。内部変数 (または環 境変数) PAGER に対して定義した閲覧ソフトを変えれば、 参照時の問題はクリアされるでしょう。 FSF が配布している GNU less などがお奨めです。 Q3-02. 特殊キーやファンクションキーを押しても反応しません。 Q3-03. DEL キーと BS キーの挙動がおかしいのですが。 A3-02. A3-03. 特殊キーやファンクションキーの吐くキーコードが期待し たものと異なるのでしょう。termcap や terminfo のマニ ュアルを見て、端末に合ったエントリを登録し直しましょ う。 termcap や terminfo を操作できない場合は、組込みコマ ンド keymap による設定でキーコードを動的に変更可能で す。組込みコマンド getkey で該当キーのキーコードを調 べて登録しましょう。 また、端末によっては、ファンクションキーを押してもキ ーコードを送出せずに、代わりに画面コピーなどの動作を するものもあります。そのような端末では、ファンクショ ンキーを使用することはできません。 Q3-04. "Column size too small" とメッセージが出て終了してし まいました。 A3-04. 端末の横方向の文字数が少な過ぎて、FDclone の表示に支 障が出るために強制終了したということです。同様に、縦 方向が小さいと、"Line size too small" となります。 もっと大きな端末で起動するか、もしくはウィンドウ端末 などサイズ可変の場合は 34x8 以上のサイズまで広げてか ら起動して下さい。 サイズ可変端末の場合、起動中にこれよりサイズを小さく すると、画面サイズを広げるよう促されますので、注意し て下さい。 Q3-05. 漢字が文字化けしてしまって読めません。 A3-05. コンパイル時の漢字コードが違うか、もしくは漢字コード の異なる端末で起動してしまったためでしょう。 後者の場合、内部変数 LANGUAGE に、sjis, jis, euc の どれかを端末に応じて指定して下さい。FDclone 内部でコ ード変換します。 前者の場合、本来の漢字コードに直してコンパイルし直す 必要がありますが、対処療法として後者と同じことをして も構いません。但しこの場合、漢字ファイル名のファイル や日本語 man ページの参照の際に不具合が生じると思い ます。 (Ver. 2.00 以降は漢字ファイル名も内部変数 FNAMEKCODE によって動的にコード変換します。) Q3-06. 違う環境のマシンに持っていって実行したらおかしくなっ てしまいました。 A3-06. 一般に、環境が異なればコンパイルし直すのが原則です。 一見同じように見えても、OS バージョンの違いや設定の 違いのために、動作はできても何らかの不都合が生じるで しょう。 また、別の環境でコンパイルし直す時は、以前の作りかけ のファイルが残らないように、"make clean" を実行して からコンパイルすることを忘れないで下さい。 Q3-07. make config したのですがちゃんとコンパイルできません。 A3-07. 環境の自動判定は完璧ではありませんので、TECHKNOW の 項目 1 を見ながら、手作業で config.h を修正して下さ い。多少の C 言語の知識は必要としますが、各 man ペー ジを参照しながら修正すれば高度な知識は必要ないでしょ う。 また、Install の中で対応 OS と謳われている OS を使っ ている場合は、make config を行なうと却って不適切な設 定になってしまう場合もあるので、make config はしない で下さい。誤って行なってしまった場合は make realclean を実行しましょう。 なお、未対応 OS に対する config.h の設定ができた場合、 作者まで連絡下されば、次回のリリースでは対応 OS とし て登録される場合もあります。 但し、作者の所持しない環境については基本的にサポート 不可能なので、config.h の修正でも不完全だった場合に は諦めて下さい。ハード込みで作者まで開発環境を用意し て頂けるようならサポートしますが。 Q3-08. man fd を実行してもマニュアルが正しく出ません。 A3-08. マニュアルが正しくインストールされていない可能性があ ります。Makefile.in で指定した MANDIR は用意されてい るでしょうか。 もしくは漢字コードにまつわる設定不備も考えられます。 ユーザ環境で MANPATH や LANG といった環境変数が正し く設定されているかどうかを確認しましょう。 最悪のケースとしては、OS が日本語対応でないという場 合も考えられます。端末自体は日本語を表示可能であって も、テキストフォーマッタ (大抵は nroff) が日本語を正 しく扱えないという場合もあります。 その場合は、Install の項目 8 に従って、プレーンテキ スト版のマニュアルをインストールして下さい。 Q3-09. アーカイブブラウザでファイルのタイムスタンプだけが正 しく表示されません。 