CHANPON-ZERO使用時のPCIカード固定

2004.4.8 まりも

 CHANPON ZEROシリーズを購入したものの、PCIボードの固定ができずに困っている人は多いと思います。PCIスロット用パネルを一から作り上げるというのは、特別な工作機械や技術が必要ですから、一般の人には困難です。金鋸とヤスリと電動ドリルという、どこの家庭にもありそうな工具だけでも何とかなる方法はないだろうか…と思い続けていました。PC本体のリアパネルを切り取るというのも一つの方法ですが、これはかなり大変ですし、本体まるごとの粗大ゴミが出るのが好ましくありません。そこで、ジャンク屋でよくみかけた、省スペース型PCのPCIライザー基板用の枠をうまく流用できないかと考え、製作を試みました。

1.用意するもの

 用意したものは、秋葉原のファーストポイントでジャンクとして売られていたPC98-NX用(機種不明)のPCIライザ基板用フレームです。これにはいろいろな種類があるようですが、PCIボードが部品面下向きになるタイプを使いました。三角の部分があることで、リアパネル面とPCIスロット基板の間のぐらつきがなくてよいのですが、残念ながらこのフレームにはいろいろと出っ張りがあり、そのままではPC-9821本体のCバス空間内に収めることができません。

 最低限、CHANPON-ZEROの土台基板(もちろん2次側バスのです)が載ればよいのですが、ネジ穴などは一致するはずもありませんので、リアパネルとなる部分(PCIカードのブラケットが取り付けられる部分)のみ使用することにして、CHANPON-ZEROの土台基板の固定は諦めるということにしました。PCIカードを水平にした状態で使うぶんには、CHANPON-ZEROの土台基板が脱落することは、まずないと考えられるためです。

2.加工

 このフレームのリベットの部分をドリルで壊し、各パーツに分解します。リアパネル面部分としてこのようなパーツが取り出されます。今回はCHANPON-ZERO2を使用するので、PCIスロットは2個しか必要ありません。そこでこれを金鋸とヤスリで整形し、2スロットぶんの状態にします。怪我をしないためにも、ヤスリ掛けによる面取り、バリ取りは、きちんとおこなっておきます。スロットの下側にひとつネジ山の切られた穴があります。工程を減らすため、これも活用することにします。
加工前
加工後

 しかしこれだけではうまくゆきません。全長がCバススロットの開口部より短くて、そのまま本体のリアパネルにはりつけることができないためです。そこで継ぎ足し用の小さな板を作成します。さきほどバラバラにしたパーツの余った部分を切り取り、写真のような「かけら」を作成します。ただの板ではなく、段がついているのがわかるかと思いますが、後述のようにこれには意味があり、そのような段つきの部分を切り取っています。これも金鋸とヤスリできれいに仕上げます。ネジ穴は3ないし4カ所あけることになるのですが、このうち一個はもともとある穴を流用し、とにかく工程の削減をめざしました。
 

3.ネジ穴あけ

 ネジ穴といってもタップを切るのは少々技術がいりますし面倒ですので、もともとCバスのカード固定用に本体にあるネジ穴を流用することにして、今回作成したパーツは、それに一致する穴をあけて、ネジは本体側に対して止めるということにしました。穴位置は現物合わせです。精度よく穴位置を計る必要があります。どの位置にネジがあってどのように固定するかは、次で示します。

4.取り付け

 さてこれでパーツは揃いましたので、いよいよ取り付けです。まず先にフレームにPCI/AGPカードを取り付けます。ここではGeforce FX5200ビデオカードとバッファローのUSB/IEEE1394コンボカード(非ブリッジタイプ)を載せてみました。CHANPON-ZERO2の土台基板を装着すれば、ユニットのようなものとして完成になりますが、9821本体への取り付けの障害になるので、この時点では未だCHANPON-ZERO2の土台は取り付けません


 次に、このユニットを本体のCバス開口部に取り付けます。ネジ位置はわかるかと思います。ネジ止め箇所の数からするとこれでは安定しないように見えますが、継ぎ足し板の「段」の部分がCバススロットの縁にあたって回転しなくなりますので、ぐらつきはありません。いちおうこの構造で、背面からの力、たとえばケーブルの抜き差しでユニットが動いてしまうということはなくなりました。PCIカード自体もユニットに固定されているので、動いてしまうことはありません。ただしリアパネルに接していない側が重力で垂れ下がってしまうのは防ぎようがありませんので、ユニットの下側に適当に詰め物をしておいたほうがよいかもしれません。


 そして最後に、CHANPON-ZERO2の土台基板を取り付け、配線をすれば、完成です。ちなみにCバスバックボードは完全撤去ではなく、X-PCM用スロットと、いちばん下段のスロットを残して切り取ってあります。このためX-PCM音源は使用することができますし、Cバスボードも1枚は載せることができるようになっています。