CバスSCSIボードのスイッチ設定を読み出すフロッピーを作成するプログラム

[ SCSIDSW ] 使用説明書

Version 1.05 Copyright (C) 2017,2021 まりも(DOSsoft)

 

【このアプリケーションの目的および概要】

 別のDOSツールSCSI_DSWを使うと、CバスのSCSIボード(PC-9801-55,/92と上位互換のもの)のジャンパ、ディップスイッチの設定を読み出すことができますが、ROMアドレスや割り込みの設定が不適切な場合、システムの起動ができなくなり、読み出すこともできません。

 そこで、どんな場合でもすぐにフロッピーが起動できる「FDローダ機能」で読み出すようにしたのが、本アプリケーションです。本アプリケーションのフロッピーを作っておけば、[ESC][HELP][8]押し起動で一瞬でSCSIボードの諸スイッチ設定を表示できます。割り込み(INT)やROMアドレスが不適切な場合でもこのフロッピーは起動できます。

【フロッピーディスクの作り方】

 まずPC-98の1.25MBでフォーマット(1024バイト8セクタ形式フォーマット)されたフロッピーディスク用意し、ドライブに入れます。

 コマンドラインから SCSIDSW A:

のように、フロッピーディスクの入っているドライブ名(A:)を指定します。 すると書き込みが始まり、起動用FDが作られます。

 なお、このフロッピーはシステムからダイレクトに読まれる物であるため、通常のファイルシステムに則った形式では書かれていませんが、それでは何だかりませんので、dirコマンドで見るとこのプログラムの存在や目的らしきものが判読できるようにはなっています。

【フロッピーの起動】

 フロッピーに入ったアプリケーションの起動方法には次の2通りがあります。
1.[ESC][HELP][8]押し起動
2.通常のブートプロセスでフロッピーから起動

 ボード設定が不適切な場合、ハングアップしてしまい、2.の起動ができなくなることがあります。1.のほうが確実で早く起動できます。

【表示内容】

 起動すると次のような画面が出ます。その後はENTERを押せば再起動となりますし、電源を切ってもかまいません。BSキーを押すと再度ボードがスキャンされますので、通電状態のままボードのスイッチを変更してBSキーを押すと、変更箇所の表示が変わります。

【注意・補足事項】

 SCSIボードの認識は、I/Oアドレスで行います。I/Oベースアドレスが所定の0CC0h,0CD0h,0CE0h,0CF0h以外のボード(例えばPC-9801-100ボード)は認識しません。SMITボードの場合はCCC0hも検索します。SCSIボードが検出できない場合、「SCSIボードが見つかりません」という表示が出ます。ハングアップしているわけではないので、ENTERキーを押せば再起動がかかります。

 92互換の非NEC製SCSIボードのなかには、ハードウェアのスイッチ設定がなく、[GRPH][CTRL][S]など(メーカにより異なる)を押してスイッチメニューを出す機能を持ったものがあります。SMIT方式SCSIボードは全てそうです。本アプリケーションはこのタイプのボードにも対応していますが、そもそも「スイッチ設定がひどく不適切」だとボードは98本体から認識されません。このような状態の場合本アプリケーションでも表示がなされません。

 「スイッチ設定がひどく不適切」の例としては、本体機種タイプの設定(SW2-7,6)が挙げられます。このスイッチを「ハイレゾ/ノーマル兼用」にしている状態でハイレゾモードのない普通の98(PCI搭載は全機種該当)に装着すると認識できず、設定もできません。ジャンクのSMITボードを入手して動作しない場合、本当に不良なのではなく、これに該当している可能性があります。この場合はハイレゾモード機で[GRPH][CTRL][S]などによる設定を行い、「ノーマルモード専用機」に直せばノーマルモード機で認識できるようになります。もしハイレゾモード対応機を持っていない場合は、ボードの再設定は不可能です。

 本アプリケーションで作ったフロッピーは、それ全体としてアプリケーションソフトとなります。内容識別のため、ファイルらしきものがあるように見える状態にしてありますが、アクセスできません。またファイルシステム上はスキップセクタが多数ある状態に見えます。そこに本アプリケーション本体がありますので、削除もできません。ただしファイルシステムとして正しい状態にはなっていますので、フロッピーの空き領域にファイルを書き込んで使うことは問題ありません。もしフロッピーをまっさらにしたい場合は強制フォーマットしてください。

 フロッピーディスクにセクタエラーがある場合、通常起動時にIPLだけ読めてアプリケーション本体が読みとりエラーとなる可能性があります。その場合エラーメッセージは出ませんが、通常より低いBEEP音が鳴り続けます。もしそのような音がしたらフロッピーディスク不良ということです。古いフロッピーディスクを使い回していると得てして起こりますので、留意しておいて下さい。[ESC][HELP][8]押し起動時に読みとりエラーが出た場合は、BIOSがDATA ERRORというメッセージを出します。

【技術的説明】

 SCSI_DSWをFDローダ対応となるよう移植しただけですので、詳しくはそちらをお読みください。

【お約束】

 著作権は保持しますが、フリーソフトウェアですので、自由に使用してかまいません。ただし不特定多数がダウンロードできる場所に置く(公衆送信可能な状態にする)ことや、二次的な譲渡や販売を行うことは禁止とします。

 このソフトを使用したことによる損害(起動不能、何かの設定への干渉など)に関し、作者は一切責任を負わないものとします。自己責任でお使いください。

【改版履歴】

日付    版   内容
2017-11-23 1.02  公開初版(移植元のSCSI_DSWと同じ)
2017-11-24 1.04  ハイレゾモード対応、SMITボード検出強化
2021- 3-17 1.05  SW2 6,7の機種タイプ名(XAと8086/V30)の入れ違いを修正

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