A3-09. FDclone を抜けて手動で "tar tvf <ファイル名>" を実行 してみて下さい。日付や時刻が日本語で表示されていませ んか? そのような書式のタイムスタンプは正しく認識できないの で、.fd2rc などで "export LANG=C" を実行し、英語モー ドで tar を実行するようにして下さい。 また、アーカイブブラウザ登録が間違っていることも考え られますので、TECHKNOW の項目 5 やマニュアルの「アー カイブブラウザ」の項を良く読んでみましょう。 (Ver. 2.04c 以降は自動的に LANG の値を変更してからア ーカイバを実行します。) Q3-10. ファイル表示で最後まで読めません。 A3-10. OS 組込みの標準コマンド more など、一部の閲覧ソフト を用いている場合には、ファイルの最後まで読み切った時 点ですぐに FDclone に戻ってしまい、最後まで読めない 場合があります。 このような場合には、戻る前に一旦キー入力待ちを行なう ように、"%K" マクロを用います。具体的には、内部変数 (または環境変数) PAGER を設定している箇所で、閲覧ソ フト名の後ろに "%K" の 2 文字を追加して下さい。 Q3-11. 漢字コードが違うファイルを読みたいのですが。 A3-11. 漢字コードの変換は閲覧ソフトの行なう作業なので、閲覧 ソフトの側で工夫するしかありません。GNU less には、 各漢字コードを自動認識する iso-2022-jp patch があり ますので、各 anonymous ftp サイトで探してみて下さい。 また、nkf など自動認識型の漢字コードフィルタも幾つか 存在します。これらを用いて、内部変数 (または環境変数) PAGER に "nkf %C | less" などと設定しておくのもまた 一つの手です。 Q3-12. アーカイブファイルのブラウザ表示がある日突然おかしく なっていまいました。 A3-12. UNIX 版 LHa は、V 1.14 からリスト表示形式のフォーマ ットが変更されてしまいました。以下のランチャ登録を行 なって下さい。 launch ".lzh" "lha -lq" "%a %u/%g %s %x %m %d %{yt} %f" GNU tar は、version 1.12 からリスト表示形式のフォー マットが変更されてしまいました。以下のランチャ登録を 行なって下さい。 launch ".tar" "tar tvf" "%a %u/%g %s %y-%m-%d %t %f" launch ".tar.Z" "tar tvfZ" "%a %u/%g %s %y-%m-%d %t %f" launch ".tar.gz" "tar tvfz" "%a %u/%g %s %y-%m-%d %t %f" どちらもサンプルが _fdrc に用意してあります。 Q3-13. IRIX の winterm 端末で実行すると、Ret キーやカーソル キーが効きません。 A3-13. 標準で用意されている winterm 用の terminfo の記述が 誤っているのが原因です。 以下の記述を /etc/fd2rc に加えておくと良いでしょう。 if [ " $TERM" = " iris-ansi" ]; then keymap ENTER "" keymap UP "\033OA" keymap DOWN "\033OB" keymap RIGHT "\033OC" keymap LEFT "\033OD" fi 補足的に解説しておきますと、ここにある ENTER という のは、特殊キーの Enter キーを指し、Ret キー (いわゆ る改行キー) のことではありません。 キーボードの Ret キー (多くの場合右シフトの上) のキ ートップに Enter と刻印のあるものもありますが、ここ で言う Enter キーとはこれとは異なり、一部のキーボー ドに用意されている特殊キーのことです。送信キーと呼ば れることもあります。 IRIX の実装上この混同が生じたことが、この支障の元凶 だと思われます。 Q3-14. BSD on Windows 1.5 でコンパイルしたのに、FreeBSD だ と見なされてしまって、漢字コードが Shift JIS ではな く EUC 漢字になってしまいました。 A3-14. BSD on Windows 1.5 のインストーラに支障があり、プリ デファインされるべき識別子が定義されていないのが原因 です。 以下のファイルをコピーして下さい。 コピー元:("X" は BOW CD-ROM のあるドライブ名) /dfs/X/usr/local/lib/gcc-lib/i386--freebsd/2.6/specs コピー先: /usr/local/lib/gcc-lib/i386--freebsd/2.6.2/specs Q3-15. バイナリ頒布の FDclone を入手したのですがうまく動作 しません。 A3-15. バイナリ頒布については、Ver. 1.03 以降の FDclone で は頒布責任者を設けてもらうことになっています。