XFree86を入れた場合、次に考えるのは、ウインドウマネージャと、デスクトップに何を使用したら良いか?という選択なのである。実は、おいらも、初めて試した時、486DX 66MHzという比較的非力なマシンに、GNOMEとEnlightmentを入れてしまい、最初の起動が完了するまでに約20分掛かり、設定でアイコンやアニメーション等,色々と機能を削減して、軽くしたのにも関わらず、結局動作が重すぎて使い物にならなかったのである。トドメにノーチラス(FileManager)を起動しようとして15分以上待ったが、とうとう起動するまで行かない(おいら達は、現在まで、結局,ノーチラスが、正常に動いているのを目撃していない…(T^T))という状況に陥り、最終兵器のリセットボタンを押してしまった事が、何度かあるのである。要は、こういう状況に陥らない様に、最初にある程度の予備知識が有った方が良いのである。元々、ネットワークに関しては、WindowsXpレベルか、それ以上の安定性,セキュリティと機能を持ったOSを使う訳だから、GUIという選択をするのであれば、多少の妥協は仕方ないと考えた方が良いかも知れない。
とは言う物の、おいらも、それ程沢山のウインドウマネージャを試している訳では無いし、動作の遅さにストレスを感じる,感じないは、個人の意識や使用用途にも依るので、ここに書くのは、おいらなりの感じ方なので、最終的には自分の感覚で選ぶしか無いのである。また、色々と探せば、軽くて機能の充実したウインドウマネージャが有るかも知れないので、もう少し、情報が欲しければ、インタネットを検索する等して、情報を集めるのも良いだろう。
まずは、ウインドウマネージャと総合ディスクトップ環境の違いと、おいらの使ったことのある環境についてコメントする。
- ウインドウマネージャ
グラフィカルなウインドウを開く時に、ウインドウのフレーム形状や、システムメニュー(終了,アイコン化,フルスクリーン)等の管理を行うプログラムで、勿論、これだけ有れば、GUIアプリを実行したり出来る(ネットに接続してネスケを起動,ゲーム等を楽しむという事も…)ので、事は足りが、シンプルなものが多いので、テキストエディタで設定ファイルを開いて、自分で設定コマンドを書く必要があったりして、使い勝手はいまいちである。ただ、中には、GUIによる動作設定機能や、メニュー,背景,仮想画面,テーマの設定等、デスクトップ環境並の機能を持ったものもある。
- twm
こいつは、デフォルトのウインドウマネージャで、何も設定せずに、最初にXを起動した時に立ち上がる。本当に最低限の機能しか無いのだが、好きな人は、これだけで充分!と豪語したりする。因みにおいらは、これを永遠と使おうと思った事は無いので、あまり詳しく無いのだ。
- AfterStep
PC9821Ap2に入れたが、かなり快適である。設定をテキストエディタで書かなければならないのは辛いが、設定さえカッチリ決めてしまえば、動きは軽くて使いやすい。日本語対応についても、最近は結構進んでいる様なので、出来れば日本語対応版を入手してインストールしたい。(残念ながら、4.5のCD-Rパッケージには含まれていなかった)
- Enlightment
一言で言うと、「ド派手」である。恐らく、デスクトップで使う一通りの機能は揃っていると思うが、重さもピカイチである。このページの冒頭でも書いた様に、低スペックなマシンには無用の長物である。マシンのパワーに余裕があれば、GNOME+Enlightmentは結構楽しめる内容だとは思うが…おいらの場合、割と敬遠する環境でもある。
- BlackBox
AfterStepの拡張版として、WindowMakerと言うウインドウマネージャがあるが、この系統である。AfterStepや、WindowMakerを使った事が無いと、さっぱり使えないと思うので、少々上級者向けだ。bbconf,bbpager,bbrunを一緒にインストールして、設定すれば、それなりに使える環境にはなる。派手さは無いが、軽い割に、見た目が格好良いので、マシンスペックが非力で、twmではちょっと…という場合には良いかもだが、GNOMEやらKDEを使ってみて、もうちょっと手応えのある奴に乗り換えたいという場合でもお勧め出来る。
- 総合デスクトップ環境
基本的にはウインドウマネージャの拡張/進化版であり、ウインドウマネージャの1機能として定義されているものもあるし、独立していて、他のウインドウマネージャと組み合わせて使うものもある。タスク管理,ラウンチャ,メニューや、背景,テーマ,スクリーンセーバ等から、ネットワーク等の設定まで、ある程度の機能が揃った環境である。
- KDE
GNOMEと比べて、若干機能は少ない様だが、(←これは間違い,機能充実です)その分軽く、CDEのインタフェースに似ているので、愛好者も多い。特に、標準装備のファイルマネージャと、ブラウザ(Konqueror)は、非常に軽くて、おいら的には大好きである。(GNOMEで使えないかな??)ただ、日本語対応の状況が、GNOMEに比べて遅れているので、(←これも間違い,GNOMEに比べて、日本語環境を整えるのが大変なだけ)少々抵抗があるかも知れない。残念ながら、おいらの所有している、4.5-RELEASEのパッケージには、日本語対応は含まれていなかったが、現行版では、かなりの日本語化が為されて居るので、導入出来れば試してみたい。
