ktrn で MIME header を使えるようにしよう
trn という UNIX 汎用のニュースリーダがあります。
既にかなり古いデザインのシステムなので、
使っている人は殆どいないと思いますが、
ニュース記事の threading 機能に長けた良いニュースリーダだと思います。
その日本語化されたものに ktrn というものがあるのですが、
なにぶんデザインが古いため、
最近主流になりつつある MIME header に対応していません。
そこで、このニュースリーダを常用している私としては、
かねてより、是非 MIME header 対応を行いたかった訳です。
インストール手順
- まずはオリジナルの ktrn のソースを上記 URL から入手します。
- 本 patch を上記からダウンロードします。
- それぞれのファイルを適当なディレクトリに置いてそこに移動します。
- gzip -cd ktrn3.7.1-3.5.tar.gz | tar xvf -
cd ktrn3.7.1-3.5
gzip -cd ../ktrn3.7.8-3.6.patch.gz | patch -p0
- local machine で Cnews, INN などの news server が稼動している場合はそれらの package に含まれる inews を利用しますが、
news server が remote にある場合は trn4 の inews を利用します。
- trn4 の Home Page から最新版のソース (04/05/2002 現在 trn-4.0-test76.tar.gz) を入手し、
適当なディレクトリに置いてそこに移動します。
- gzip -cd trn-4.0-test76.tar.gz | tar xvf -
cd trn-4.0-test76
- ./Configure を実行します。
- From: 行は inews がつけるので、
What hostname goes on the From line of this machine's postings?
には mail address の host 部 (@ の後ろ全部) を回答しておきます。
- 同様に、
Berkeley/V7 format for full name in /etc/passwd?
には "y" を回答しておきます。
もし /etc/passwd の GCOS 部が USG format (fullname の前後に数字が付く) の場合、
ここでは "n" と回答してこの直後の問いで "y" と回答します。
これらが共に "n" だと From 欄の GCOS field が (null) になってしまいますので、
その場合は ~/.fullname に fullname を書いておきます。
- これら以外には特に inews に必要な項目ではないので適当な回答で構いません。
return のみの入力で default 値を選択し先に進めます。
directory が存在しない場合など
Use that name anyway?
と問い合わせてきますが、
全て "y" と回答しておきましょう。
- Organization:
の項目は return のみの入力では先に進んでくれないので、
何か適当な名前を回答しておきます。
この値は inews には関係ないのでいい加減な文字列でも構いませんし、
表示される例のとおり "/etc/organization" でも構いません。
- test74 以前の場合、
Linux では GNU C library を利用していることを自動判別してくれないので、
Shall I use nm to extract C symbol from the libraries?
に対して明示的に "n" と回答する必要があります。
(test75 からは自動判別出来るようになり、
この部分の表示が「nm」の代わりに「/usr/bin/nm」などと fullpath 表記になっています。)
- make の代わりに make inews とすると inews だけを作成出来るので、
好きな directory に copy しておきます。
この inews の fullpath は、
ktrn の Configure 時に回答する必要があるので憶えておきましょう。
- 後はドキュメントに従って ./Configure を走らせてから make です。
NOTE.kanji 辺りも一読しましょう。
おまけ
trn には newsgroup の巡回リストを編集する機能がついていませんので、
汎用の .newsrc 編集ツール sortnews を作りました。
trn 以外の news reader でも .newsrc という状態保存ファイルを用いるケースが多いので、
そういう場合にはこのツールを流用して使うことが出来るでしょう。
補足
以前にあった Linux 用 bugfix patch は ktrn3.7.4 で上記 patch に統合しました。
苦情・問い合わせはこちらまで。
shirai@unixusers.net
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