このよ うなバイナリを実行した場合、タイトル行のバージョン表 示の後ろに '#' の文字がついているはずです。この表示 のないバイナリについては作者は一切保証しません。 この表示のあるバイナリでは、ヘルプ画面のファンクショ ン行に頒布責任者の連絡先が表示されますので、'?' を押 してみて下さい。 頒布バイナリに関して支障が生じた場合は、作者だけでは なく、この頒布責任者の方にも同時に連絡をして下さい。 Q3-16. MS-DOS ユーザなのですが、コンパイル環境を持っていま せん。 A3-16. MS-DOS 用に LSI C-86 3.5 でコンパイルした実行バイナ リパッケージが、以下の URL で入手可能です。また、こ の URL からは DJGPP で自動的にコンパイルするための パッケージも入手可能です。 http://hp.vector.co.jp/authors/VA012337/soft/fd/ Q3-17. MS-DOS 版で画面が正しく表示されないので操作すること ができません。 A3-17. ANSI.SYS が組込まれていますか?Windows の MS-DOS プ ロンプト以外の一般の MS-DOS 画面では、ANSI.SYS を組 込まないときちんと端末入出力ができません。 Windows95 の起動ディスクなどでも、ANSI.SYS が組込ま れていませんので、CONFIG.SYS を手で書換えて組込んで 下さい。 ANSI.SYS そのものを用意しておくことも忘れずに。例え ば Windows95 の場合、環境変数 WINDIR で指し示される ディレクトリの下にあります。 WindowsNT/2000 の場合、\WINNT\SYSTEM32\CONFIG.NT に devicehigh=%SystemRoot%\system32\ansi.sys を追加し ます。 (Ver. 2.01 以降は ANSI.SYS は不要です。) Q3-18. Fujitsu UXP/DS で、tar ファイルがアーカイブブラウザ で見られません。 A3-18. UXP/DS の tar はファイルモードに関する出力書式が特殊 なので、他の SVR4 系 OS 用のアーカイブブラウザフォー マットが使えません。 デフォルトで埋込んであるフォーマットでは、この出力に 対応させていますが、.fd2rc 等に手で書く場合には、フ ォーマットの書式に気をつけて記述して下さい。 また、UXP/DS V10 では、tar の出力が標準出力ではなく 標準エラー出力に出されます。このため、.fd2rc などの 記述で、"2>&1" というリダイレクト指定を行なわなくて はなりません。 どちらもサンプルが _fdrc に用意してあります。 Q3-19. MS-DOS で起動後最初に入力した特殊キーが無視されてし まいます。 A3-19. NEC 製 MS-DOS 付属の SMARTDRV.EXE のうち一部のものは、 キーボード BIOS を hook して、入力文字を横取りしてし まう仕様になっているようです。理由は判りません。 この横取りされたキー入力は、何らかの処理の後、MS-DOS 用のキーバッファに戻されます。キーボード BIOS を使用 しているとこのキーバッファは見えないため、キー入力が 捨てられてしまうのです。 当然、MS-DOS function call のみを利用すればこのキー 入力も読めるのですが、NEC 製 MS-DOS の仕様では、キー ボード BIOS を使用しないとカーソルキーの取得ができま せん。 そこで、キーボード BIOS 用のワークメモリを参照しなが ら、MS-DOS function call を用いてキー取得する手法を 1.03h で用意しました。 この手法は PC-9800 series 用でのみ有効となっています が、もし他の環境でもこの症状が発生するようであれば、 term.c の先頭に以下の一行を追加して再コンパイルして 下さい。 #define NOTUSEBIOS Q3-20. MS-DOS で Long File Name を使いたくありません。どう したら良いでしょう? A3-20. 指定ディレクトリ名のドライブ名として、"C:\" のように 大文字を用いれば強制的に Short File Name を使うよう になります。 もしくは、OS のバージョンを偽って、OS が LFN に対応 した MS-DOS 7.0 (Windows95 に付属の MS-DOS) より前の ものであるように見せかけるのも一つの手です。 OS 付属の SETVER.EXE を用い、 setver fd.exe 6.2 のようにして FDclone に対して古いバージョンを答える ようにすればいいでしょう。 但し、SETVER.EXE の効果は、CONFIG.SYS に以下の一行を 記述した上で、OS を一旦再起動しないと有効になりませ んので注意して下さい。 DEVICE=[drive:][path]SETVER.EXE Q3-21. PC-UNIX で MS-DOS ファイルシステムを mount して使っ ていますが、フロッピードライブで見た内容と一致しませ ん。 