「後日談」日本語環境を試してみました。ja-kdexxxってのを、色々突っ込んでみると、かなり使いやすくなります。ja-kdenetwork,ja-koffice等を入れて、別項で書いた、Cannaとkinput2でも入れれば、クライアントマシンとして、充分な機能を備えたマシンとして完成する。ハードディスクは食うけど…。ただ、ja-kde***だけを入れても動作しないものもあって、kde***ってパッケージを入れて上げないと駄目な場合もあるのでご注意!とにかく、これだけ入れれば、殆どWindowsマシンに遜色無いレベルにはなる。ブラウザ,ファイルマネージャ,EMail,News,IRCのクライアントなどは勿論,kofficeを使えば、MS-WordやExcelで読めるものも作れてしまうのだ。まぁ、動作速度的には、Windows98より若干劣るが、一通りのアプリケーションが揃っているので、クライアントとして使っても全く不自由しない。XFree86の初心者で、有る程度のPCパワーを期待出来るのなら、まずはこれをお勧めする。
- GNOME
Red Hat Linuxでは標準となっているデスクトップ環境である。SawfishやEnlightment等のGNOME対応されたウインドウマネージャを、必ず1個は必要とする。NetscapeやMozillaと組み合わせて、ネットクライアントでもガンガン使いたい人はこれを選択。対応のアプリケーションも多いし、Linuxのバイナリも、殆ど遜色無く動作出来るのは魅力的だが、それぞれの動作が、若干重いのが気になる。さすがに、有名どころというのもあって、最初にインストールしたし、しばらく使ってみた事はあるが、どうも起動の遅さと、アプリケーションが固まる率が多いし、余分な遊びが多すぎる気がして、現在は、KDEに傾倒しているが、マシンパワーが有り余っているのであれば、GNOMEは魅力的な環境だと思うし、さすがに洗練されている。
因みに、4月1日になると、GNOME魚くんが窒息死しそうになっている。一度試してみるのも良いかも…
上記をふまえて、どの様な選択をすれば良いかを、まとめてみた。
- 386マシン
基本的には、XFree86無しという選択が正しいと思う。まぁ、このクラスのPCで、サーバ機能充実の32bitOSが使える事自体,感謝せねばなるまい。それでも、どうしてもXFree86を入れたいのであれば、ウインドウマネージャには、デフォルトのtwmか、fvwm辺りを選ぶ。こに辺りが、何とか使えるレベルの限界だと思う。間違っても、GNOMEやKDEを選んではいけない(^^);
- Pentium以前のPC
486DX以前のPC及び、Pentium100MHz以下であれば、AfterStep辺りが妥当だと思う。GNOMEとKDEはちょっと重い。余分な機能を削減すれば、何とか動く…というレベルにはなるが、使う度にストレスが貯まると思う。ただ、最初にGNOMEかKDEを入れてみて、設定方法などに、ある程度自信が付いたら、AfterStepを入れる…という形もありかな。
- Pentium100以上のPC
このクラス以上で、やっとKDE,GNOMEが比較的スムーズに動作する様になる。但し、中にはストレスを感じる程遅いアプリがあるし、メモリが極端に少ない等の問題があれば、AfterStepか、WindowMaker辺りで我慢する方が利口かも知れない。
- Pentium200以上のPC
このクラスになれば、割とストレス無く、サクサク動くと思うので、KDE,GNOME,GNOME+Enlightmentも行けるだろう。
ついでにネットスケープ
今更のネットスケープである!?おいらとしては、ネスケが無償配布を発表する直前に、ネスケ君のパッケージを購入(\7000)してしまった経緯もあり、恨みもあるのだが、XFree86では選択肢が無いし、現行はMozillaと名前も変わっているから、まあ良いか?って感じである。ネスケはWindows用のブラウザとしては、敗北を喫したブラウザだが、その経緯を見れば、InternetExplorerと機能的に比較されて負けた訳ではない。(Windowsに最初っからブラウザが付属していれば、わざわざインストールしないよな…普通),機能的には、当時2〜3歩IEより進んでいたので、現在使っても、それほど支障は感じない…さすがに、最近のプラグインには対応してなかったりするのだが…。現在は、オープンソースになっているので、機能が追加されて、Mozillaというブラウザに化けているが、ブラウザとしては、動作が重くなる方向なので、マシンパワー等と相談してから入れ替えるべし!因みに、おいらは、Pentium 100MHz(→166MHz ODP)マシンを、ADSLでインタネットに繋げていて、最低でも下りに3M以上は出ている筈なのだが、Mozilla君を使うと遅くてかなわない。ネスケでも、ちょっとストレスを覚えるが、何とか許せるレベル,サクサクインタネットというのは、ちょっと厳しい状況だ。
さて、ネスケをインストールすると、ちょっとした問題が発生する!?(おいらだけか?)パッケージから、ネスケを入れると、インストールした直後は、元気に起動するのだが、一端電源を切る等すると、うんともすんとも言わなくなってしまうのだ…!?これには「はまった」のである。
これを改善する為には、/stand/sysinstallで、インストールメニューを起動して、設定のスタートアップにて、Linuxのバイナリを実行する…云々という項目をONにする必要があるのだが、普通、Linuxのバイナリコンパチパッケージ(ネスケ実行には必須)をインストールすると、ONになる筈らしいのだが、おいらの場合、何度やってもONにはならなかった。インストールの順序が違うのだろうか?…まぁ良いや,手動で設定すれば、問題無く起動する様になる。同じ様な症状に困っていたら、とりあえず、ここをチェックすべし!
参考にしたサイト
Window-Managers!!
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