PCIバス搭載後期以降の機種でDIPスイッチ2-2の変更ツール

Copyright(C) 2017-21 まりも (DOSsoft)

【1.目的】 

 オンボードIDE 容量上限拡大/パラメータ変更ツールとして、PCIバス搭載機種用の EXIDECBおよび EXIDE55XというROMアプリケーションがあります。それを用いるとCompact Flash(CF)のときにCF本来の(CFに定義された)デバイスヘッド数、セクタ数(以下、ネイティブなパラメータと呼ぶ)でアクセスできるようになります。そのほうが「CFリセット」の影響を受けず安全にCFを使用できるほか、機種によってはBIOSでの転送速度も高速化されます。

 しかしネイティブなパラメータはハードディスク使用時のそれとは互換性が無く、以前にハードディスク相当でパーティションを切ってあるCFが読めなくなってしまうため、EXIDEでは、パラメータモードを「ネイティブ」と「IDE HDD互換(8:17)」で切り替えることができるようにしています。そのモードを記憶する場所として、今ではほぼ使用されることにないROM BASICのターミナルモード/通常モードを流用しております。

 この設定はシステムセットアップメニューのソフトウェアDIPスイッチ2-2にあります。しかしそもそもROM BASICが廃止された最後期の機種では、ROM BASICのターミナルモード設定も廃止されており、画面上で設定ができませんでした。それを補完するのが本ツール DSW22 です。

【2.使い方】

 [入手] DSW22は PCI機用IDE容量拡大ツールである「EXIDECB」に同梱されています。他の環境で使用することはありえないため、DSW22単独のアーカイブは置いてありません。EXIDECBのアーカイブから抽出してください。

 プログラム DSW22ON.COM

 IPLwareでも使えます。現状設定がなにであっても DIP SW2-2 をon側にします。これによりEXIDECB/EXIDE55X使用時には 4.3GB未満のCompact Flashは「ネイティブ」なモードで動作するようになり、「CFリセット」の影響を最小限に抑えます。DIPスイッチ情報が不意に初期化された場合でも常にネイティブモードで4.3GB未満のCFを使いたい場合は、DSW22ON.COMをIPLwareに入れておくことをお奨めします。対象外の機種では実行されないので、IPLwareに組み込みっぱなしでもおそらく問題はありません。このプログラムでは実行時に画面にメッセージが全く表示されません。

なおROMの実行はIPLwareより前ですので、このプログラムをIPLwareで実行した場合、その時点で反映されるわけではありません。設定が有効になるのはもう一度再起動した後のROMスキャンのときです。したがってバッテリ切れなどで設定保持できない状態では、IPLwareとしてこのプログラムが入れてあっても、もう一度再起動しないといけないことになります。IPLwareでこのプログラムを組み込むときは、DOSコマンド上での実行も合わせておこなっておいたほうがよいです。

 プログラム DSW22OFF.COM

 ソフトウェアDIPスイッチが初期化すると必ずオフ側になりますので、あえてこのプログラムでオフにする意味はなく、使用することはあまりないと思われますが、CFの動作モードを一時的に変更する場合などに使用できます。このプログラムでは実行時に画面にメッセージが一切現れません。

 プログラム DSW22TRN.COM

 DOSコマンドライン専用です(IPLware不可)。DIP SW2-2を現状から反転させます。つまりトグル動作です。起動時にSET SOFTWARE DIP SWITCHのエラーメッセージが出て、諸設定が初期化してしまった後に「一度だけ」実行すればよいものです。このプログラムでは実行時に画面にメッセージが表示されます。

【3.注意】

【4.おやくそく】

 ソフトウェアDIPスイッチの設定記憶方法が本ツールの手法で正しいかどうかの保証はありません。したがって本ツールの動作も保証しません。また実行の結果なにかの不都合が生じても作者は一切責任は負わないものとします。

 このプログラムのソースコードは、EXIDECBのソースプログラムのほうにに同梱されています。いろいろに活用していただいて構いませんが、これを参考にしてソフトウェアDIPスイッチの設定を行うツールを公開した場合は、そのことを明記して頂ければ幸いです。

2021-11-7 2.01

[戻る]