A3-21. 一般に、単一のメディアを複数の手段でアクセスすること は禁じられていますので、mount されているディスクに対 しフロッピードライブ機能を用いてはいけません。 umount してから用いるか、フロッピードライブ機能の使 用を諦めるかというのが一般解です。 危険を覚悟の上で同時に利用したいという場合は、この辺 りの状況の詳細について TECHKNOW の項目 9 に書いてあ りますので参照して下さい。 Q3-22. Solaris でフロッピードライブを使おうとすると「Device busy.」と表示されてアクセスできません。 A3-22. vold (Volume Management daemon) が動いていませんか? このデーモンが自動的にフロッピーデバイスを使ってしま うため、FDclone が使おうと思っても既に使用中でアクセ スできません。 /etc/vold.conf を編集し、「floppy」という文字列の含 まれる行を全て削除してから再起動します。または再起動 の代わりに稼働中の vold に対して SIGHUP を送ってやっ ても同じ効果が得られます。 但し、この設定変更により、OS 標準のフロッピー制御コ マンドの幾つかは使えなくなるでしょう。 なお、vold のせいで /dev/rfd0c が使えないからと言っ て /dev/rfd0a で代用しようとすると、フロッピーディス クの最終シリンダがアクセス不能になってしまいますので、 rfd0a は使わないようにして下さい。 Q3-23. PC-DOS (IBM-DOS) で使用していると、画面に「>5h」とか 「>5l」とかいったゴミが表示されることがあります。 A3-23. PC-DOS (IBM-DOS) 標準の ANSI.SYS は、MS-DOS (Windows) 標準の ANSI.SYS と比べて一部機能が実装されていません ので、MS-DOS 版でしか扱えない escape sequence がその まま端末に表示されてしまいます。 MS-DOS 版の ANSI.SYS と同等の機能を持つ PANSI.SYS と いう emulator が公開されていますので、ANSI.SYS の代 わりにそれを使うと良いでしょう。 http://hp.vector.co.jp/authors/VA003655/jp/down.html (Ver. 2.01 以降は ANSI.SYS は不要です。) <4.仕様の話> Q4-01. パス名の履歴を保存できませんか? A4-01. Ver. 1.03 よりパス名履歴を追加しましたが、これは入力 ラインの履歴ではなく、ディレクトリ操作系コマンドの履 歴となっています。その性質上、次回の FDclone 実行ま で持ち越すべきものでもなく、また保存ファイルの管理等 面倒な問題も生じるので、パス名履歴は保存しない仕様に してあります。 (Ver. 2.09 以降は内部変数 (または環境変数) SAVEDIRHIST や DIRHISTFILE によってパス名履歴を保存する設定にで きます。) Q4-02. INFO_FILESYS コマンドで、値が "?" となってしまうこと があるのですが。 A4-02. OS 側の仕様で、ファイルシステム情報が得られないよう な場合があります。その場合は "?" と表示されますが、 これは OS 側の都合でそうなっているので、FDclone には どうしようもありません。 Q4-03. ディレクトリにもマークできるようにはなりませんか? A4-03. ディレクトリへのマークを許してしまうと、ユーザが操作 を間違えてしまった場合のダメージが大きくなってしまい ます。安全策をとって、ディレクトリへのマークは禁止し ています。 なお、オリジナルの『FD』でもそういう仕様になってい るはずです。 Q4-04. 検索指定文字列に "*" を選んだところ、'.' で始まるフ ァイルが除外されてしまいました。 A4-04. UNIX のシェルでは、'.' で始まるファイルはワイルドカ ードにマッチしないようになっています。FDclone でもそ の仕様に合わせました。 因みに、一般には、'.' で始まるファイルにマッチさせる には、".??*" という文字列で検索します。 また、DOTFILE_MODE コマンドで '.' で始まるファイルを 非表示にしていないかどうかも確認して下さい。 Q4-05. Ver. 2.00 にバージョンアップしたところ、これまでと設 定が全然変わってしまいました。 A4-05. Ver. 2.00 から、EXECUTE_SH や .fd2rc で用いる組込み コマンドの書式に大きな仕様変更が施されました。Ver. 1.03 以前の .fdrc はそのままでは使用できませんので、 マニュアルや _fdrc.dif 等を参考にして書き換えて下さ い。 Q4-06. バグがみつかりました。 A4-06. 下記のアドレスまで mail でレポートして下さい。 対処法がわかれば次のバージョンから Bugfix します。 Q4-07. ソートするとディレクトリだけ必ず先に来てしまうのです が。 