P55Csup.sys のIPLware版

「P55Csup2」

Version 2.10 Copyright(C)2019 まりも(DOSsoft)

ここをクリックしてダウンロードする

■ P55Csup.sysとは?

 PC-9821 Xa/C , Xa/K, 一部のValueStar二桁機ではWildcatチップセットが 使われていますが、これらの機種でCPUとしてP55C (MMX Pentium)を載せると 様々な不具合が発生することが知られています。この問題を回避するために 作られたのが、P55CSUP.SYSというDOSデバイスドライバアプリケーションです。 原作者はT.A.Labs. さんというハンドルネームの方で、1997年頃の作品です。 当時のパソコン通信フォーラムnifty serveのソフトライブラリに掲載されて いました。しかし20年ちかく経った現在では入手は不可能となっています。 またconfig.sysに記述するアプリケーションなので対応はMS-DOS,Win95のみです。

■ 対策なしでP55Cに載せ変えると

 CPUをP55Cに載せ変えることで起こる不具合にはいろいろあり、
(1)オンボードIDEのHDDで起動できずハングアップする
(2)EMM386が起動途中でハングアップする
(3)PnPのCバスボードが動作しない
(4)PCI BIOSを呼び出すアプリケーションが動作せずハングアップする
などがあります。

■ なぜ問題が発生するか?

 P55Csup.sysの説明文書に記述されたことを要約すると次のようになります。

 PCIバス搭載機種では D8000番地からの16KBにはIDE BIOSがあるとともに PCI/PnPのBIOSも存在し、それぞれのアクセスを行うさいにバンク切り替え動作が 発生しますが、P55Cでは分岐予測機能が災い(パイプラインが深いことも関連) して、バンクが切り替わった後にも既にプリフェッチした命令を実行しようと するために動作がおかしくなります。またバンク切り替えを行うコードは D8000のゾーンに置くわけには行かないので、ROM BIOSのF560:xxxxのゾーンにあり ます。ここを実行する際に、命令の読み直しがきちんと行われるようにすれば よいわけです。P55CSUP.SYSでは、F560:xxxxのROMのコードを修正します。ROMと いうくらいですから通常は書き込み禁止ですが、PCIチップセット機ではメモリの 属性を変える機能があり(Programmable Attribute Map)、この領域にRAMを出現 させて、ROMからコピーされたBIOSコードがシステムからは見えるようになって います。P55CSUP.SYSでは一旦書き込み可能属性に変更し、P55Cで支障のないコード に書き換え、元に戻すということを行っています。このコードパッチは32bit PCI BIOS に対しても行うということで、Windows 95でもうまく機能するようになっています。

■ IPLware版 P55Csup2 とは?

 本ツールは動作結果がP55CSUP.SYS 2.10と完全に同じとなる「IPLware」です。 現在ではP55CSUP.SYSオリジナル版が入手困難であることから作成に至りました。 もともとP55CSUP.SYSにはソースは添付されていませんので、まったく同じ コードの物を作ることは不可能です。違うコードですが動作結果が同じであれば 問題はないでしょう。IPLwareなのでDOSおよびWin9x以外でも有効かもしれませんが、 Windows NT/2000でどうなるかは確認されていません。そもそもWindows 98,98SEと Windows 2000は P55CSUP.SYSが開発された当時には存在していませんでした。

■  P55Csup2 の使い方

  IPLware ですので、まずIPLware.exeも用意しておいて下さい。コマンドラインから
iplware p55csup2.bin
と打てば組み込まれます。組み込みと解除に関する詳しいことはIPLwareのマニュアルのほうを参照してください。

■ 動作結果

 既に述べたような不具合がなくなりますが、PnP関係の不具合が無くなるかどうかは よくわかっていません。オリジナルのP55CSUP.SYSが対応できなかった事象については 本ツールでも対応できません。

■ 注意点

 既に述べたように対応機種はWildcat chipset( VLSI Super Core 594/591)の 搭載機種です。Xa/C, Xa/Kや一部の V二桁機種のほか Canbe Cx3,Cx13などもあり ますが、対応しているという情報はもともとありません。

 同様にP55C載せ変え不具合が発生する機種として430FXチップセット機があり ます。一部のValueStar一桁、二桁機種が該当します。しかしそれらの機種には 本ツールは対応しません。また不具合はかなり重症で、IDE ハードディスクが 見えなくなってしまうためIPLwareでは対処できません。BIOSそのものを書き換える 必要があると考えられます。

 Windows 98でどうなるかもよくわかっていません。そもそもWildcat機でWindows 98はあまり安定して動作しないようにも思います(さほど根拠のない印象です)。

 Windows 2000/NTの動作に本ツールが意味があるかもわかっていません。

 オリジナルのP55CSUP.SYSにはソースコードは付属していませんでしたが、本 ツールではそれを真似ているだけですので、それができているかの検証が可能 なようにソースコードを添付します。source.lzhというアーカイブにあります。

■ お約束

 著作権は作者が保持します。基本的にオリジナルのP55CSUP.SYSと同じ使用条件 としますが(ごく普通にフリーソフトウェア)、不特定多数のアクセスできる場所へ の転載は認めません。動作不具合に関する責任も作者は一切負わないこととします。

まりも(DOSsoft) (連絡先メールアドレスはWebページ上で)

■ 改版履歴

日付    版  内容
2019- 9- 8 2.10 オリジナルと同じVersion 2.10を初版とする

←戻る