Windows2000を任意のドライブレターでセットアップする

Rev. 1.00  2003-4-1作成
Copyright(C) 2003 まりも


 PC-9821で Windows2000の起動ドライブを、任意のドライブレターで新規セットアップする方法を紹介します。別OSからの上書きアップグレードの場合はそのドライブレターを基本的に引き継ぐので、任意にというわけには行かない場合があります。

 その前に、PC-9821システムにおけるMS系OSのドライブレターの割付け原則に関して概説しておきます。マイクロソフトのOSには、ドライブ名という概念があります。A:B:C:というやつがそれである。UNIXにはこのような概念はなく、各種の記憶デバイスは、ディレクトリにマウントされるという形をとります。

PC-9800シリーズのMicrosoftおよびNECが供給するOSでは、ドライブ文字(ドライブレター)の割付原則は次のようになっているようです。
MS-DOS 6.20まで
Windows95,98,NTの通常セットアップ
Windows2000のA:アップグレードセットアップ
ハードディスクは A:から始まる

内蔵IDEディスク→SCSIディスク(ID昇順)→フロッピドライブ→BIOSで認識されなかったディスク

Windows98,95のATセットアップ
Windows2000の通常セットアップ
ハードディスクは C:から始まる

内蔵IDEディスク→SCSIディスク(ID昇順)→BIOSで認識されなかったディスク

A: B: フロッピドライブ(最近ではスーパーフロッピーフォーマットのUSBメモリなどもあります)

PC/ATと大きく違うのは、IDEとSCSIとの間で順位が固定されている(*)こと、IDEデバイス間の順位入れ替え(*)ができないこと、実際に起動するドライブは常にC:であること、などです。

 ところでこれは原則であって、MS-DOS系(Windows9x)とWindowsNT系(2000)とでは異なる点があります。それは、MS-DOS系では、ドライブレターは相対順序で割り付けられるのに対して、NT系では一度起動してレジストリに記録が取られると絶対順序となるという点です。

 今あるドライブがE:であったときに、それより前のD:であるドライブを削除(接続の取り外しまたは領域削除)したとすると、次回起動時には、MS-DOS系OSでは、E:が繰り上がってD:として起動しようとしてしまうということになります。これに対してNT系では、インストール時に決まるドライブ順序は確かに相対順序ですが、一度ドライブ文字が決定されたあとは、E:の前にあるドライブを削除しても、E:がE:として起動するという点は変わらなくなります。

 結論としては、Windows2000の起動領域を任意のドライブレターとなるようにしたいときは、インストール時にその領域がデフォルトの順序で目的のドライブ文字に来るように、ダミーのハードディスクを接続したりダミーの領域を作成しておけばよいことになります。デフォルトの順序は、A:フロッピー、C:からIDEハードディスク接続ポート順(プライマリマスターからセカンダリスレーブまで)→SCSI ID順 です。またパーティションが複数ある場合は、そちらが優先してドライブレター割付がなされます。例えばインストール時点でこの順序で、Cから数えて(Cを含み)3番目にIDE内蔵ハードディスクの第3パーティションがあり、そこにWindows2000を入れようとするなら、このドライブはE:となります。

 ちなみに私はX:にWindows2000の領域を作りたかったので、それより前順位のハードディスク装置に、ダミーを含めて21個の領域を用意してからWindows2000をインストールしました。しかし後で考えるといささかやりすぎという感もありました。起動ドライブのコピーで嵌ることになったためです。

 一番無難なのは、起動優先順位先頭となるハードディスクの第1パーティションに、C:のままインストールすることです。こうしておけば、どのようにドライブが追加削除されても、常に起動優先順位第一位ですので、何かあっても(たとえばコピーをとっても)、ログインできなくなる問題は回避しやすくなります。