Q4-08. ツリー表示モードにすると、ソートするように設定しても カレントディレクトリが必ず先頭に来てしまいます。 A4-07. A4-08. そういう仕様にしてあります。 Q4-09. コンパイル時も実行時も、日本語表示するように設定して あるのですが、時折英語のエラーメッセージが出てきてし まいます。 A4-09. 出力されるエラーメッセージのうち、ファイルシステムな ど OS の基本的な部分に関わるものは、OS で用意されて いるライブラリ内のエラー文字列を使うようにしてありま す。 ですから、OS が日本語対応化されている場合、逆に英語 表示に設定しておいても日本語のエラーメッセージが出る こともあります。 このエラーメッセージは、OS の関数仕様とかなり密接に 関係しており、細かな点では OS によりメッセージ仕様が 異なります。このため、予め起こり得るエラーを予測して それに対するエラーメッセージを用意することは、非常に 困難です。 このため、十分予測し得るエラーに関してのみ、独自のエ ラーメッセージを用意することとし、それ以外のエラーメ ッセージについては、既成のものを用いる仕様にしてあり ます。 なお、各エラーメッセージの詳細については man 2 intro で参照できることが多いようです。 Q4-10. フロッピードライブで書込みを行なったフロッピーディス クを抜くと内容が更新されていません。 A4-10. フロッピードライブ機能ではキャッシュを用いているので、 書込みアクセスを行なった直後は実際にフロッピーディス クには書込まれていないことがあります。 フロッピードライブを見ている画面で、REREAD_DIR コマ ンドを実行すると、強制的にキャッシュの一掃を行ないま すので、これにより実際に書込まれます。 また、フロッピードライブ以外のディレクトリに移動する ことでも実際の書込みが行なわれます。実際に書込まれる までフロッピーディスクは抜かないようにして下さい。 Q4-11. シンボリックリンクを辿った論理ディレクトリを扱えるシ ェルを使っているのですが、シンボリックリンクを辿った 先のディレクトリにいる状態から FDclone を起動しても パス表記が物理ディレクトリ表記になってしまいます。 A4-11. まず理解すべきことは、その論理ディレクトリを扱う機能 は各々のシェルに固有の機能で、UNIX 全般について一般 的な機能ではないということです。 シェルから起動された各プロセスは、そのシェルが保持し ていた論理ディレクトリ名を知るためには、シェル以外か ら情報を取得する術はありません。 一部のシェルでは、その論理ディレクトリ名をシェル変数 PWD に保持していますので、これを環境変数として子プロ セスである FDclone に渡すことで情報を伝達することが できるでしょう。 この場合、.fd2rc などに「[ -d "$PWD" ] && cd $PWD」 と記述しておけば、起動時に環境変数 PWD で表されるデ ィレクトリに明示的に移動しますので、これによりパス名 表記も論理的なものになるはずです。 (Ver. 2.04 以降はこの記述がなくとも自動的に PWD の指 す論理ディレクトリ名を参照します。) なお、各種シェルのうち、Bourne shell 及び ash は論理 ディレクトリを扱えません。Korn shell 及び bash は論 理ディレクトリを扱え、またシェル変数 PWD にその値を 保持しています。zsh, tcsh は最初から PWD を環境変数 として export しています。 csh は経緯が複雑ですが、Bill Joy によって書かれた本 来の csh は論理ディレクトリを扱えませんし、PWD をシ ェル変数として持ちません。4.3BSD Net/2 で書直された csh 以降は論理ディレクトリを扱うことが可能で、その値 を環境変数 PWD として export しています。 <5.その他> Q5-01. ソースを失ってしまいました。 A5-01. 現在下記の URL に置かれていることが確認されています。 そちらから入手して下さい。 http://hp.vector.co.jp/authors/VA012337/soft/fd/ ftp://ftp.unixusers.net/src/fdclone/ ftp://ftp.vector.co.jp/pack/unix/util/file/filer/fd/ Q5-02. FAQ に載っていない質問があるのですが。 A5-02. 本当ですか?FDclone リリース後に寄せられた質問 mail のうち 90% 以上が、同梱のドキュメントに記載されてい ることで、しかもそのうちのほとんどが、この FAQ にあ るとおりの質問内容でした。 知らないことを他人に聞くことは悪いことではありません が、できる限りのことは自分でやるというのが Internet を支える互助精神です。 質問 mail を書く前に、もう一度ドキュメント類を読み返 してみましょう。その上で、どうしてもわからないことが ある場合は、遠慮なく問い合わせの mail を送って下さい。